【感想】左遷論 組織の論理、個人の心理

楠木新 / 中公新書
(23件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
4
8
9
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ブクログレビュー

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  • モチヒロ

    モチヒロ

    このレビューはネタバレを含みます

    京大法学部、大手生保で人事労務、のち支社長
    MBA


    すべての異動に意味があるというよりは、空いているポストに人を当てはめるという実務上の理由だけのケースもある。
    18

    ● 40歳以降、自力による敗者復活はほぼない。
    他人頼み、自分の努力や能力を磨くこと、すなわち自力で実現できるものではない

    40代以降に再び評価を得るケースは、ほぼ次の3点に限られる

    1 過去に一緒に仕事をした上司や先輩からのヒキ

    2 上司や先輩が事故や病気で出社できなくなったときの穴埋め。会社は継続的に業務を行う必要があるので、力不足と思ってもその人材を昇格させて急場をしのぐ

    3 女性登用などのように、対外的なアピールのために特定の対象者の評価を引き上げるケース

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    投稿日:2022.10.30

  • yoshinar

    yoshinar

    何だか何を述べているのかよくわからない本だった。それはなぜかというと、この本が論じている左遷そのものが曖昧なものだからだろう。「左遷」って話題にはあがるけど、辞令で左遷とされないように公式に出てくる言葉ではない。一方で、どこか正義をなして苦境に甘んじるみたいな色合いもあるように思う。汚職したあげくの異動や配置転換はあまり左遷っていわない気がするから。結局は、自分はちゃんとやってたのに、こんなに尽くしてきたのにどうしてという会社や仕事が好きな人々の片想い的な感傷を指してるって感じかな。
    でも左遷されたという思いが人の心をくじくことも確か。本書によれば欧米的な働き方では(クビになるから)左遷はないとのこと。左遷があるのは日本的な就社的な働く文化だからだと。それが純真な社畜の心を踏みにじりもするのだから、日本の就社的雇用関係って悩ましい。
    いいこといってるなと思ったのは、「左遷を主張するのは強者の身勝手な論理」(p.31、p.142)としているところ。飛ばされた先でも頑張っている人がいるわけで、そういう人を前に左遷されたとくさっていたりするようなことを指している。そんな振る舞いをするくらいならやめればいいのだ。外資系企業だったら問答無用にクビになるところを一応給料払ってもらえるんだから考えようによってはいい身分だよね。結局は飛ばされながらもしがみついている自分を「左遷」という言葉と意識で正当化しているってわけ。
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    投稿日:2021.01.23

  • ponta602

    ponta602

    これは、淡々と読んでしまいました。その中で江坂先生の「冬の火花」を何度か引用しているので、是非これを読みたいと思います。
    あと近所の本屋で城山三郎先生の「毎日が日曜日」の帯に楠先生がオススメ!って書いてあって。
    楠木先生って有名なんだ!と感心しました。確かに内容は落ち着いて読めるし実感共感することばかりです。
    これからも先生の本をたくさん読みたいと思います。
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    投稿日:2019.08.20

  • すた

    すた

    企業の人事を取り扱う新書をよむのは久しぶりだなと思ったが、気づけば『人事部は見ている。』と同じ著者だ。あれ以来の、この手の本。

    つまるところ、こういう本は貴重。
    企業の人事をテーマにするというのは書きにくいことだと思うが、紹介のあった『トヨタ人事方式の戦後史』は興味がわいた。

    前著(人事部は見ている。)よりも、考えさせられる内容が多い。
    あるていどの年代になると「過去の実績を踏まえた配置となりやすい」とか「マネージャー自身がきちんと部下を育成したかを顧みず、仕事ができないと訴えてきたり、やたら転出させたがる人もいる」といった、人事あるあるも実感。

    「左遷」かどうかは別として、「転勤」が本質的なテーマとしてあるのは事実。これを受け入れる人が昇進していくというのも、どの組織にもあるのであろう。その背景に、もともと男女雇用均等の流れがあるというのは、なるほどとも思う。

    加えて、そもそも専門分化された組織なら流動的な異動はない(欧米の企業ならそうなのであろう)。
    また、部署間の「序列」イメージがあるというのも深い指摘。

    江崎彰『冬の火花』も読んでみたい。結局職場だけでなく「もう一つの自分」を持てという。それもそう。キャリアデザインみたいな観点も、あるよなあ。
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    投稿日:2019.02.10

  • yajjj

    yajjj

    企業にとって合理的でも当人にとっては非合理に感じられる社内異動や出向。その左遷が生じるメカニズムを日本の雇用慣行の観点から解析。後半は個人としてこの問題にどう向かい合うかを指南。一社勤めで節目の年齢を迎えた今ちょうどいい本であった。続きを読む

    投稿日:2018.10.09

  • otal53

    otal53

    このレビューはネタバレを含みます

    恒常的に残業が多くてムードも良くない職場を活性化させるために最も効果ある対応は、明るくて仕事ができる面倒見が良い優秀な社員を配置すること

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    投稿日:2018.07.07

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