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田中啓文 / 講談社文庫 (6件のレビュー)
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総合評価:
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たまき
題材は好きだったのだけれど、文体が合わない、というか、・・・ちょっとふざけ過ぎてない? と思った。 でも、解説を読んだら、それが重要な“ギャグ”だったようで、 しかも、これはシリーズ物で、この巻の前に…2冊あるとか、、、 これが、著者・田中啓文との出会いとなった(きっかけは『セブンミステリーズ』だったけれど)ので、 もっと違う作品も読んでみたい、と思った。続きを読む
投稿日:2012.10.24
あまぐも
+++ <最後の審判>がいま、始まる!国史の嘘は暴かれるのか!? “常世の森”に天岩屋戸が存在している……!? <最後の審判>後の世界について書かれているという幻の預言書『伊邪耶(いざや)による黙示録…』によると、伝奇学園の敷地内に広がる“常世(とこよ)の森”のある洞窟を開けば、世界はよきものへと一変するという。森に近づく者は容赦なく殺されていた。日本神話の根幹を揺るがす秘密に保志野(ほしの)・比夏留(ひかる)ら民俗学研究会が迫る伝奇ノベルス! +++ シリーズを締め括る一冊だからか、単にこのシリーズに慣れたからなのか、前二作に比べるときちんと納まるところに納まっている印象である。バラバラに見えた民俗学研究会の面々にもまとまりが見られ、顧問の薮田の正体も判明し、その目論見も明らかになる。規模としては実に壮大な物語なのだが、それが却ってばかばかしい可笑しさを盛り上げている。だがもしかしてもしかすると、これが真実の世の成り立ちだったりしてね、などと思わされるような思わされないような、ちょっとだけ思ってみてもいいかな、というような一冊である。ふふ。続きを読む
投稿日:2012.09.05
やお
“保志野は目を丸くして、比夏留の食べっぷりを見守っていた。十人前はありそうな、山盛りのマカロニが、みるみる減っていく。 「あいかわらず……すごいよねえ……」 「だって、おなか減ってるんだもん。ここんと…こ体育祭の準備で昼ご飯抜きだったし、こないだ血を飲んだでしょう。あれから気持ち悪くて、病院でもご飯が食べられなくなっちゃって……やっと元通りになったの」 「諸星さんでも食べられなくなることあったんだ」 「そーなの。ちょっと痩せたんだから」 「えっ、ほんと?」 「ほんとよ。二百十二キロに落ちて、ショックだった。もちろん、もう戻したけどね」 ぱくぱく、ぱくぱく。 「でも、今度のことでは保志野くんの『わかったああああ!』が聞けなかったね。ちょっとさびしいかも」 「いまいち、出番がなかったですね。ま、いいんですけど」 ぱくぱく、ぱくぱく。” 最終巻。 保志野かっこえー。 そしてどこまでもとんでも設定。 楽しかった。 “「森のみんなのことを、語り継ぐことが必要だよね。たとえ、誰も信じてくれなくても」 「もちろん」 「——じゃあ、民研に入らない?」 「えっ……」 予想外の申し出に、保志野はためらいの表情を見せたが、 「わかりました。薮田先生とも、これからはうまくやっていけそうですし」 「やったー。新入部員ゲット。犬せん、喜ぶぞー」 比夏留が万歳を叫ぼうとしたとき、 「でも、ひとつだけ条件があります」 「何?」 「特典をください」 「——へ?」 「今、ここで」 そう言って保志野は、比夏留の唇にそっとキスをした。 比夏留は、数分間、蝋人形のようにかたまっていたが、やがて、身体中の空気がなくなりそうなほどの長い長い息を吐いてから立ちあがった。 「今から、行かない?」 「ど、どこへ……?」 「おいしい中華料理屋さん見つけたの。もちろん保志野くんのおごりでね」 「どうしてぼくが……」 「新入部員は先輩の命令には絶対服従よ。中華料理のあとは、えーと……スパゲッティ屋さんに行こうかな。最後のシメは、お寿司屋なんていいかも」 保志野の顔が青ざめた。”続きを読む
投稿日:2011.04.11
HiToHa
伝奇学園高等学校民族学研究会シリーズ三冊目。 楽しく楽しく読ませてもらった伝奇学園もこれで最終巻です。 収録は世界の創生の地を舞台にバイオな未確認生物と戦う『オノゴロ洞の研究』。合宿先のお寺…で出くわした殺人事件と薬物に迫る『雷獣洞の研究』。そして天照大神の姿を暴く『天岩屋戸の研究』。 相変わらずのキャラクターたちが織りなす、くっだらない謎とくっだらないダジャレが素晴らしいハーモニーを奏でて、見事などーでもいい感じの作品になってます。誉めています。 シリーズ最終ということで、散々見え隠れしてきた顧問の薮田先生の真の思惑や学園長田中氏のラスボスっぷりはもちろん、なにより主人公・比夏留ちゃんと保志野くんのラブ要素にも大注目なのです。 巨大蛭にかぶりつく女子高生が主役のラブコメがここに!続きを読む
投稿日:2009.10.08
turbotank
ダジャレ時空炸裂。ラブか、怨念か、青春か、どれを書きたいかと言えばダジャレなのであろう。としか思えない。ダジャレに支配される時空を描く超大作SF。って感じだ。それがイイとか悪いとか言ってもしょうがない…よな、そういう時空なんだから。ラブもったいねえなあ! 保志野くん最高なのになあ。しかし田中啓文時空で名探偵役を拝領する彼は、誰よりもダジャレ時空に取り込まれているのだった。 好きか嫌いかでいうとかなり好きです。続きを読む
投稿日:2009.07.30
カヤ
「やめてよ。連続誘拐事件だなんて洒落にならないわ。それよか比夏留ちゃんの話だけど、死んだひとは血を抜かれてたってわけ?ヤバいわね」 「吸血鬼のしわざかも、って思ったんですけど、うちの父は、吸血鬼なんか…いるわけないって笑ってました」 「いねえとは言えねえさ。チスイコウモリ、蚊、蚤、ダニ、ツェツェバエ、ブヨ、ヤツメウナギ……動物の世界にゃあ、ドラキュラはいっぱいいるぜ」 「吸血妖怪はドラキュラだけじゃないわ。日本の妖怪にだって、血を吸うやつはいるわよ」 妖怪にくわしい伊豆宮の目が輝いた。 「代表的なのは、磯目ね。長い髪の毛を若い男の身体にまきつけて、血を吸うの」 (「オノゴロ洞の研究」本文p.41)続きを読む
投稿日:2009.07.24
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