【感想】天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺

菅野雪虫 / 講談社文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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ブクログレビュー

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  • 243

    243

    978-4-06-293060-4
    ソニンの仕えるイウォル王子と仲の良いクワン王子の国、江南が大嵐の被害に遭う。クワン王子と共に江南を訪れたソニンは、被害と変わらない王室の様子を悲しむ。仲の悪い隣国の巨山から食料や医療の援助の申し出があり、クワン王子は侵略を疑う。そこに援助の知らせをイウォル王子が届けようとし、巨山のイェラ王女も江南を訪れ、江南で3人が集まる。イェラ王女とクワン王子の関わりが面白かったを続きを読む

    投稿日:2022.04.15

  • シンタロー

    シンタロー

    このレビューはネタバレを含みます

    台風で被災した江南に対する各国の態度、目先の欲に右往左往する民の浅はかさがよく見えた。
    次代を担う王子や姫が活躍していた。
    三国の関係がますます危うくなったけれどどうなることやら。

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    投稿日:2021.10.30

  • より

    より

    図書館で。
    4巻。南の虎と北の狼の邂逅。じゃあソニンの国の王子は何だろう?ネコ科とイヌ科の中間だとすると…ウサギか?いや、それだと獲物になっちゃうな。ま、穀蔵庫として狙われているんだしあながち間違いでもないのかな。

    という訳で中々政治色強いお話。それにしても南の国はブレインは第二王子しかいないのか?まぁそういう事も踏まえて自分の私腹が肥やせればいいと黙っている臣下ばかりなのかもしれないけど。
    段々ソニンも人らしくなって何よりと言った感じ。次で最終巻なのかな?どう決着がつくのやら。
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    投稿日:2021.10.28

  • scaramouche

    scaramouche

    このレビューはネタバレを含みます

    『天山の巫女ソニン』第4巻。
    舞台は江南国。沙維、江南、巨山の微妙な緊張関係が、経済問題と災害からの復興を下敷きにして緻密に、しかし分かりやすく描かれていて読み応えがある。
    ソニンとイウォル王子だけでなく、江南国のクワン王子と巨山国のイェラ王女という食えないふたりに関しても、成長が丁寧に描かれていて魅力的。

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    投稿日:2021.08.04

  • ニセ人事課長

    ニセ人事課長

    さて、ここまでで沙維・江南・巨山、それぞれの国の事情が分かったところで第4巻に入る。

    そこで本作では、江南が未曽有の大嵐に見舞われ、その復興を巡って色々な思惑が交錯する。
    図らずも江南の王宮に、クワン王子はもとより、その妹リアン王女を訪ねたソニン、江南の状況を確認する役割になったイウォル王子、巨山からの使者イェラ王女が勢揃い。
    クワン王子vsイェラ王女はまさに竜虎相打つ(本の中では虎と狼だが…)。
    どちらも国を思い民を護らんとする気持ちは強く、しかし立場は異なるが故のぶつかり合いだけに、なかなかの見物だが、事情は違えど身を置く立ち位置や複雑な心境は似た者同士ってところがミソ。
    間に立つソニンとイウォル王子も含めて駆け引きの中で4人の心が動いていく様が今回の読みどころになって、早く彼らの時代になり3つの国が仲良く発展していくようになったら良いと思わせた。
    続きを読む

    投稿日:2020.06.13

  • greenflash

    greenflash

    このレビューはネタバレを含みます

    この第4作は秀逸でした。

    イウォル、クワン、イェラ。
    三つの国の命運を握るこの3人が
    初めて一堂に会し、三国の未来を
    決めてしまいかねない大事を
    収めてしまう。それぞれの正しさと
    それぞれの欲望の狭間で揺れながらも。

    彼らの心を救った者はやはり、ソニン。

    策謀を自ら引き上げて戻ったイェラは
    父王に問い詰められる。

    「お前はあの娘といると自分らしくない
    行動をとる。あの娘が持つ、おまえや
    わたしにはないものとは何だ?」

    イェラは
    『ソニンには確かに何かがある。しかし
    それは何なのかわからない…』
    と逡巡する。

    ソニンが天山の巫女であったことの
    重要な意味が、わかったような気がする。

    ソニンは何かを持っているのではない。
    欲望を持たないのだ。

    欲望は時に人の感情にさざ波を立て
    さらに大波となって自らを翻弄しさえする。

    ソニンにはそれがない。だから彼女の
    判断はいつもその時に応じて
    最良のものになる。しかもそれは
    人間として生まれ、王族として生き、
    多くの人々の欲望にまみれた生き様に
    触れ続けてきた3人には決して
    たどり着けない判断なのだろう。

    真の聡明さ。
    欲望に裏打ちされることのない判断が
    できるとしたら、ソニンが持つものを
    言葉にすればそれなのかもしれない。

    感情も欲望も持つことは許されず
    夢見に正しい判断を下すために
    膨大な知識をおさめた天山の巫女。

    ソニンが天山で過ごした12年は
    下界で生きる者には計り知れないほどの
    尊い時間なのかもしれない。

    だからこそこの第4作は読み落とせない。
    なぜならソニンは人間として成長を始め
    今は「自分の幸せ」は何かを探し始めている。

    私が「不吉な伏線」だと思っていた、
    下界に戻されたもう1人の天山の巫女レンヒは
    実はソニンが欲望や感情をその心に育みつつも
    聡明な判断を見失わないために、
    なくてはならない存在…ソニンの
    鏡なのかもしれない。

    いよいよ第5作。
    この物語を読み始めてよかった。

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    投稿日:2016.09.19

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