【感想】うつ病休職(新潮新書)

中嶋聡 / 新潮新書
(16件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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4
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ブクログレビュー

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  • zo3zo3

    zo3zo3

    有意義な本だった。
    労働問題は現場の労働者の問題だけではなく、助けを求められる医師にも投げかけられていることを知った。
    著者は厳格な医師であり、安易なうつ病診断書の発行に対して疑問を呈しているが、実査問題、心療内科に駆け込む患者も、助けてほしい一心なので、その辺は難しい判断が必要になると思われる。
    職場で、どのような状況にあるかわからない労働者に対して医師は、どの様に接してばいいかは難しい問題だと思う。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.08

  • だまし売りNo

    だまし売りNo

    うつ病は深刻な問題である。頑張ることを美徳とする昭和の精神論根性論が、うつ病を増やしている。同じく昭和の対面コミュニケーションの強要もうつ病を増やしている。安易にうつ病の診断がなされ、薬が処方されることは問題である。本当に苦しんでいる人の救いにはならない。続きを読む

    投稿日:2021.07.06

  • ドラソル

    ドラソル

    うつ病で休職診断を出すことについて、精神科医の立場から述べた一冊。

    多少うつ病患者に厳しいと思う部分もあるが、うつ病と抑うつ状態を分けて考える必要があるという点においては共感した。

    投稿日:2019.07.19

  • 香菜子(かなこ/Kanako)

    香菜子(かなこ/Kanako)

    うつ病休職。中嶋聡先生の著書。うつ病休職は組織にとってとても対応が難しい問題であると思う。うつ病で苦しむ人がたくさんいる一方で、うつ病休職者が出た場合にはその求職者の所属組織や組織内の他のメンバーに負担がかかる。うつ病休職をしていながら、お金を受け取りながら、旅行や趣味、スポーツに興じているというケースを見聞きすると複雑な気分になるけれど、かといって本当にうつ病で苦しんでいる患者さんやその家族も多いから。続きを読む

    投稿日:2018.09.03

  • jkrabi

    jkrabi

    また最近、周りに鬱の人が増えてきて、鬱に関する本を読んでみる。
    鬱とはという本ではなく、精神科医が思う鬱病休職になるまでの診断や鬱病ではないが、企業側の意向もあり、診断書を求められる現場の実情を書く。まあ鬱増えているよなと改めて思ったり、企業の労働問題を病気で片づけようとする企業、患者に言い寄られ精神科医は大変だなと思ったり。

    【学】
    上司が「とりあえず病院にかかって、休め」と言う。
    医者は(鬱病ではない場合は)病気じゃ無いので、休職の診断書は書けません。本質は労務問題なので、「病気としてとりあえず休む」というのは本筋では無いでしょうと言う。

    うつ病と抑うつ反応の違い

    精神科治療の基本は「自助を助ける」
    続きを読む

    投稿日:2018.02.06

  • tawako64

    tawako64

    このレビューはネタバレを含みます

    うつ病、適応障害などに関心があるなら、ぜひ一度は読んでみてほしい。
    ただ、苦しくて医者にかかろうか迷っている人は、ときに厳しいことも書いてあるので読まないで医者にいってほしい。

    うつ病や抑うつ状態の違いについて述べている。
    読者の多くが読み進めていく中で「その違いになんの意味があるのか。苦しんでいるのであれば、助けてあげるべきでは」と思うと思う。
    私も半分くらいまで読んだときは思っていた。

    現代の風潮として
    うつ病のような状態が見られる人に対し
    甘えなのでは、と指摘することはご法度とされており
    「診断書」が印籠のように使われている実情はあると思う。
    実際に自分も、今思えばうつ病ではなく抑うつ状態だったと思うが
    診断書をもらい、配置換えが行われた。
    自分自身はその対応は必要だったと思う。
    実際会社にていも、頭が働かないし、胸の中に水銀がうごめいているような感覚があって、全く仕事にならなかったから。

    しかし、
    自分を棚に上げていることは承知しつつも、
    甘えが許されている事実もあると思う。

    作中、労働者が会社に対して負っている責任は、
    ただデスクに座っていだけである、という記述がある。
    実際法律的にそうなようだ。

    ただ、文中にあるように、
    社会通念的にそれで良いのか、という部分ももちろんある。

    社会通念的にそれで良いのか、と疑問に思う人間と
    そうでない人間の間には、
    仮に同じように、病気ではない診断名がついたとしても
    "社会通念的に"、あるいは人間的に
    それを許容したいと思うかどうかには
    大きな違いがあるだろう。


    最後まで読むとわかるように、
    筆者は、病気であるうつ病と、
    そうでない抑うつ反応の違いを認識し、
    違いによって対応を変えるべきなのか、ということについて悩んでいる。

    病気ではない抑うつ反応に対して、
    「休みたい」という理由で診断書を求められることがあるそうだ。
    その時、病気ではない症状に対して
    診断書を書くことが正しいのだろうか、そうではないのだろうか。

    読む前は、どこか一方的に苦しんでいる側に寄り添っていて、
    診断書を書くべきだろうと信じてやまない自分がいたが、
    本書を読んで、本当にそうであろうか、と悩みが生じた。

    病気ではない状況に対して
    医者がとるべき対応、
    また現在の社会の状態について悩むことは
    とても有意義だと思う。

    このままだと本の内容をそのまま記載しそうなので
    読んだ人しかわからないような文章になってしまったが、
    ぜひ読んでほしい。
    そして、どちらかの側に立ってそのまま動かないのではなく
    悩みながら生きて行くことが、重要なのだと思う。

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    投稿日:2018.01.13

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