0
手嶋兼輔 / 講談社選書メチエ (4件のレビュー)
レビューを書く
総合評価:
"powered by"
鈴華書記
本書の主題は,そのうちの「東地中海」側を舞台として古代に展開されたギリシア民族とギリシア文化圏の消長である。(はじめにより) ちょうど世界史でクローズアップされる古代ギリシアについて,エジプトやペルシ…ア,ローマとの関係性から解説した本。ところどころに歴史書の引用が見られるのが特徴。続きを読む
投稿日:2021.09.10
firstlight
ギリシャ文明のことを知っているようで知らない。 なにか適当な入門書がないかな?・・・と思っている人には絶対オススメの書です。 ギリシャの発祥からローマによる属州化までが書かれているのであるが、現代の…ギリシャにも興味が繋がるように書かれている。 コレだけ少ないページ数(232ページ)で短くまとめるのは余程知識が豊富でなければ出来ないことじゃないだろうか。 単なる羅列に終わりがちだけれど、流れとしてきちっと整理されていて無駄がない。 いかにも学者風ではなく、個人の興味、あるいは疑問点を中心にトピックを選んでいるのだが、その選ぶセンスがとても良い。 しかも、自分の理解したところの裏付けとして、的確な史料を参照している。 余程読み込んでいなければ出来ない作業である。 文章もとても読みやすく、著者に対する親近感が得られる。続きを読む
投稿日:2016.05.18
ジャミラ
ともすれば西欧文明の源流とされがちなギリシア文明について、そうではなくオリエント・ギリシアからなる「東地中海文化圏」の一文明であったという史観をベースに、ギリシア⇔オリエント、ギリシア⇔ローマの関係性…を中心としながらその特性を解き明かしてゆく。 所謂「古典期」のギリシア文明は、その発祥からアイデンティティを確立するまでの重要な時期は、つねにオリエント、特に古くはエジプト、後にペルシアとの関係性を抜きに語ることはできないということがよく分かる。 まさに東地中海を囲む一帯との関係性において発祥し、成熟し、そして残っていった文明圏なのだという主張は筋が通っているように思える。 また、ペルシア戦争以前、ペルシア戦争以後、アレクサンドロス東征以後、ヘレニズム期・・・と、ギリシア人のオリエントに対する関係性や立場認識が徐々に徐々に変遷していく様も、手にとるように解き明かされていく面白さもある。 そして最後は「後輩」たるローマに政治的には制圧されるものの、地下水脈のように「東地中海文化圏」は生き続けていく・・・と締めて終わるのだが、ちょっとこの最終章の主張は論拠が弱く、面白みに欠けるのが残念。 前著に比べて、良い意味で「歴史学者っぽい」丁寧な書きっぷりになっていたのは個人的には良かった。続きを読む
投稿日:2016.01.29
H.Sato
ギリシャ民族の独創的特技と言ってよい運動競技や身体訓練を思い起こす必要がある。 ギリシャ以外のところでは、女性と奴隷は同一列のところに置かれる。アリストテレスからすれば、非ギリシャ世界はギリシャ世界の…四周にそのままの延長として広がっているのではない。その間には、ギリシアとひギリシャを分け隔てる絶対的な境界線が引かれているのであり、民族も文化も習慣もその線を挟んだ双方は全く異質なのである。 アリストテレスとアレクサンドロスというかつての師弟の対立はもはや後戻りできない地点まで達していた。 書物を介し、あるいはギリシャ人学者との直接の接触を通して、ローマ人はギリシャに学ぶことを覚え始めた。 ギリシャ語に翻訳されなければ、ユダヤ人以外の誰にも読んでもらえない。それはつまり、ギリシャ語にさえ翻訳すれば、多くの人に読んでもらえるという意味である。続きを読む
投稿日:2010.09.29
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。