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ウルフ, 土屋政雄 / 光文社古典新訳文庫 (27件のレビュー)
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asuka
登場人物の環世界(主体にとって知覚できる空間・時間)が織りなすシャボン玉の中で、バスケやサッカーでボールをパスしあうように、次々と主観がシャボン玉からシャボン玉へ渡り歩いていく、と私はとらえています。… 1つの主観が、別のシャボン玉の客観になっていくところが面白いです。また、それぞれのシャボン玉がよくできているのが、バージニアウルフの読み応えだと感じました(この本しか読んでないけど) アガサクリスティの「春にして君を離れ」も、主観からはじまりそれを俯瞰していきながら人間模様が暴かれていく(環世界の狭さ愚かさを赤裸々にしていく)話で、なんか似ている気がします。イギリスの女性作家の特徴なのかも??続きを読む
投稿日:2023.05.29
LewisKarroll
印象派やマリー=ローランサンの絵画のような淡い色彩を思わせる作品。全体的に少々退屈で、主人公ダロウェイ夫人がお上品すぎるきらいはある。ただ、第一次大戦に従軍した青年セプティマスのPTSDに苦しむ心理描…写や、ダロウェイ夫人の回想の中の女友達とのキスシーンなどは大変素晴らしい。続きを読む
投稿日:2023.04.26
らんらん
感想が上手く書けないけれど、ゆっくり反芻してみている。そんな小説。 ロンドンのストリートが交差し、全ては同じ空間ヘ、時間も空間も超えて、交差し、つながっていく。 道行く人も人生を変えた人も、今というこ…の瞬間につながる感覚をふと覚える。 続きを読む
投稿日:2023.03.31
itomona
イギリス貴族社会・中産階級社会の俗物性を描きつつ、それで世の中が成り立っている側面を認めながらも、それに対する違和感を拭えない人々の独白を重ねていく。「私」とは?人生とは?幸せとは?屋内のパーティーの…俗物性と屋外に広がる暗闇の虚無。その境界にある窓際が象徴的。続きを読む
投稿日:2023.02.15
Yurico
6月のある朝、ダロウェイ夫人はその夜のパーティのために花を買いに出かける。陽光降り注ぐロンドンの町を歩くとき、そして突然訪ねてきた昔の恋人と話すとき、思いは現在と過去を行き来する。生の喜びとそれを見つ…める主人公の意識が瑞々しい言葉となって流れる画期的新訳。続きを読む
投稿日:2022.08.12
lho
イギリスの女流作家。初期の“Jacobʼs Room”(1922)あたりから伝統小説のプロットや性格概念に対して実験的再検討を試み、”Mrs. Dalloway”(1925)や”To the Ligh…thouse”(1927)などで刻々と移り変わる人物の意識の流れを叙述していく方法を確立 ウルフは外側のリアリズム、すなわち人間の外面的なものをいかに現実らしく書くかを重視した19世紀のリアリズムを否定し、独自の新たなリアリズムを作り出そうとした。 いわゆる実験小説と呼ばれる彼女の三つの作品、『ジェイコブの部屋』『灯台へ』『ダロウェイ夫人』を比較してみると、それぞれの作品における客観的時間の長短は極端に異なっている。 『ジェイコブの部屋』→ジェイコブの幼少期から戦争に出て死ぬまでの20年間 『灯台へ』→10年を挟んだ前後それぞれ1日づつ 『ダロウェイ夫人』→朝起きてからパーティーまでの10数時間人物を外側からでなく、内側から描こうとする。 『灯台へ』においてもウルフはこの方法を採用しているが、実験第一作『ジェイコブの部屋』では多数の人物を登場させ、各場面でそれらの人々の目に映るジェイコブを描いたが、それに比べると、彼女の技法の用い方はその時より効果的になっている。続きを読む
投稿日:2022.02.22
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