【感想】妖精が舞い下りる夜

小川洋子 / 角川文庫
(27件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ふみ

    ふみ

    古くなるということは、そこに関わりを持った人たちの生きた証が、それだけ深くしみ込んでいるということだ。
    【仕事の周辺 建物】

    投稿日:2023.07.26

  • リンネ

    リンネ

    作家さんを等身大に感じるのに、エッセイを読みたくなりますよね。作家さんと自分との接点を見出して嬉しくなったり。小川洋子さん、本人も認めるように小説では少し昏い世界をお書きになりますが、阪神の熱烈なファンであるなど意外性たっぷりです。

    おこがましいようですが、小川さんは書きたい人なのだなぁ、天性の作家さんなんだなぁと思いました。どの言葉を掬いとるかということに専心しつつ、一方で言葉にできない空間に意識を払っている。金井美恵子さんらの小説について綴った箇所も、とても素敵でした。
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    投稿日:2021.09.26

  • noopy23

    noopy23

    あの「博士の愛した数式」を書いた作者の駆け出しのころのエッセイ。
    どんな風に言葉を紡いて小説を書くのだろうと思って読んでみました。
    真摯に言葉に向き合うひたむきな姿勢と、書くことが好きという想いが伝わってきた。
    印象に残ったのは「小説は言葉によってしか表現できないものだが、それだけですべてを表現しつくしてしまうことも、またできない。言葉が持っている目に見えない模様を見せたい」。そう、小説って言葉で表されているもの以上にその裏に感じる情景や思いや手触りといった諸々のものを感じさせる。私は一読者としてそれらを感じられる読書が好き。
    あと印象的だったのは、出産した時に感じた哀しさの話。産声に切ない哀しさを感じたって。人は哀しさを抱えて生まれてくる。手付かずの純粋な哀しさ。曰く「人の心を掘り起こしていって、一番奥の髄にある哀しさを表現することが、小説を書くということではないだろうか」。私が彼女の小説に心を動かされる訳がわかったような気がしました。
    読み飛ばしたところも多々あったけど、印象に残る箇所のあるエッセイでした。
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    投稿日:2020.12.08

  • 橘

    再読です。小川さんの「書きたい」という思いをあらためてしみじみと強く感じるエッセイでした。初期の頃のエッセイなので、あの小説はこんな思いで書かれたのだ、というところが興味深いです。出産と子育て、阪神タイガース…阪神タイガースの応援日記が、なんだか小川さんを身近に感じました。日々の切り取り方が、エッセイという形でも、小川さんだなと思わされます。面白かったです。小川さんはやっぱり、物語を紡ぐために生まれてきたのだなと思いました。これからも読みます。続きを読む

    投稿日:2017.10.22

  • mirutan

    mirutan

    30歳前後のときに書かれたエッセイ集。
    『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞し、子供が生まれて数年という期間。

    自省的な文章であり、書くことがいかに小川さんにとって大切でかけがえのないものなのかがひしひしと伝わってくる。
    早稲田に通いながら小説を書き始めた頃の思い出が印象深い。
    決して芽が出ない作家志望者が大勢いる中で、ずば抜けた才能を持っている人ではあるけれど、ひたむきに書き続けることが一番大切だと感じられた。

    後半に出てくる熱狂的な阪神ファンならではのエピソードも面白い。
    阪神の勝利と読売の敗北を何よりののぞみとしながら、暗黒時代の阪神の戦いに一喜一憂する健気さであるよ。

    作家としてだけでなく、母としての姿が垣間見れるのも新鮮である。
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    投稿日:2014.06.24

  • venezia

    venezia

    古書店で買ったために帯がなく、タイトルからは、てっきり小説だとばっかり思っていた。もっとも、読後の今は、ぴったりなタイトルだと思っているのだが。小川洋子という人は、生き方においても誠実で、小説に向かう姿は真摯そのものだと思う。彼女の小説作法は、本人も述べているように、最初に枠組みや構想があるのではなく、1つ1つの言葉を紡いでいくことによって、そこに立ち現れてくるものであるようだ。感受性もまた、きわめて細やかで、そして豊かだ。例えば、『想い出の歌』などを読むと、エッセイならではの面白さが伝わってくる。続きを読む

    投稿日:2013.09.24

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