【感想】東独にいた(1)

宮下暁 / ヤングマガジン サード
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • jube

    jube

    おもしろかった。本オフで1〜5巻セット購入、一気読みした。東ドイツの冷戦のころのストーリーというので、興味をひかれた。かなりリアルな部分の中に、人間兵器として生み出された異能の人々がでてくる。マーベルスーパーヒーロー的。ただし、こういうテーマにありがちな、善悪色分けや色々な思想など読者に対しての押し付けがましい部分が希薄なのが、非常に好感をもてる。
    面白かったが、途中で現在休載しているのがもったいない。
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    投稿日:2022.06.24

  • ジェロニモ

    ジェロニモ

    東ドイツという時点で購入。30人にひとりが密告していたというナチス以上の監視社会ですね。

    主人公は東ドイツ多目的戦闘群MSGのアナベル・フォードール。ユキロウに恋するが、そのユキロウは反体制派であり……。

    第一次大戦は化学の、第二次大戦は物理学の戦争だった。第三次は数学ではなく生物学の戦争になるだろう。当時貧困国(言い過ぎで相対的には先進国の部類ではあるが西ドイツとの差は増すばかり)ながらオリンピックでソ連に次ぐ圧倒的なメダルを出していた、東ドイツについて、それが生物学に基づいた人体改造によるものというフィクションなアイデアからストーリーを練り上げたに違いない。「フレンダー」率いる東ドイツ反体制派、フライハイトと、ホーネッカーの東ドイツ政府、そして東ドイツ軍人MSGの関係性が非常に面白い。理想の平等社会を目指すMSGと、東西合一を目指すフライハイト、既得権益を守りたいホーネッカーの組み合わせが面白い。

    『この社会主義グルメがすごい!』に出ていた料理、死んだおばあちゃんも出てくる。偽物のウサギって何?

    かなり政治的な話が多く、それが面白い。Heil Hitlerの落書きをHeilt Hitlerに変えたの、エッジが効いてて素晴らしい。
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    投稿日:2021.08.08

  • だまし売りNo

    だまし売りNo

    宮下暁『東独にいた』(講談社)は東ドイツ(ドイツ民主共和国)を舞台とした歴史漫画。反体制派の男性と軍人の女性が中心人物である。東ドイツは既に消滅した国家である。このような漫画が登場することに冷戦時代が過去の歴史として見られていることを実感する。

    警察によって家族が突然連れ去られてしまう全体主義国家の恐ろしさが描かれる。冷戦時代は自由主義国と比べた社会主義の恐ろしさと受け止められがちであったが、冷戦終結後の21世紀から見ると、イデオロギーとは関係なく警察国家の問題となる。日本の警察も人質司法など多くの問題を抱えている。

    ベルリンの壁崩壊はゴルバチョフがペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)を進めた結果と単純化されがちである。しかし、そこには体制の行き詰まりがあり、体制への不満が渦巻き、反体制派の行動もあった。夜明け前が一番暗いという状況であった。

    全体主義国家が問題ならば反体制派がヒーローになる。しかし、すっきり感情移入できない。目的を隠して他人に近付く陰謀家である。これは卑怯である。反体制派になる動機としてイデオロギー、金銭、恋愛感情を挙げる。身も蓋もない。反体制派の破壊活動は、ある人にとって大切な人々を傷つける。反体制側の暗さも含めて全体主義国家の雰囲気になっている。
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    投稿日:2020.05.17

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