【感想】僕が死ぬまでにしたいこと

平岡陽明 / 講談社文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ますたぁ

    ますたぁ

    行き詰まった人生を起動したい、ロスジェネ世代中年男の物語

    以下、公式のあらすじ
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    40歳、独身、フリーライター。「喪失の世代(ロスジェネ)」と言われるけれど、どんな世代もそれぞれの喪失(ロス)を抱えて生きている。再び妻と暮らしたい73歳。突然やくざライターに転身した同級生40歳。普通に憧れる漫画家30歳。仙人志望の15歳。目を背けてきた喪失(ロス)と向き合い僕がみつけた「希望」は。文庫化に際し『ロス男』改題。

    幸福って、なんだ?
    幸せとか、愛とか、希望とか。
    大切なことはどうして曖昧なものばかりなんだ。
    答えろ、誰か。

    本当の人生を起動したい。

    希望を抱かぬ者は、失望することもない ーーバーナード・ショー
    若い時、人生はカネだと思った。いま歳を取って、それが真実だと知った ーーオスカー・ワイルド
    若い時、人生はカネだと思った。歳を取って、なにがなんだか分からなくなった ーーカンちゃん
    ----------------------

    主な登場人物
    吉井和人(40)主人公。母子家庭として育ち、最近母を亡くしたしがないフリーライター
    カンタロー(73)出版社の先輩でもあった飲み仲間
    小野(40)大学の同級生の中で唯一正社員のSEとして働いていた、がやくざライターに転身
    朝井名美(30)普通になりたいと願う、アスペルガー症候群と思われるマンガ家
    光希(15)筑波大学附属駒場中学に通う秀才。現代っ子を煮詰めたかのようにコスパや効率の悪いことには興味がない。吉井の母の主治医だった女医の母親とは難しいお年頃



    「そろそろ本当の自分の人生を起動したいと思った」という言葉
    「再起動」ではなく、「起動」なのは今は起動していないという事なわけで
    普通にフリーライターとして働いていても「起動」はしてないんだな
    しかしまぁロスジェネ世代は大卒の就職以降も踏んだり蹴ったりな対応をされてきたからなぁ
    人生に希望を持てなくとも仕方がないと実感する


    マンガ家の朝井
    生きづらいのでしょうねぇ……
    それでも何とかやっていけてるのは、母がそう育ててくれたからなのだろうか?
    そして、その母が残した恋愛に関しての言葉
    -------------------
    もしママがいなくなったあと、いまのままの君が好きだと言ってくれる人がいたら、その人と一緒にいられるように努力しなさい。努力しても好きになれなかったら、諦めなさい。あなたは一人が好き。あなたは一人でも生きていける。本当は全ての人が、最後は一人で生きていかなきゃいけないの。でも普通の人にはそれが難しい。だからママは思うわ。一人が苦にならないあなたの性格こそ、神様がくれた最高のプレゼントじゃないかしらって
    -------------------

    言葉は祝福であると共に呪いでもあるんだよね
    自己完結の人生を肯定するのは確かに適切な配慮ではあるんだけど、人と人の繋がりはもう結べなくなるわけで……
    でも、まずは努力する事を挙げているから、決して最初から諦めているわけではない
    それでも、「普通」の人は諦めきれずにチャレンジするものなのでしょうかね


    本当に幸せって何なんですかね?
    --------------------------------
    「幸福って、なんだと思います?」
    「いなくなって欲しくない人の名前を、すぐにあげられることじゃないかな」
    --------------------------------
    カンちゃんにとってはそうなんだろうけど
    他の人にとってはどうだろう?
    対象は人にかかわらず、なくなってほしくないものをすぐに挙げられることが幸せなのだとしたら
    持たざるものの幸せはどうなるのだろうか


    「希望を抱かぬ者は、失望することもない」バーナード・ショー
    という名言

    個人的には同意するんだけど
    救いのない状況はずっと絶望が続くようなものなので、全面的には頷けないかな


    よかった表現としては、名言は答え合わせというところ
    確かに名言はコスパのいい悟り集かもしれない
    ただ、それを答えとする人生かどうかも含めて答え合わせなんじゃないかと思ったり


    あと主軸ではないけど、登場する日本酒が豪華
    「十四代」なんて一般人はまず手に入らないし
    「而今」「飛露喜」も昔はもっと安かったり手に入れやすかったけど、今や入手困難な酒になってる

    この日本酒を集めるだけでもかなりの費用がかかってるはずなんだけど、この本はそんなに売れるのか疑問
    日本酒の宣伝広告費でも貰ってるとかって裏事情でもあるのだろうか?


    あと、カンちゃんはザルだというのに二人で一升飲めないのは違和感
    二人はともかく、三人だったら飲みきれると思うんだけど
    まぁ、それだけ味わって飲んだという意味も込められているのかもね
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    投稿日:2024.04.19

  • kannna

    kannna

    人生を進めたい。
    喪失の世代だけど人生を諦めたくない、1人の寂しさと虚しさの中に希望をみつけて少しずつ動き出す

    投稿日:2023.05.08

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