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吉村均 / ちくま新書 (2件のレビュー)
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総合評価:
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ルナCEO@月5万を授けるプロ
本書は、日本人の伝統文化の本質を民俗学、宗教学、倫理学の視点から探り直した力作です。著者は、近代化の過程で見失われがちだった日本人の心のあり方や価値観に焦点を当て、その源流と変容を精力的に掘り起こして…います。 まず、柳田国男や折口信夫らの民俗学者の業績を手がかりに、神祭りや年中行事に息づく古代日本人の自然観、死生観を浮き彫りにしています。次に仏教の受容と展開を追うことで、神仏習合によって育まれた中世文化の独自性を析出しています。 さらに、近世から近代への移行期に注目し、西欧の知の流入による伝統的価値観のゆがみや、明治期以降の国家主導による伝統文化の再構築過程を批判的に検証しています。 本書の特徴は、学問領域を越えた総合的なアプローチにあります。民俗学、宗教学、倫理学の成果を有機的に結び付けることで、日本文化の深層に息づく精神性の核心に迫ろうとしているのです。 一方で、そうした精神性の継承と創造的発展の重要性も力強く提起されています。伝統文化を単なる過去の遺物と見なすのではなく、現代に生かすべき生きた智恵として位置づけている点が高く評価できます。続きを読む
投稿日:2024.04.04
汐海結
公益財団法人中村元東方研究所専任研究員で日本倫理思想史・仏教学が専門の大学非常勤講師の著者が、民俗学や宗教学・倫理学等の観点からかつての日本人の神への考え方や日本仏教の変遷について紹介しています。 明…治維新の「神仏分離」が日本の文化に深刻な影響を与えたことや、その危機感から民俗学が生まれたことなど、知らなかったことが多く勉強になりました。続きを読む
投稿日:2024.01.03
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