【感想】名場面でわかる 刺さる小説の技術

三宅香帆 / 中央公論新社
(10件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ももも

    ももも

    著者つながりで手に取った。

    おもしろい小説のうまい部分を集めて、それぞれを解説。作者が意識的に、あるいは無意識に盛り込んだ小説の技術をピックアップしている。

    この本に特徴的なのは、わざとおもしろくない文に書き直してみて、「全然ワクワクしませんよね」と、感覚的にも訴えてくるところ。続きを読む

    投稿日:2024.06.05

  • 紫月

    紫月

    ここぞという面白い場面、忘れられない場面のある小説が、刺さる小説であり、その名場面は予想外の展開と盛り上げ演出によって成り立つと、著者は述べている。今まで、書く側の人が書いた小説指南書はいくつか読んできたが、読む側の人のは初だったので、私も一読者側として、そうそう!そういう小説は面白い!と納得感でいっぱいになった。こうしたら良い小説になると頭でわかっていてもそうできないところに創作の難しさがある。著者の他の類書も読みながら、どうしたら予想外の展開を作れるのか等々、多読して分析を重ねたいと思った。続きを読む

    投稿日:2023.11.15

  • horinagaumezo

    horinagaumezo

    面白い小説の共通点は「自分が好きな場面を挙げられること」というコンセプトのもと、小説を書く人の参考となるよう、様々なシチュエーションのいろんな小説の「名場面」を取り上げ、なぜそれが名場面なのかといったことを気鋭の書評家である著者の視点で解説。
    自分は小説を書きたいと思っているわけではないが、小説を読むのは好きなので、小説をもっと面白く読むための参考にと本書を読んだのだが、著者の冴えわたる解説自体がとても面白く、「なるほど、小説の名場面というのはこういう構造になっているのか」と納得させられた。未読のものも多い様々なジャンルの小説の名場面をザッピング的に読めたのも楽しかった。
    特に、著者の小説を読む楽しみのひとつが「人間に対する解像度の高い物語を読むこと」というのに、これまで漠然としていた自分の小説に期待する思いを代弁してくれた気がして、すごく共感した。著者は、自分のような凡人だとなんとなく良い小説だなと思うところをなぜそれが良い小説なのかをきめ細やかに言語化できていて、まさに著者の小説に対する解像度がきわめて高いと感じた。
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    投稿日:2023.10.13

  • aozora_SR

    aozora_SR

    三宅さんの著書、初めて拝読しました。
    「こういった切り口があるのか!」と発見させて頂きました。
    「名場面のここが刺さる」といった内容ですが、つまりは「読み解き方」の本。
    同じ小説を読んでも、人によって受けり方、もの事の見かた、は違うもの。
    これは三宅さんなりの「切り口」で、その小説から何を感じ取ったか? その情報量や感性の豊かさをインプットすることができます。
    真っ先の感想は「自分もこうなりたい!」と憧れを感じました。
    本が好きで、自分の愛読書をここまで深く読み解くことができたら幸せですね。
    (というか、著者の三宅さんはこれを職業にまで高めてしまったのが尊敬です)
    例えば本の帯にあるコメント一つで「読みたい!」と直感する本との出会いがあります。
    そんな素敵な出会いのきっかけを作ってくれる三宅さんが唯一無二の印象です。

    「三宅香帆さんの本に出合えて良かった!」
    これからの活躍が楽しみな予感がする一冊でした。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.22

  • まーろう

    まーろう

    15分の(ほぼ)ワンシーンのシナリオ執筆に挑戦することになったはいいものの、ワンシーンで何を表現すればいいのかと悩んでいた時に本屋さんでこの本を見つけ、これだ!と購入を即断。

    最近は全体の構成ばかり考えていましたが、好きな作品には語りたくなる名場面があるという指摘にそうだよなぁ〜と頷きまくりでした。
    様々なシチュエーションについて名場面が紹介されていて勉強になることばかりでした。

    本書に弊害があるとすれば、紹介されている作品がどれも面白そうで、執筆よりも読書を優先したいと思わせてしまうところでしょうか。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.20

  • 夕日

    夕日

    2023/08/11

    やっぱ三宅さん好きや〜!私は行間を読めない人間やからちょっとしたことを気づかずに読んでいるけど、気付けるのいいな〜気付ける人になりたい。

    夏目漱石の心の話で卒業証書が私と先生の対比になってるのとか絶対気づけん。

    p106分かち合うことそのものが、家族の営みであり、家族の証だ。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.11

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