【感想】カミングアウト・レターズ : 子どもと親、生徒と教師の往復書簡

RYOJI, 砂川秀樹 / 太郎次郎社エディタス
(30件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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ブクログレビュー

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  • dai-4

    dai-4

    このカミングアウトにまつわる手紙と、それに対する親などからの返書、っていう内容。巻末には、親たちの対談も収録。考え方はそれぞれなんだけど、どの手紙からも確実にうかがえるのは、徹底的に真摯に向き合った上で書かれた言葉たちであること。圧倒されました。続きを読む

    投稿日:2023.10.16

  • kouhei0210

    kouhei0210

    やっぱり読んでいて、泣けてくる内容でした。
    いつも、素人の手紙や文書は、読みずらいことが
    あるのですが、今回はそうでもなく
    それぞれの手紙に深い内容を感じました。

    よかったです。

    投稿日:2023.02.28

  • k.yamada Book 100

    k.yamada Book 100

    39/100
    ゲイとレズビアン 7人の親に、兄弟に、或いは先生にカミングアウトする手紙のやりとりからなる本。幼少期から違和感を抱きながら成長していき、ハッキリと自覚した時の感覚は如何なるものなのか?
    そのまま生きていこうとして「カミングアウト」する事、またされる側の手紙…
    お互いに相手を気遣い、思い、感情を殺しながら書いていると思われる様がもどかしい!
    全く興味もなく知ろうとしなかった事だが、この本を読んで知っておくべきだと感じた。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.18

  • 四木

    四木

    基本的には、誰が誰をすきでもいいし、他者の人間関係に口出しできないとおもっています。けれど自分の中に植え付けられてしまった固定概念があることは、自覚しています。
    わからないなら、知ればいい。そうおもって、この本を手に取りました。

    そうしたら、「問題を抱えている人」として共感できるところが多々ありました。問題の中身は違うのですけれどね。
    個人的には、
    “貴方は、親の所有物ではないし、子どもというより、一人の人間として考えなければいけない。(p.43)”
    この文章を読めただけでも、この本を読んでよかったと強く感じました。


    2022/08/24 p.3-132

    p.3
    “「異性愛が当たりまえ」な家庭”
    実の子であるなら、両親は異性愛者であることが前提ですね……。確かにそれは苦しいスタートです。同性愛なんて考えたことがない方もいらっしゃるでしょうから……。

    p.12
    “「恥じてる気持ちがある限り、お前は自分を否定してるんや」”
    自分のプラスもマイナスも、そのまま受け入れることは、むつかしいですよね。「他者と関わるときの自分」は、なおさら。
    自分にも他者にも愛されたいとおもうのは、当たり前のことです。

    p.18
    “俺は小学校の頃から抱えてきたものを、ちゃんと処理できてるつもりでいる。”
    凄いですね……。
    わたしが抱えている問題は同性愛に関するものではないのですけれど、いま、ようやく、向き合えるようになりました。子どもの頃は目を逸らしていました。

    p.26
    “「なぜ」子孫を残す役割のために生まれない人達がいるのか”
    異性を愛する者でも、子を生みたくないと心からおもっている人間もいます……。
    生物の多くは子孫を残し、種を繁栄していく本能があるのでしょうけれど。ヒトが生きる目的は、それだけじゃないのかもしれませんね。

    p.30
    “感情表現が下手でも、心配してないわけじゃないんだから分かってあげなさい。”
    ……嗚呼、ごめんなさい。この一言で心を閉ざしてしまいます。
    どうしてこちらが歩み寄らなければならないのですか。こちらは苦しんでいるのに……。

    p.36
    “このころ、シェリー(うちの犬)にはカミングアウトしてたんだよ。なんかね、首かしげてた(笑)。”
    想像できます。かわいい。

    p.42
    “たとえあの時に私が泣いて怒って止めたところで貴方の気持ちが変わるとは思えなかったし、絶縁したところでおたがい何もいい方向に行くとは思えない!”
    いいお母さん……。すきです。

    p.43
    “貴方は、親の所有物ではないし、子どもというより、一人の人間として考えなければいけない。”
    嗚呼、だいすきです……! 素晴らしい考えです。
    世の親御さんたちに読んでいただきたい文章。これを読めただけでも、この本を手に取ってよかったです……。

    p.55
    “面白がって小説まで書いてくれる感性豊かな母”
    小説が書けるお母さま、凄いです。それを息子さんに見せてしまう勇気も、凄い。

    p.58
    “関係者がそうなってからあわてて努力して知識を得て、理解しよう、認めようと努めているのが現実ではないだろうか。”
    性的指向に関わらず、さまざまな問題がそうだとおもいます。自分はあまりにも無知です。

    p.65
    “同性だろうと異性だろうと、人間が対象であることは同じだ。結局は、相手は人間なんでしょ?”
    ヒトではなく物に愛情を抱く人もいると以前テレビで見たことがあります。その方々はまた、別の苦労があるのだろうな……と感じました。
    このことば自体は、とても良いものだとおもうのですけれどね。

    p.65
    “近年、”
    (中略)
    “性的指向が使われ、意志・選択的ニュアンスのある「志向」や個人的好みをあらわす「嗜好」は使わないようになっている”
    そうなのですね。覚えておきます。

    p.104
    “「この二人が出会わなければ俺は生まれてなかった」、両親と話すたびごとに、感謝の思いがわいた。”
    こう考えて、それが、感謝の気持ちにつながるのは凄いです……。自分は、生まれなければよかったのに……とおもってしまいます。

    p.107
    “文中、「犠牲」「許す」などの表現があるが、故・和治氏が敬虔なクリスチャンであったことからもこの表現になっている”
    クリスチャンにとって、やはり、ゆるすことは大きなことなのですね……。キリスト教に関しても、まだ、学んでいる途中です。

    p.121
    “ムーミン谷に住むたくさんの住人たちは自由であり、マジョリティ、マイノリティという区別もない。”
    途中まででも、ムーミン全集を読んでいてよかった、と感じました。小説のあの空気を知っていてよかったです。

    p.123
    “「ムーミン谷とマイノリティって……何を調べたの?」”
    ムーミンのせかいを一切知らないのですね。読んでみてほしいです。

    p.127
    “全く同じ言葉でも、受け取り方によって正反対になってしまう”
    (中略)
    “人は、自分の受け取り方によって、自分を幸せにしたり不幸にしたりしている”
    ことばが届かないと失望することが多々ありました。心から、しあわせを祈っているのに、その祈りのことばすら封じ込められました。
    お相手が、それを受け止める余裕がなかったようです。ただ、こちらも余裕がなく、自分のことばに力がないのだ……と落ち込んでしまいました。

    他者はコントロールできない、と自分で何度も言っていたくせに。

    お相手が受け止められなくても、それは、仕方のないことです。別にいい。
    わたしは、伝えたいから、ことばにしただけです。そして、想っていたことは事実です。
    あとはお相手の問題。こちらのことばに関係なく、過ごしたらいいとおもいます。

    p.130
    “セクシュアル・マイノリティは約四%とのこと。日本のキリスト教信者はカトリックとプロテスタントを合わせても一%の壁を超えることはない”
    実際、どのくらいの人がそうなのか、って普段意識していないことです。それは悪い意味で、意識せずとも過ごせてしまうということ。
    本当は、身近なところにいるはずなのに、気づくことができません。また、知識が足りません。

    p.131
    “どうして「鬼コーチの忘れられない一言」にはみんな共感して頷(うなず)くのに、「神の愛との出会い」は聞こえないフリをするのか、”
    これに似たことばを聞きました。
    みんな、自分で確かめたことではないのに科学的根拠ばかりを信じ、神さまのことを信じない……と。どうしてでしょうね。自分はそのことに、引っかかったことすらありませんでした……。
    どちらも、詳しく知らないことなのに。みんな信じているから、そういうものだ、と流されてしまっていました。だから、自分で知りたいです。


    2022/08/25 p.132-途中

    p.138
    “すべての深い告白は多くの場合、相手との相互理解を求めるための切実な声です。”
    個人的には、自分の問題について話すことは抵抗がありません。他者の秘密に関わるところは、簡単に言えないですけれど。
    世の中には、わたしが抱えているような問題について、あまり聞きたくない人もいることは知っています。自分にとっては当たり前のことなので、聞いてくれる人なら、何でも話します。

    そんな人間ならば、じゃあ、受け入れてもらえなくてもダメージが一切ないのかというと……残念ながらそうではないです。
    受け止めてもらえないことは、ありました。それは少し、悲しかったです。言わなければよかったのかなぁ……とおもってしまいました。

    当たり前のことを当たり前に話しているつもりでも、どこか、理解してもらいたい気持ちはあるのでしょうね。受け入れてほしいのかも。
    この文章を読み、自分の心の動きを言語化できた気がします。

    2022-08-27 途中-最後(ページ数メモし忘れ)

    解説
    “受け入れられるなら、その人との関係はより深まるであろうし、本人が受けている心理的負担は楽になることは間違いない。”
    これは絶対にそうだとおもいます。自分も経験したことがあります。
    受け入れてもらえるかどうかわからないうちはとても不安なのですけれど、受け入れてもらえたときにはほっとします。受け入れることが難しい方もいらっしゃるのは、わかっているので……。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.27

  • asai

    asai

    カミングアウトをした人とされた人との往復書簡。
    親子間と教師と生徒の2パターンがあって、親子間のものはお互いが苦しそうだった。教師と生徒のものはそれよりも少し冷静さがあった。けれど学校は多感な時期に家以外で一番長くいる場所だから自分を上手く出せない苦しさが伝わってきた。座談会の様子も掲載されていて認めたいけれど苦しい、頭では分かっているけど気持ちが付いていかない苦しさがあった。
    出版されたのは15年くらい前。その頃と今を比べて状況は好転しているのかわからない。良くなっていること、そして自分が似たような状況になったときに苦しいと思う相手の気持ちを慮ることができるようにしたい。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.17

  • lin

    lin

    古い(15年前)の本ということもあり、読んでて辛いポイントが結構あって読みきれなかった。
    つらい。。。

    あれから15年。あの頃よりは、マシな世の中になっていると、信じてる。

    投稿日:2022.01.15

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