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吉川永青 / 中公文庫 (4件のレビュー)
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DJ Charlie
表紙カバーのイラストが、如何にも古い時代の武士という感じだが、正しくこういう画の感じの主要劇中人物が活躍する物語である。大変に愉しく読了した。 戦国時代の戦いに関して、色々と知られているモノが在ると思…うのだが「賤ヶ岳の戦い」に焦点を当て、敗れた陣営の側から描く物語というのは、類例が思い浮かばない。そういうことで作品に興味を覚えた。 本作は「柴田勝家VS羽柴秀吉」という争いであった「賤ヶ岳の戦い」を軸にした物語であるが、柴田陣営の主要な指揮官であった佐久間盛政と、一部に羽柴秀吉を視点人物として展開する物語である。柴田勝家の甥であり、陣営の主軸を担った佐久間盛政が不在の場面も在るが故に羽柴秀吉を視点人物とする場面が在るのだと理解したが、本作は「賤ヶ岳の戦い」という有名な合戦を描く物語としては、殆ど“決定版”という迫力と魅力とを持っていると思う。 本作では、「正統派」な感じの柴田勝家陣営に対して「意表を突く」を旨とする羽柴秀吉陣営との違い、両者の激突が詳しく描写されていると思う。羽柴秀吉の陣営というのは、「他所の人達の想定を超える機動作戦」というのが陣営の礎で、「賤ヶ岳の戦い」という中でもその「機動作戦」が奏功している。 そういう様子ではあるが「武士の誇り」を前面に押し立てながら、対立陣営の意表を突き、勇戦する佐久間盛政の闘いの様が際立つ本作に描かれる「賤ヶ岳の戦い」である。何か、佐久間盛政の勇戦に惹かれていた間に陣営が敗れてしまっていて、何となく拍子抜けだった…こういう流れが、或いは「戦国の末期」であったのかもしれない… 何か独特な味わいが在る物語で、読後に静かな余韻を感じる。こういう感じも時には好い…続きを読む
投稿日:2023.02.07
wisteria0609
佐久間盛政の話。柴田勝家に似てはいるが、彼ほど直情型ではないイメージ。 この時代の感覚としては当たり前なんだろうけど、「差別」意識が滅びの要因となっていることがある。出自や容姿など、それだけのことで相…手を侮り下に見る。結果、恨みを買ったり足をすくわれたりする。もちろん、差別されている側も、それを多分に意識はしているのだが。相手も人間。感情もあるし、考えもする。続きを読む
投稿日:2022.07.10
bandit250f
柴田勝家と羽柴秀吉の賤ヶ岳の戦いを佐久間盛政の目から見た一冊。信長横死から清洲会議をへて賤ヶ岳まで。短い期間をたっぷりと描く。 清洲会議だけを描いた映画が有ったが、清洲会議から賤ヶ岳まではホントに面白…い。 映画にしたら面白いのでは。続きを読む
投稿日:2022.07.08
中央公論新社
柴田勝家の後継者、佐久間”鬼玄蕃”盛政。戦に幾度敗れても折れぬその姿に、信長は驚嘆し、秀吉は恐怖した。「戦国一諦めの悪い男」の鮮烈なる生涯!
投稿日:2022.04.12
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