【感想】メビウスの殺人

我孫子武丸 / 講談社文庫
(35件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
4
7
17
4
1

ブクログレビュー

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  • talkinghead

    talkinghead

    「8の殺人」「0の殺人」 と来て、著者の三作目に当たる1990年発刊の初期三部作の最終作。この速水三兄妹が登場する初期シリーズはどの作品もドタバタ喜劇っぽくて重くならないのだが、本作で企てられる犯罪はけっこう猟奇的である。いわゆるゲーム殺人だ。撲殺と絞殺が交互に繰り返される連続殺人に苦慮する長男・恭三。被害者にいかなる共通点も見られず、捜査は難航する。ユーモア推理風だから、さほど深刻にならずに読めるが、これシリアス路線で書いたらサイコ・スリラーっぽくて使えるんじゃないかなどと考えていたら、作者によるあとがきで後の 「殺戮にいたる病」 という作品に活かされているらしい。未読なので、そのうち読んでみたいが。犯罪の背景にパソコン通信が出てくるのが後のネット犯罪を暗示していて興味深い。例によってリアリティの点ではツッコミが可能な場面も多々あるのだが、この作品群に関しては指摘するだけ無粋であろう。更にいうと、殺人の謎のいくつかと殺害方法の真相は説得力が弱いと言わざるを得ず、その意味で物足りない。真剣にその意味を推理していただけにねぇ。続きを読む

    投稿日:2023.10.02

  • 高坂凪穂

    高坂凪穂

     速見三兄妹シリーズの第三作目です。今回は無差別殺人事件です。濃いキャラクターのどたばたギャグは健在。
     作者の我孫子武丸氏は、この作品を書いているうちに『殺戮にいたる病』を思いついたそうです。
     明るい『メビウスの殺人』に暗い『殺戮にいたる病』と、明るさは全く違いますが、そういえば似た雰囲気を持っていると思います。『殺戮にいたる病』を読んだ人には、『メビウスの殺人』のどたばたギャグのノリに吃驚すると思います。逆に『メビウスの殺人』を読んだ人には、『殺戮にいたる病』のスプラッターな描写の数々に戦慄を覚えると思います。
     『殺戮にいたる病』は「我孫子武丸の最高傑作」と評価と人気が高いです。どちらも良質の作品ですからお薦めします。是非、読み比べてみて下さい。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.19

  • 奏音

    奏音

    最初に犯人がわかっていて追い詰めていく過程で我孫子先生のユーモアや面白い文章があり、笑えます。話もしっかりと作られており、面白いです。

    投稿日:2022.10.10

  • Madder

    Madder

    速水三兄妹シリーズは笑いありの本格ミステリーで全作どれも読みやすく面白いのですが、3作目の本作が個人的には1番好きです✨シリーズがここで止まってしまっているのが残念です。久しぶりにミステリーを読みましたが、やっぱ最高だなーとしみじみ♫続きを読む

    投稿日:2022.06.22

  • Yuki

    Yuki

    速水警部補とミステリマニアの弟と妹が活躍する、速水三兄妹シリーズの三作目です。

    ミッシングリンクをテーマに、犯人側と警察側の視点がほぼ交互に切り替わり、物語が展開します。

    冒頭に犯人の名前が明かされ、倒叙系ミステリの雰囲気もあるのですが、ただそれだけで終わらないところも面白く、意外性を持つ真相解明まで楽しませていただきました。

    ただ、この真相は賛否両論ありそうですね。
    読む人の捉え方によって、評価が大きく変わるように思います。

    新たなキャラクターも登場し、これから更に面白くなりそうだと思えるだけに、新作が発表されないのが残念ですね。
    デビュー当時のシリーズものだけに、ここで終了ということなのでしょうか。
    続きを読む

    投稿日:2019.12.29

  • ヒボ

    ヒボ

    このレビューはネタバレを含みます

    速水三兄妹シリーズ第3弾。

    結局シリーズ3作を3日で読破しちゃいました(笑)

    前作までの愛すべきキャラ木下刑事の出番が少なかったのは個人的には淋しさを感じるも、犯人は犯行の中で2つのゲームを楽しんでいた。

    2つのゲームの謎解きを進める中で、ゲーム相手であるべきCAT O'NINE TAILSの驚愕の正体がラストに判明する。

    個人的には速水三兄妹シリーズの中では0の殺人が1番面白く感じた為☆4つ。

    しかしながら、このメビウスが大好きな殺戮にいたる病のプロットであり、間違いなく忘れられない一冊となりました。


    説明
    大東京を恐怖のどん底につき落とす連続殺人が発生。犯行は金槌によるメッタうちと絞殺が交互する。犯人は一人か、あるいは別人か。現場には常に謎の数字を記したメモが…。被害者たちを結ぶ“失われた環”を探せ。ご存知速水三兄妹がつきとめた驚愕の真相とは?奇想天外な推理の新旗手の長編第三作。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.07.30

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