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鳥飼玖美子 / 講談社現代新書 (16件のレビュー)
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総合評価:
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Geo
学研の「書評で学ぶ小論文の必須テーマ」に取り上げられていたので読みました。自分の無知を痛感したのは、単なる到達度の指標程度にしか思っていなかったCEFRは、EUの「多言語主義」「複言語主義」に基づく言…語政策から生まれたものであったということです。これまでまったく調べようともしなかったことを反省しました。続きを読む
投稿日:2023.12.29
morimotoseiichi
授業で薦められ、2011年5月13日(金)に阪大生協書籍部豊中店にて10%オフで購入。同日読み始め、翌14日(土)に読み終えた。 鳥飼さんは英語を聴いたり話したりできるようになるためには文法をし…っかり習得しておくことが肝要であると以前から主張しており、私が彼女のことを支持していたのはそういう理由からであったと本書を読むことで思い出した。もちろん彼女は会話よりも文法が大事であるなどと安易なことを言っているのではなく、会話か文法か、あるいは実用か教養かといった二項対立で英語を捉える考え方をそもそも戒めている。誤解のないように書いておくと、本書の題名が『国際共通語としての英語』とあるように、本書の内容は文法がいかに大事であるかということではなく、私たちが英語を国際共通語として考えたときに、それをどのようなものとして考え、どのように習得していけばよいのかを中心に書かれている。この問題について考える切り口の一つがコミュニケーションであり、このコミュニケーションが本書のもう一つの主題である。 基本的には著者の意見に同意できるが、ところどころ疑問に感じるところもあった。 それから余談になるが、英語の授業で名前を姓名の順番に呼ぶのか、それとも姓と名を逆にして呼ぶのかというエピソード(140-6頁)は、立教大学に移ったあとの新鮮なエピソードとして紹介したかったのかもしれない(し、実際どういう意図があってのことなのかは分からない)が、最近になって初めて「名前を英語式に呼ぶことは本人のアイデンティティに関わることなのを、学生が教えてくれ」、それまで「ほとんど無意識に、学生の氏名を英語式に直し、ファーストネームを先にして呼ん」でいたというのは、いくらなんでもやりすぎだと思う。本当に最近になって初めて知ったというのであれば、それはそれでこの分野の研究者として問題だと思うし、以前から知っていたけど最近の出来事として英語式で名前を呼んだ学生から抗議されたことがあったためその授業を通じて学んだエピソードとして書いたというのであれば、それも誠実さを欠く行為であり問題だと思う。続きを読む
投稿日:2019.01.22
hawaii0521
英米人などのように、英語を母語とする人たちは4億人程度なのに対し、インドやシンガポールなどのように英語が公用語の人たちと、英語を外国語として使う国の人たちを合わせると、十数億人になるという。なので、我…々が英語を使う相手もそれら十数億人になる確率がはるかに多く、そのような時代では英語は英米人の基準に合わせる必要はない時代になっていると著者は主張する。つまり、英語はネイティブレベルを目指す必要はなく、言語としての最低限のルール(文法、発音、アクセント、イントネーション)が守られていれば十分で、それを前提とした英語教育をすべきである、というのが本書の主張である。 英語に限らず、語学学習にはネイティブ信仰がつきものだと思っていたが、本書を読んで考えを改めた。小学校から英語が必須になるとの事だが、文部科学省はぜひ、本書の低減を参考にし、「世界共通語としての英語」教育が生徒にできるような指導要領を確立させてほしいと強く希望する。 なお、著者の本として本書の後に書かれた「本物の英語力」という本があるが、まず本書を読んでから「本物の英語力」を読むと、本書が理論編、「本物の~」が実践編という形で利用でき、効率的であると思う。続きを読む
投稿日:2016.08.14
kobecufs
おすすめ資料 第200回 (2013.8.16) タイトルの含意は「完璧でなくてよい」ということ。 英語を学ぶ際に必要以上にネイティブ・スピーカーの規範に従うことはない、ということです (とはい…え、何をもって必要以上とするか決めるのは難しいようですが)。 決して文法や発音をおろそかにしていい、という意味ではありません。 学ぶときはきっちり学び、使うときは間違いをおそれずに使って、「自分の英語」を目指してください。続きを読む
投稿日:2015.07.31
aya37
「ニュースで英会話」を見始めて知った鳥飼さん。とても読みやすかった。日本人が何で英語を勉強してるのか、考えさせられる。
投稿日:2014.12.08
k-masahiro9
このレビューはネタバレを含みます
単にいくつかの外国語を無関係に学習するのではなく、また、「理想的な母語話者」を究極的な目標とするのでもありません。授業という限定的な場で、ある段階まで教えたら学習は終わりという言語教育ではなく、これまでの言語体験を十全に生かしながら継続的に続けるのが本来の言語学習という立場です。つまり、言語学習を継続する力を育成し、新たな言語世界を切り拓く力を獲得させること、新しい言語体験に向き合った時に対応できる力を育成することが重要になるわけです。(p.50-51) 学校で学んだことを基礎に、自ら学ぶ意欲を持つ必要があります。外国語を獲得しようというのに、学校の教え方が悪いと文句ばかり言っていても生涯的ではありません。「自律的に学ぶ」ことを継続する力さえあれば、国際共通語としての英語を使えるようになることは可能です。(p.72) 日本の言語政策についても、「韓国では小学校から英語をやっている」という次元の話ではなく、巨視的に世界の言語状況を参考にしつつ、日本人の言語についての理念を構築した上で、長期的かつ総合的な政策を提示していかねばならないと思います。(p.91-92) 「コミュニケーション」とは「相互行為」であり「関係性」である、と言えるでしょう。(p.107) 「多様な言語と文化は価値のある共通資源」であるから大切にしなければならないし、「多様性」をコミュニケーションの障害物ではなく相互理解を生む源へ転嫁させるためには教育が大切である、言語を互いに学ぶことで「コミュニケーションと相互対話」が可能になり偏見と差別をなくすことになる。 「一人の人間は、国の文化にせよ地域の文化にせよ、あるいは社会で属する集団の文化を含め、種々の文化の中で生きてきており、それらの文化が相互に作用し合って作り上げるのが<複文化>であり、<複言語能力>とは、<複文化能力>の一部として他の要素と相互に作用し合う」という前提から、「複言語主義(plurilingualism)」という考えが生まれました。(p.138)
投稿日:2014.07.17
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