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芳賀徹 / 中公新書 (3件のレビュー)
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goya626
生涯の一冊というべき143編の日本詞華集。☆10個。古代から機代までの和歌、短歌、俳句、詩、訳詩、漢詩、唱歌、俗謡、小説、随想、伝記、手紙など、あらゆる日本文から取り出した詩的なかけらたちを集め、鑑賞…と著者の想いを寄せた唯一無二の書籍である。たくさんの素晴らしい詩的ことばを操る人たちを教えてもらった。今まで折に触れ、ページをぱらぱらとめくり読み返していたが、今回一か月ほどを掛け、もう一度最初から読み通してみたが、ため息が何度も出る読書体験だった。 著者にも、特に親しみがある作者はあるようで、与謝蕪村、斎藤茂吉、夏目漱石、清少納言、菅茶山、金素雲などは何度も出てきた。私も一つだけ挙げておく。 「…ひとつのあかりの下で、くらい風のにほひが、ひろげた本を親しいものにする。」(「夕ぐれの立原道造」より)続きを読む
投稿日:2022.02.19
nazuna
敬愛して止まない芳賀徹氏の汲めども尽きぬ詩(短歌、俳句含む)への愛情を、深くも豊かな造詣に満ちた芳醇にして凛々しい文章で読めることの至福。絶えず手元において、折に触れて読み返したい大切な一冊。
投稿日:2021.10.27
yuzuringo102
かぜむかふ欅太樹の日てり葉の青きうづだちしまし見て居り みじか夜や浅井に柿の花を汲む わたくしはまいります あの山々をこえ河をよぎって もう路のべの花も摘みませぬ 獣たちもこわくはありませぬ お城…も関所も押しひらいてまいります(聖霊愃歌) こなた思へば 野もせも山も 薮も林も 知らで来た/山家鳥虫歌 雲の峯幾つ崩れて月の山/松尾芭蕉 暑き日を海に入れたり最上川/松尾芭蕉 月落ちてさ夜ほの暗く未だかも弥勒は出でず虫鳴けるかも/斎藤茂吉 さ夜なかに地下水の音きけば行きとどまらぬさびしさのおと/同上 最上川の鯉もねむらぬ冬さむき真夜中にしてものおもひけり/同上 ぬばたまの夜さり来れば巻向の川音高しも嵐かも疾き/柿本人麻呂 さ夜中と夜は深けぬらし雁が音の聞こゆる空に月渡る見ゆ/同上 ぬばたまの夜のふけぬれば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く/山部赤人 ●蜻蛉/李箱 ポプラの村の指標のやうに 少しの風にも あのすつきりした長身を 物線に曲げながら 真空のやうに澄んだ空気の中で 遠景を縮小してゐます。 身も羽も軽々と蜻蛉が飛んでゐます あれはほんたうに飛んでいるのでせうか あれは真空の中でも飛べさうです 誰かゐて 眼に見えない糸で操ってゐるのではないでせうか ● 秋近き心の寄や四畳半/松尾芭蕉 ● 昼は心の乱れの多き事を厭ひ、夜は夜を専らとし、でうす共に明し奉るべき事を望み、如何なる秋の夜の長きをも長しと覚えず、明けなんとするを苦しむ者也。月朗らかに風涼しく、星の林のさやかなるを眺むれども、更にうき世の人の眺めに等しからず、御作者の艶かなるしるべとする也/『ぎやどぺかどる』(キリシタン) ● さ夜中と夜は深けぬらし雁がねの聞こゆる空に月渡る見ゆ/万葉集・柿本人麻呂 ● わたくしのいとしいひとは そびえる山々 影深いひそかな谷間 不思議の島々 音たててゆくゆたかな流れ 愛をつたえる 風のそよぎ 暁をはらんで 満ちわたる夜 音もなく湧きのぼる音楽 喨々と鳴る孤独 愛の火を燈らせる夜半の点心 (『ぎやどぺかどる』) ● 冬ごもり 壁をこころの 山に倚 鍋敷に山家集有り冬ごもり 冬ごもり妻にも子にもかくれん坊 居眠りて我にかくれん冬ごもり うづみ火や我かくれ家も雪の中/与謝蕪村 屋根ひくき宿うれしさよ冬ごもり続きを読む
投稿日:2016.02.22
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