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阿古真理 / 新潮新書 (7件のレビュー)
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国立女性教育会館 女性教育情報センター
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投稿日:2023.12.11
棚田 弘一
食や暮らし、女性の生き方に関するテーマを扱う筆者。だいぶ社会の男女平等が進んだとは言え、家庭内においてはまだ「女性が料理をすべき」という考え方が根強いと訴えかける。 しかし、それほど深刻な論調では書…かれていない。筆者はむしろ料理は好きだとのことで(以前は義務感と疲れも感じていたようだが)、他の人の著作や数年前に話題になったドラマ「逃げ恥」を取り上げたり、古今東西の料理を紹介したりと、タイトルとは裏腹にちょっとした料理紀行の趣がある。 ほぼ自炊している我が身を振り返ると、料理を楽しむことが最近少なく、栄養をならるべく安く最適に摂取するためのルーチンワークのようになってきている。料理を楽しむ時間のゆとりを持ちたいものだ。続きを読む
投稿日:2021.10.22
香菜子(かなこ/Kanako)
料理は女の義務ですか。阿古真理先生の著書。料理が女性の義務であった時代はとっくの昔に終わっています。女性の社会進出が進んでいる今の時代で女性が料理下手、料理苦手であっても恥じることはないし、非難される…理由もありません。それに料理は男性も女性も義務感でするものでなく、料理をしたいと思う人が前向きな気持ちで楽しくすればいいもの。続きを読む
投稿日:2019.01.13
kun92
期待はずれ。星2、にしようか迷ったけど、ま、三でいいや。 男が女とかではなく、そもそも人にとって社会に取って、食事とはどういう意味があってどれほどのインパクトかあったかを説く。いんじゃないか。 ま、読…みたいのはそういう話でもなかったし、文章が下手で読み辛かったのはあるけども、なるほどの視点は感じた。 家庭における食事、料理、特に日本での展開なんかは面白かったな。エポックメイキングになる、どの本だとか、どの料理研究家のこのところってのは、新鮮な感じで良かった。 が、俺が男だからか、なんかやっぱりクソ感感じた。 最後、土井善晴の一汁一菜のススメの批判は、ゲロかったな。 ご自身が先に提案していたのに土井先生が有名だったから話題になった。提案自体には共感するけども、今更つけもんはないし、母の愛情を料理に乗せろっていうかと。 そんなこと言うてへんやん。 むしろ、立派な料理することができなくて悩んでいる人に、こんな程度でいいんですよ、こう言うことでも、もし、悩んでいるんなら、十分に愛情って伝わりますから。 そう言う本だったと思ったんだけど。 ユングじゃないけど、理に硬い女子ってのは、面倒臭くなるもんかね。 ま、そりゃ、恵まれた料理研究家と、毎日忙しくて、カップ麺用意するだけの家庭があることの違いもありますがね。 あの本読んで涙が止まらなかったって言う声は、女性からじゃないのかね。 あ、なんの本の評だっけ。続きを読む
投稿日:2018.02.04
NORIS
「はじめに」のところのタイプわけマトリックス、自分は見事に真ん中だなぁ(料理が好きでも嫌いでもないし、レシピも好きでも嫌いでもない→あまり悩まずあり合わせでつくる)と苦笑… この本の中で紹介されてい…る「たかが命をつなぐために食べているだけなのに、大騒ぎしなさんな」というのは小林カツ代の至言だと思うが、古今東西のスープをめぐるレシピや料理人を振り返ったり、物語やコミック、雑誌に登場する料理から保存食の意義を振り返ったり、流通システムや台所の変遷をたどりつつ、戦前戦後の歴史の中でいかにして「専業主婦」がうまれ台所が女の城となったのか(=料理は女の義務というような先入観が広まったのか)、専業主婦が少数派になった今それが今の女性にとってどういう枷になっているのか、料理は労働/仕事なのか検討し、性的役割分業からの解放を論じている。全体としては発見も多くおもしろかったけれど、最後の章、最近話題の『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』と『一汁一菜でよいという提案』の二冊をとりあげたところはちょっとぐだぐだというか矛盾が出たように感じられ(食卓=愛情幻想をめぐる態度)惜しかった。どちらも義務感からの料理や苦手意識からの解放を後押しするものだと思うのだけれど…。そして持ち寄りなど「シェア」のすすめも処方箋としてどれほど有効なのかちょっとわからない。「たかが料理(生活習慣のひとつ)されど料理(人を繋いだり社会を生き抜く技術と知恵)」の立ち位置はむずかしい…続きを読む
投稿日:2018.01.23
snowdome1126
書名に心のなかを見透かされたような気がして、ドキっとしながら手に取る。 本書は、作家であり生活史研究家である著者が、家庭料理を主に女性がどのように担ってきたか、歴史をふまえながら論じた本である。 史…実やインタビュー、文献引用が非常に充実している。 冷静で淡々とした語り口も良い。 特定の価値観や主義主張を押しつけるようなことがほとんどないので、落ち着いて読め、一冊を閉じるころには、現代の食卓がいかに複雑な歴史と価値観が混在する結果になっているかが、自然と頭に入るようになっている。 読みながら、ふと今の私が生きる社会って、料理に対する「こうあるべき」や「こうしたら良い」という情報は溢れる一方で、残業をともなう仕事をもつ人間が現実的にどう料理することが「正解」なのか、実は答えが用意されていないんじゃないか、ということに思いいたる。 試しに私の中の漠然とした「良い料理」のイメージを、思いつくままに挙げると、 1.手作りである 2.手間をかけずに作っている 3.手間をかけて作っている 4.加工食品を上手に取り入れる 5.なるべく素の材料で料理するのが良い 6.農薬とかも気になる 7.食費は上手に節約するのが良い 8.やはり母の作っていた食卓が理想である 9.とはいえ、専業主婦の時代が長かった母と、仕事についている私とでは生活が違いすぎるから、それ相応になんとかしないと etc. って、矛盾だらけで、こんなの全て満たす正解なんてあるわけがない!(笑) そもそも、長いあいだ実家暮らしをしてきた私の料理の腕が足りないし! 全く余談だけど、この本を読んでいたお正月休み、二人家族の夫と同時にインフルエンザをわずらい、家庭が閉鎖する目にあった。 少し体調が回復してきた日、とにかく水炊き鍋だけ作ろうと、白菜をざくざく切って湯気の上がる鍋に入れていたら、体は辛かったが料理できることがしみじみ嬉しかった。 料理は生きる権利である、と著者はいう。 うん、料理は女の義務ではなく、大人の権利だと思う。 そして、働く人誰しも、毎日簡単なご飯をつくって食べられる生活を送れるような社会を設計することが、大人の義務なんじゃないか。 少しずつでも、そんな社会になればいいのになと思った一冊でした。続きを読む
投稿日:2018.01.13
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