【感想】マリー・アントワネット フランス革命と対決した王妃

安達正勝 / 中公新書
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
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ブクログレビュー

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  • yashakurno

    yashakurno

    何となく為政者と見られがちな人物を1人の人間目線で見ると全然違う風景が見えます。フランス革命の進行とともに犠牲者になってくる姿が切ない。ルイ16世もだいぶ印象変わりました。

    投稿日:2022.09.25

  • ゆきなし

    ゆきなし

    ひどく馬鹿な女でも威厳ある王妃でもなく、ただただ時代の激しく移り変わる境目に居合わせてしまった人間、という感じで泣けてしまった。ルイ十六世も同じ。違う時代に生まれていたら…と思ってしまう。

    投稿日:2020.11.11

  • polyhedron

    polyhedron

    しっかりした評伝。ツヴァイクの名著『マリーアントワネット』の誤りも正していて有益。ベルばらとか好きな人は楽しいのでは。
    革命勃発のころ,マリーアントワネットは王太子であった長男を7歳で亡くし,悲歎に暮れていた。そして,それに国民が無関心であることにも深く傷ついた。
    国民はそれどころではなかったから当然だが,彼らが全く違う世界に生きていたことをよく示すエピソードだと思う。パンがないなら云々よりも。
    ヴェルサイユ行進,パン不足を訴える女達が国王夫妻に掛け合ってパリに連れ帰ったって何となく良さげな話だけど,もっと血なまぐさいのな。
    掛け合うというより宮殿内になだれ込んでの実力行使による強要で,近衛兵が何人も惨殺され,その首が槍の穂先に掲げられパリへの行進の旗印になったという…。
    1789.7.14のバスティーユ襲撃でも守備隊司令官の首級が同じ扱いをされていて,初めて知ったときはドン引きだった。
    1791年夏至のヴァレンヌ逃亡事件も,捕らえられてパリへ戻るとき,挨拶にやってきた地方貴族が目の前で群衆に殺されたりしていて,イメージだいぶ変わるんですけど…。
    かといって,ヴァレンヌから連れ戻されたマリー-アントワネットの髪が,35歳の若さにもかかわらず真っ白になっていた,というのはさすがに誇張だろうと思う。
    他にも歴史のエピソードに散見される「一夜にして白髪に」って生理学的にあり得るんだろうか?一種のレトリックとして捉えてるのだが。
    革命裁判所で死刑判決が下った後,数時間の猶予の間にマリーアントワネットは王妹エリザベートに宛てて手紙を書いた。
    感謝と誇りに溢れたその手紙は結局届けられず,エリザベートも恐怖政治の中断頭台の露と消え,手紙を止めたロベスピエールも二ヶ月後に同じ運命を辿る。
    数奇な手紙すぎる…!
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    投稿日:2019.03.12

  • 秋津

    秋津

    最期までフランス王妃であったマリー-アントワネット(著者に倣って)の伝記。
    当時の情勢、民衆の感情も並列で書いてあるため、王家の行動の何が悪手だったのか初めて理解したかもしれない……。
    彼女は目立ち過ぎてしまったし、(当時としては当然だが)王権神授説が正義だった。外交取引にも使えなかったし、末路は哀れかもしれない。
    ただ、だからこそ後世で人気が出たのも事実。
    フランス革命が当時の世界に与えた影響ももちろんあるけど、彼女がいたから『1789』や『ベルサイユのばら』のような作品が生まれるのだろう。
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    投稿日:2018.02.24

  • snow222

    snow222

    [図書館]
    読了:2016/11/27

    「美術品でたどるマリーアントワネットの生涯」とかなり重複しているところがあった。向こうの参考文献に載ってたかな。

    向こうの本で中野京子さんがかなりのマリーアントワネットびいきなのに対してこちらはどちらかというとルイ16世びいき。
    「些細な人事ではアントワネットの望みを聞いてご機嫌とりするが、重要な政治事項については流されることはなかった」と評しているけど、だとしたらアントワネットのエチケット廃止をサクサクと受け入れて王権の下支えしてきたものを無くしたり貴族の反感を招いたりしないと思うんだけどな〜。
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    投稿日:2016.11.27

  • megu

    megu

    マリーアントワネットファンとして関連本は何冊か読んではいたけど、この本は大好きな花總まりさんが帝劇舞台1789でアントワネット役を演じるにあたり読んでいるとブログで知り、(1789観に行く身としても)絶対読みたい!!と思って購入してみたものだったが、想像以上の良書で、読んでよかった。

    今までのアントワネットとフェルゼンの関係性や、特にルイ16世像の捉え方が違っていて興味深く面白かった。
    マリーアントワネットという人は、あの時代のフランス王家にさえ嫁がなければどんなに幸せで愛された一生を送れたか、、、と思うと胸が痛む。母性、愛情に溢れ、一女性としては本当に魅力的な人物。ただ、賢さが少し足りなかった。マリーアントワネットもルイ16世も今までの負の遺産を一身に背負わされた不幸の王と王妃だった。
    いたるところで、ここで違う判断をしていれば助かったし、違う未来があったのに!とやきもきさせられもした。
    しかし、この本のテーマ「いかに美しく敗れるか」をその身をもって体現し、気高く王妃として断頭台の露と消えたことで後世こんなにも名を残し後に愛される王妃として蘇ったのかと実感した。
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    投稿日:2016.04.19

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