【感想】まともな家の子供はいない

津村記久子 / ちくま文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
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ブクログレビュー

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  • ico22

    ico22

    父親が«働かない»という状態の主人公のセキコ
    もうすぐ受験なのに、こういう父親がいたらそりゃ、終始むかつくし家以外に居場所を求めてうろつくだろうなと思う
    母親と妹が父親に対してそんなに怒っておらず、家の中に味方がいない気がするのもまたしんどい
    自分が思春期の頃の、何か分からないけどずっと何か思いつめたようにイラついていたのをまざまざと思い出した
    この年代って、何だかずっとあらゆることに怒っているよな
    それにしても、まともってなんだろうとずっと考えながら読んでいた
    出てくる子どもたち、誰も彼も別にいわゆるまともな家は出てこないのだ
    まともっていうのは何というかただの幻想で、何かあるのがフツーの家なのかもな
    もう一つ、セキコと塾が同じの室田いつみを主人公にした「サバイブ」もヒリヒリしていてまさにいつみにとってのサバイブな話だった

    これからお祈りに~でも思ったけど、津村先生はこの年代のどうにもならない怒りや鬱屈した感情を描き出すのがものすごくリアルで上手いなあと思う
    津村先生の本は面白いな~
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    投稿日:2024.04.09

  • meme

    meme

    強気なタイトルに惹かれて手にとりました。

    私の両親、とりわけ父親もまともではなく、家庭という小さな社会がとても居心地の悪い場所だったので、主人公に10代の自分を重ね、「普通の家庭の子」をうらやましく、時に妬ましく思う、そんな自分さえもあの頃は嫌だったことを思い出しました。

    家族の事って周りに相談し辛いので、この本を通してあえて言わないけど同じように悩んでいる人がいる。と気付いたり思えることで気持ちが軽くなるのではないでしょうか。

    ひとつ気になったのは、宿題を写す事に躍起になって時間を使っていたこと。学力は武器やスキルなので、レベルアップ出来るチャンスを自ら棒に振るなんて勿体無い。
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    投稿日:2022.08.14

  • 京

    私も我が子にこんな風にみられているのだろうか。全て子どもの側からの目線で親を表現し、子どもの苦しさがよくわかった。
    セキコの場合、働かない父に疎ましさを感じて苛立つが、妹は何とも思わず、母はそんな父を好きな人とさえ言う。何が真実なのかわからない。続きを読む

    投稿日:2021.11.07

  • quatorze

    quatorze

    このレビューはネタバレを含みます

    まともな大人はどこにいるんだ。

    セキコの父はまた仕事を辞めた。母はセキコにお金の心配はしないようにと言う。妹はテキトーに合わせている。セキコはイライラする。自分だけが家族に苛立っているのか。

    家族に対して苛立つのは、思春期の特権であるように思う。なんだかんだ言っても、セキコは嫌いな家から出ていくことはできないし、父母がいなければ生活できない。だから、苛立つ。居場所のないところに、いなくてはいけない矛盾。

    セキコの周囲には、それぞれの事情で「居場所のない」同級生がいる。母が通販に嵌って購入したものが家に溢れているナガヨシ、学校も不登校で塾にも来なくなってしまったクレ、商店街の向こうの「山茶花」という店の近くへ行き時間を過ごしている大和田、図書館でよく会う室田。誰もすぐには解決しない居場所問題を抱えている。

    連帯は一時の慰めにはなるが、根本的解決にはならない。けれども暗くはない。表題作の他に、母の不倫と大学の休みで帰省した兄に悩む室田いつみと、その室田の母の不倫相手の娘・片山沙和子が語り手となる「サバイブ」が収録されているが、どちらの物語でも問題は解決していないけど、絶望的ではない。戦うエネルギーがそこに見える。単なるハッピーエンドでないからこそ、よいと思った。

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    投稿日:2021.07.25

  • 虹色

    虹色

    なんとなく 本にでてくる表現が苦手で‥
    起承転結の 転と結が見えなかったかも。

    タイトルは興味深い! でもなんか『救い』が欲しかったな

    麦茶の作り方は なんかハッとした
    少しのことで 美味しさってのは 左右されるものね

    私はだけど この作家さんとは 相性が良くないかなと感じました
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    投稿日:2021.01.08

  • macha04

    macha04

    なぜかこの本だけ読む気がなくずっと残ってた津村作品、静かに過ごす年末年始に取り掛かる。最初はあまり物語の世界に入り込めなかったが中盤からなるほど…と思えるようになってきた。
    こういう家族、イラつくだろうな。しかし中学生ぐらいだとまだ自分の家が正しいもの、あるべきものだと思っていた自分にとっては主人公はずいぶん達観しよその家族まで冷静に見ていられるなと。続きを読む

    投稿日:2021.01.07

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