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ウィリアム・ホープ・ホジスン, 夏来健次 / ナイトランド叢書 (5件のレビュー)
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総合評価:
"powered by"
izumowol
このレビューはネタバレを含みます
ボーダーランド三部作その三。 物語のほとんどが海洋、しかも帆船の上のみで繰り広げられる怪奇小説。こちらも「異次元を覗く家」と同じく、魔物の正体や襲ってくる理由などの謎解きは一切無いのだが、この物語はそれでもきちんと成立していると思う。著者が船乗りを経験していることもあって船上の様子が非常にリアルであり、海上の船の中という閉鎖空間が恐怖を倍増させている。この作品こそコズミックホラー的な後付け解説をつけたくなるところなのだが、前例無いのかな?(笑)。
投稿日:2023.09.19
ao-neko
船を襲う怪異を描いた長編怪奇小説。地味な印象なのだけれど、とにかく不気味。これを読むと船が、というか海が怖くなります。 最初は本当に些細な怪異で、まあそれはそれで怖くはあるのですが。じわじわと迫りくる…ように頻度を増し、そしてまた程度も増して次々と犠牲者が増えるさまが怖い……というか、嫌。海の上って逃げ場がないんですよねえ。陸へ逃げようにも、接岸も叶わないというこの絶望的状況。嫌すぎます。 ラストはもう圧巻。いや、それだったらもういっそのこと最初からこうやってくれ! じわじわいたぶられるほうが嫌だ! という気になってしまいました。あっけらかんと「ホラー」と評するより、やはり「怪奇小説」と呼ぶのが似合うかな。続きを読む
投稿日:2020.01.17
ext3
幽霊船的なものとはちょっと違うな感じ。本質的には同じだが、分かりやすいビジュアルがなく不穏な空気がひたすら流れてるって感じだったな。 幽霊海賊が現れてからのカタストロフは実にあっけない
投稿日:2016.08.07
okashinaanoko
やっと入手。ホジスンのボーダーランド三部作の3作目。近刊に野村芳夫氏訳の1作目が予定されている。思えばハヤカワ文庫の団精二(荒俣宏)訳の異次元を覗く家を読んでから幾星霜… カーナッキの新訳を担当した方…なので安心して耽読中。続きを読む
投稿日:2016.01.30
toca
『夜の声』などで知られる英国の怪奇小説作家、W・H・ホジスンの海洋怪奇長編。作者の序文に『本書を以て三部作の掉尾とする』とあったので、第一部と第二部が刊行済みなのかと焦ったが、そちらは未刊だった(近刊…予定にはある)。刊行順については巻末の解説で理由が述べられている。 本書は、遭難した船からたった1人救助された船員が、当該船の中でいったい何が起きていたのかを語る……という、英国の怪奇小説では伝統的な構成。 当初から不気味な噂のある船、何かを知っていそうな船員、主人公が目撃した『影』など、怪奇小説の王道を歩みながらも終盤にかけてはパニックホラー的な要素もあって楽しめた。 『動きの悪魔』の『鉄道』にしろ、本書の『船』にしろ、乗り物というのは基本的に閉鎖空間で、特に船は一度出港してしまえば更に密室度が高まる環境。ホラーと相性がいいのは当たり前と言えば当たり前。一見、密室ではないバイクにしても、全国各地に『首無しライダー』の噂があったりするしw ただ、こういった乗り物を舞台にした怪奇小説は、古典と呼ばれる作品の方が面白い気がする。Wi-Fiだって使える東海道新幹線に幽霊が出てもあまり怖くないしな……。 とにかく、第一部、第二部の刊行も楽しみ。早く出ないかな〜。続きを読む
投稿日:2015.07.28
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