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葉室麟 / 角川文庫 (17件のレビュー)
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女性ながら父から才能を認められ弓術の後継者として研鑽する伊也は、真っ直ぐな武士道精神と共にまさに才色兼備に成長しているものの、時代ものの定番である藩の権力争いに巻き込まれ、愛する人への想いより武士道を…優先しようとする。 伊也の真っ直ぐさと妹 初音の健気さとは対照的に、藩の重鎮達の人に対するリスペクトのかけらもない醜さが際立ちます。清四郎の完全無欠なスーパーヒーローぶりはもう少し欠点があってもいいのになと思った反面、前半ひ敵味方の区別がつきにくい磯貝八十郎の描き方が絶妙な塩梅でした。 まさに葉室作品という読後感です。続きを読む
投稿日:2023.07.25
kasaharapapa
このレビューはネタバレを含みます
読み進むにつれて、葉室麟の世界に引きづられて行く 解説島内景二:狭き門とは、葉室にとって武士道そのものである。さわらびの譜は、日置流雪荷派の弓術の奥儀と重ね合わせるようにして、葉室流文学道の神髄が語られている
投稿日:2023.02.01
shigenobu
冒頭からの「弓矢での立会い」についての疑問から、中盤まで少し引いて読んでいたけれど、段々と引き込まれていくのは著者の力量か。 終盤は見事だった。 著者の作品のなかには、主人公の鮮烈な生き様に脇役の悪者…が改心していく様が描かれているものも見受けられるが、本作もそのひとつ。続きを読む
投稿日:2022.07.30
honno-遊民
著者には、『散り椿』『はだれ雪』『青嵐の坂』等、扇野藩を舞台とした小説が何作かあり(それぞれに直接的な関連性はないが)、この小説もその一遍。 藩重臣の有川家の長女伊也が主人公。 弓を介し、藩随一の弓の…名手樋口清四郎に思いを寄せるが、彼は妹の初音の婚約者となる。有川家に寄寓する謎の武士も介在し、恋愛小説の様相もある。 しかし、著者は扇野藩の派閥抗争も絡め、武の心の有り様を問う時代小説となっている。 「武の心とは、ひとを想い、相手のために危うい目にあおうとも悔いぬ心持ちをいう」と。 題名に絡めた和歌「石ばしる垂水の上のさわらびの萌えいづる春になりにけるかも」が、要所で謳いあげられる。和歌に合った小説を紡ぎ出すのか、小説に合った和歌を選び出すのか、どちらにしても著者の和歌に対する造詣の深さを改めて思う。続きを読む
投稿日:2022.01.02
masato
面白かった! 漫画ライクな純愛+勧善懲悪ストーリ 鉄板です。後半は熱くなります。こういうの弱いんです(笑) ストーリとしては、 扇野藩重臣の有川家の長女の伊也は日置流の弓術の名手で、同じ藩の大和流の…弓の名手の清四郎との純愛物語です。 伊也と清四郎は競い合ううちに、伊也は清四郎に惹かれていきます。しかし、清四郎には伊也の妹の初音と縁談が。 どうなるこの三角関係っていう感じ。 伊也と清四郎のあらぬ噂で清四郎は藩主から不興を買ってしまいます。 結果、伊也と清四郎が弓で立ち会うことに.. 弓で撃ち合うってどういうこと?(笑) 一方で、有川家に居候としてきた左近と伊也の父親の将左衛門は藩政を立て直すために奮闘。 しかし、派閥抗争となり、巻き込まれれていく伊也。 藩主含めて、悪役がこれでもかと伊也と清四郎、左近、将左衛門に圧力をかけてきます。 さまざまな騒動が起きますが、最後、すべては伊也による千射祈願に託されます。一矢も外さず千射祈願が成し遂げられるのか? 介添えの清四郎と二人で挑む千射祈願。 その結果は? といった展開です。 もちろん、勧善懲悪、予定調和の鉄板ストーリなのですが、千射祈願のシーンは、涙がこぼれます。 もののふとしての矜持、その志が漫画のようなストーリ展開でわかりやすく、心を揺さぶります。 ということで、とってもお勧め続きを読む
投稿日:2020.06.21
nanadeutschland
最後までハラハラした物語でした。 その後、姉妹はそれぞれどんな風に過ごしているのか、みてみたいなぁと思いました!
投稿日:2020.06.04
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