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栗田有起 / 集英社文庫 (26件のレビュー)
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栞
お仕事の物語かと思えばそうでもない独特な世界観。 キノコに振り回されながらも主人公の一馬の順応性が凄い。 キノコに仕組まれたような、でも逃れられない程の深刻さではなく、緩い感じが面白い。
投稿日:2023.08.17
枝乃
このレビューはネタバレを含みます
魅惑的なキノコに導かれる物語。就職活動にことごとく失敗し、都合のよいアルバイトを急募していた姉夫婦にフランスへと呼び出された一馬。商売の手伝い……だったはずが、なぜか取引先の三ツ星レストランでキノコ担当に。辞めることも叶わず、上司命令で幻のキノコを求めて再び日本へ。異様な光景や寝耳に水な話に対する受容力の高さよ。彼の未来は開けているが、俯瞰するとキノコの掌で踊らされているような怖さも。
投稿日:2022.10.24
moto
読みやすい。 不気味な自分を支配するなにかしらを知ったところで、多少の戸惑いや怒りを感じつつも、共生できる。 答えを出さないまま生きる日本人のあやふやさとその力強さ、と言ったら言い過ぎかな。そうして生…きられるのは、何よりうまいから、という食感と、仕事がほしいという生活中心的な価値基準。すてきな俗物としての面。呪いも忘れてしまえば呪いで無い。 河童で芥川龍之介が言っていた生活教が最近の気になるキーワード。続きを読む
投稿日:2014.09.29
PINKDIAMOND
前半は流されて生きてきた主人公が自分の生き甲斐を見つけていく、ありがちな展開かと思って読んでましたが、とんでもない展開でした。作者の投げやりかとも思える話の成り行きが面白かったです。
投稿日:2014.03.31
yuimoamenameru
生きるのは自分で、感じるのも自分。だったら、見え方なんて何だっていいじゃないか。人生の途中でイキイキとできるなら、それで十分だ。そんな風に感じる本でした。
投稿日:2014.02.19
miooo
159 「直筆って、すごいんだ。書かれた文字にはそのひとの魂がこもっているんだ。そのひとの歴史なんだ。過去、現在、未来のすべてがそこにあるんだ」 でも、料理長が言ったのだ。フランスにいる…からには、フランスで採れたものを食べることだ。そうしてはじめて、その土地のことがわかる。 *・*・*・*・ なにこれ。すごい。意味がわからない。面白い。 就職が決まらず、パリにいる姉の仕事を手伝いに行ったら三ツ星レストランにスカウトされた。そこまでのたんたんとした感じがとても面白くて読んでいたら、日本に飛んだあたりからどうもおかしい。トントン拍子で、主人公がキノコに早変わり。彼の人生、もっというと祖先、そしてキノコを食べたひとたち、みんなキノコに支配されてた。ぐわん。メヒコに不思議なキノコがあるらしいんだけど、それを小説にしたらこんな感じになるんじゃないかなって思った。おもしろかった。ぐわん。ぐわん。続きを読む
投稿日:2014.01.21
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