【感想】市民のための世界史

大阪大学歴史教育研究会, 秋田茂, 荒川正晴, 栗原麻子, 坂尻彰宏, 桃木至朗, 伊藤一馬, 猪原達生, 岡田雅志, 後藤敦史, 小林克則, 高木純一, 中村薫, 中村翼, 向正樹, 森本慶太 / 大阪大学出版会
(7件のレビュー)

総合評価:

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  • freeedooo

    freeedooo

    本書は日本独自の「日本史・東洋史・世界史」という三分体制の弊害で特に近代以降の世界全体を見渡した歴史の教科書がないという問題意識を起点とした大阪大学の「挑戦」によって編集されたものである。マクニールの「世界史」も同様に世界各地域は相互に影響を受けて歴史を紡いでることが本書を読めば、理解できる。特に日中戦争・太平洋戦争にいたった経緯は単に帝国軍部が悪いとったものではなく、複眼的な視座が不可欠で、本書が広く読まれることが極端な意見がSNSで氾濫する現在にこそ、必要だと感じた。続きを読む

    投稿日:2021.07.03

  • ken1maeda

    ken1maeda

    歴史の教科書的な本としては,今までで最高の本だと思います.ことさらに年号や固有名詞を強調することもなく,「流れ」を中心とした解説になっています.

    投稿日:2020.08.07

  • コジコジ

    コジコジ

    約300ページに古今東西の人類史がよくまとまっている。一般的な教科書のように無味乾燥の年号と出来事、人名を列挙するのではなく、その時代の注目地域を深堀したうえで周辺諸国や派生事象が述べられる。ひとつの歴史がどこからの歴史のきっかけになっており、歴史のダイナミズムと世界は繋がっていることを実感できる。

    難点は本文組みがイマイチで、参考資料が変な位置にあったりそもそも分かりにくかったり、改ページの仕方も読者ファーストではなかったので、その点は教科書っぽくてややマイナス。

    内容は面白い。
    続きを読む

    投稿日:2019.12.04

  • yonosuke2019

    yonosuke2019

    高校で世界史まともに教えてもらえなかった大学生用、という感じ。必要性はよくわかる。現代史のところはちょっとクセがある。分量的にも適切な感じだし、高校世界史の教科書がわりに1冊もっていてよいのではないか続きを読む

    投稿日:2019.04.13

  • abba-rainbow

    abba-rainbow

    残念ながら図書館の返却期日が来たため、読むのを断念。

    しかしながら、ただ返すのももったいないので、目次から「序章 なぜ世界史を学ぶのか」と「終章 どのように世界史を学ぶか」のみは目を通し、必要なメモだけ記したい。

    序章(なぜ世界史を学ぶのか)から
    ”歴史は動かない過去の事実を暗記するだけの、「役に立たたない」科目か-歴史を学ぶ6つの意義と効用(以下要約)

    ①現在は過去の歴史の積み重ねの上にあるので、歴史を知らなければ、現在の日本社会が理解できないし、日本の将来も考えることができない。

    ②歴史は繰り返す。過去(成功や失敗)を学ぶことにより、物事を判断したり、自身の行動の選択が可能となる。

    ③歴史は、目先の事柄に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で評価・判断する力が必要。政治、経済、社会、文化、自然など幅広い領域にわたる視野が身につく。

    ④異なる時代、異なる国・地域の歴史を学ぶことは、「異文化理解」の訓練となる。

    ⑤同じ出来事にも異なる解釈や説明があり、事実を突き止めたり、妥当な解釈を選択する能力は、「情報リテラシー」の一種である。

    ⑥事実は小説より奇なり。良質な娯楽としての効用大。

    ***

    終章(どのように世界史を学ぶか)から

    ◆歴史研究の仕事(2つある)
    ①史料批判に基づいて歴史上の事実を確定する【実証】
    ②多数の事実の中から、一定の理論や歴史観に基づき、特定の事実を選び、それを論理的に組み合わせ、出来事の因果関係や意味・影響、社会の構造、時代の流れを論じる【歴史叙述】

    ※文字資料には次のような形態あり
     ・書物(文献)
     ・公文書、契約書、手紙など個別的に作成される文書
     ・金属や石に情報を刻んだ金石文

    ※印刷技術普及前は写本による歴史伝達
     →誤写や故意改編がないか慎重な調査が必要

    ※世界や多国間の歴史研究
     →史料の言語・種類が多い
     →翻訳資料の利用や、複数の研究者による分担あり

    ※事実の確定とは「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」したかを突き止めることだが、「なぜ」は人の心情にかかわるため、客観的解明が困難。

    ※自分がどの史料のどの箇所を用いたか(史料的根拠)を明記するだけでなく、どういう理由や考え方によってどの事実を選びどう組み合わせたかというプロセスやロジックも他人の検証が可能なように明示しておく義務あり。
    続きを読む

    投稿日:2018.06.02

  • rusty-bouquet

    rusty-bouquet

    日本の高度経済成長あたりとか、現代のパートは少し違和感があったが、全体的にはうまく取捨選択されて分かりやすい流れになっていると思う。山川の「もういちど読む」よりもいい気がする。

    投稿日:2018.02.20

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