【感想】シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争

麻田雅文 / 中公新書
(20件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • gakudaiprof

    gakudaiprof

    シベリア出兵についてあまり書かれていないとあとがきでは述べられていたが、その後結構書かれていると思われる。朝日新聞で紹介されていた本である。
     歴史というよりも日本のシベリア出兵における政治史であるというのは、原敬日記をもとにしているのからかもしれない。
     歴史の教科書に書かれていない詳細な記述であった。
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    投稿日:2023.01.25

  • pumpkin000

    pumpkin000

    日本でもあまり知られていないシベリア出兵について解説を入れて、時系列に何があったかが記載されている。日本の中ににも出兵の機運や、領土的野心があったことは確かで、しかしさまざまな意見があるなかで強行的なものが採用されたということなのだろう。現代の日本からは信じられないが、沿海州に親日国家を作るという構想もあり、しかし、これが戦略的には通常なのだとも気づく。翻って、この動きが米国の警戒感を引き起こしたことも述べられている。今考えれば、この時、こうしていればと思いを巡らせてしまうが、その時々にはベストと思われる判断(もしくはそれに近い判断)だったのだろうと思う。知らなかったことを知ることができるという意味だけでも、本書は有意義と思う。続きを読む

    投稿日:2022.12.25

  • 1440612番目の読書家

    1440612番目の読書家

    日本は第一次世界大戦にロシア属する連合国陣営としてドイツに宣戦布告して参戦。露と親密となる。戦中ロシア革命成る。レーニンは穀物地帯ウクライナ独立を承認するなどして独と講和。戦線離脱する。独は英仏との西部戦線に専念。英仏はソ連を再戦させることで独の戦力削りを画策、日米にシベリア出兵を促す。元老筆頭山縣は出兵反対。刀はどうして鞘に収めるか考えた後でなければ柄に手をかけるものではないとした。田中義一率いる陸軍参謀本部は出兵に積極。米から共同出兵要請により慎重論は吹き飛び出兵。名目はチェコ軍団救出。参謀本部は米との出兵数・地域を無視。原首相は兵力削減に努力。
    ww1終結後も出兵は続く。背景にはシベリア支配、北洋漁業利権への野心があった。各国が撤兵する中現地軍はウラジオ沿海を制圧。原首相の撤兵行こうとそぐわない行動にでる。日本人虐殺事件や戦死者の多さから世論は撤兵。原は暗殺され山形は死去田中は陸相を辞任し大正天皇は病気、シベリア出兵、大正時代が曲がり角を迎える。露反革命派の敗北が決定的となり加藤内閣は撤兵。日本が南サハリン領有と北サハリン開発利権を保持しソ連と講和、国交樹立となる。共産主義への警戒心から治安維持法が制定される。
    戦死者たちへの土産を獲得するまでは撤兵できないという考えが7年もの長期出兵の原因である。得たものは北樺太権益であったが、結局ソ連の圧力がかかりさしたる利益はなかった。
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    投稿日:2022.08.29

  • bachbygg

    bachbygg

    第1次世界大戦末期以降、ロシア革命後のシベリアへ、チェコ軍救済のため欧米各国が連合し出兵した。 その中で日本が突出して多くの兵を送り、この地域への影響力を強めようとした。名目は居留民の保護、利権獲得のため。 日本の歴史教科書では、簡単な記述だけで詳しく触れられることはないが、この出兵は7年間に及び色々な事件も発生しており、決して忘れてはいけない戦争だった。 正直なところ、シベリア出兵と言われても全くピンとこなかった。 学校では年号と項目を習っただけで、昭和初期の日本の近代史の詳細はほとんど教えてもらえない。だからこの本を読んで日本軍がシベリアのバイカル湖付近まで出兵していたことに大変驚いた。 領土や利権獲得の野心で各国が色々な思想を持って干渉していた時代だから、ロシア革命のどさくさに紛れて、日本も領土を獲得したかったのだろう。 バイカル湖〜シベリア沿海州には、政権を取って独立を目指すロシア人の動きがいくつもあったようだ。 もし実現していたら、極東の今はもっと複雑な地域になっていたかもしれない。続きを読む

    投稿日:2021.08.07

  • 伊藤茶

    伊藤茶

    第二次世界大戦より前に日本が戦った戦争についての知識を得る一環で読んだ一冊。
    チェコ軍団救出が名目だったというのは歴史の教科書に少し載っていたけど、第一次世界大戦中のロシア革命と対ドイツ東部戦線維持の関係から英仏の思惑や内戦状態のロシア・ソ連の複雑な状況も知ることが出来て満足のいく一冊でした。続きを読む

    投稿日:2021.01.30

  • salixalta

    salixalta

    シベリア出兵のために米騒動が起き、寺内内閣が倒れたという程度の知識しかなかった。もちろん悲劇を伴う侵略なのだけれども、イルクーツクまで日本軍が侵攻したというのは興奮せずにはいられない。凄まじい外交戦は今の日本にできるのだろうか。続きを読む

    投稿日:2019.08.05

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