【感想】ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年

奥野修司 / 文春文庫
(51件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
18
14
9
1
0

ブクログレビュー

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  • みずあそび

    みずあそび

    ノンフィクションなのに小説を読んでるように細やかな心情が伝わってくる。自分にも同じくらいの子供がいるので、子供の気持ちを思うと苦しくなる。そしてそれ以上に親の状況▪葛藤に自分を重ねてしまう。

    投稿日:2024.01.23

  • planets13

    planets13

    血は血の濃さがあるのかもしれないけど、情は相対的に大きくも小さくもなるということなのだろう。ただまぁ、照光・夏子夫婦がよく取材に応じたものだと思わずにはいられない。それこそ「一族の恥」なのではないか。一方で重夫の存在感が薄いなぁ。続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • 愛

    以前から『生まれか育ちか』『血か情か』といったテーマには興味があったが、自分自身が子どもを授かったことで改めて向き合ってみたいと思い、読んでみた。厳密に言うと『そして父になる』を見返そうかと思っていたところ、この本の存在を知って思わず購入したもの。

    このタイミングでこの本と出会えて本当によかった。
    と強く思うほどに感銘を受けた。

    実話であることに驚くほどの展開ですぐに読み切ってしまったが、とにかく智子さんの子どもを想う気持ちに圧倒されるし、親を冷静に見る子ども側の意見からは感じることが多かった。
    親の教育の一貫性と教養、さらには親が自分自身をコントロールして、子どもから尊敬に値する人間で居ることこそが何より大事なのだと感じた。

    ここに出てくる両家はあまりにも対照的だと感じるが、自分自身も親の言うことの矛盾は敏感に察知していたことを思い出した。
    親も人間である以上、完璧で居ることは難しいが、それでもこうしたことは常に心に留めて、子どもの幸せを願える親でありたいと思う。

    エピローグでそれぞれが今を力強く生きる姿には勇気をもらいました。
    過去は変えられないから、起きたことを踏まえてどうあるべきか、きちんと考えて、真摯に向き合っていける人間でありたい。

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    投稿日:2023.02.06

  • teftef66

    teftef66

    ”そして父になる”を父親3年目であらためてみる機会があり、いろいろと考えさせられ、本書を手に取った。

    ”そして父になる”だけでも、生みの親か?育ての親か?子育てとは?家族とは?考えさせられるには十分すぎる内容だった。(こちらはもう一回どこかのタイミングでみよう。)

    書籍の話はさらに深い。各家族の父母の生まれまで遡り、取り違え後についても30歳までを知ることができる。


    生みの親か?育ての親か?
    今現在も進行しいてるこの話の中での最後の執筆が行われた時点の状況は示されている。完結はしていない。現在進行形の物語であり、そして彼らの物語の中での状況でもある。

    本書内の内容をそのまま借りてしまえば、誰もが懸命に生きている。親は親を懸命にやっている。子供は子供を懸命にやっている。それなりのやり方で。一生懸命に、真剣に、もがきながらやっている。結果はどうなるかはわからない。

    他人から見て、本当にそれってちゃんとやっているの?ということだって、やっている本人は真剣なんだ。みんな一生懸命に生きている。この本の中に登場する2組の父、母、家族のそれぞれの生き方だってそういうことだ。
    それぞれが望むこと、望むことに進んでいくやり方、それをできれば誰もが外したくない。でも外れてしまう。みんなそれぞれ違うから。誰だって、幸せな家庭を持ちたいし、幸せな人生を送りたい。でも外してしまう、外しているように見えたりもする、最後はどうなるかは、その時にならなけばわからない。家族の関係や、親子の関係なんて特にそういう感じだ。厳しくすれば関係は悪化するかもしれない、でも将来のためにはそうする必要があるのかもしれない。もっといいやり方はあるのかもしれない。でも今はこうするしかない。

    どうすればちゃんとできる?
    どうやればちゃんとできるか、知ろうとすること、それをやめないこと、それは結果として人への共感を生み出し、そういった人間関係の緊張を緩め、ひとつの解決方法にはなりうる気はしている。
    それには時間がかかることもある。時間は何かを変えてくれる可能性もある。お互いの距離感、価値観、興味嗜好とかとか。孫ができれば、子への執着はあったとしても表面上は薄らぐかもしれないし、お互いに一緒に生活していない関係になれば甘えのないやりとりができるかもしれない。時間が何かを変えることもあれば、変えないこともある。
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    投稿日:2021.02.24

  • jun

    jun

    映画 『そして父になる』が参考にしたという、赤ちゃん取り違え事件を17年追ったノンフィクション。作者は『心にナイフをしのばせて』 『密貿易の女王ナツコ』など面白い本を沢山書いてる奥野修司さん。

    映画がかなり面白かったので読んでみたのだが、そしたら映画の10倍くらいこっちの方が面白かった。映画は子供を交換して上手くいかず、元に戻すのかどうなのか・・・というところで終わっていたが、この本では子供が30歳になるまでを書いているので、様々なドラマがある。

    取り違えられた二人の女の子の葛藤はもちろん、その二組の親のなれ初めから浮気、酒浸りでネグレクトな母親、そんな嫁の姉とくっついちゃう夫など、取り違えがなくても十二分に問題あるだろうってところがやはりノンフィクション。

    片方のお母さんが誠実な人格者で、それによって取り違えられた2人の女の子がどちらも救われたような展開。ホントにいいお母さんです。娘に「お母さんみたいな子育てして温かい家庭を作りたい」って言われるって、至福じゃないでしょうか。

    人生について色々大切な事を教えてくれる、素晴らしい本でした。
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    投稿日:2020.12.24

  • みのり

    みのり

    このレビューはネタバレを含みます

    「そして父になる」参考書籍という。
    映画はそんなに特別思い入れもないけど
    奥野さんという方の著作が興味深いラインナップなので、
    この本が真っ先に入手しやすかったので読んでみました。

    取り違え事件の家族がどうなっていったか、親と子の心や事情など貴重なドキュメンタリーだと思いました。

    さらに取り違えもさることながら・・
    片方の家族の母親が、母親じゃなかったことがしんどい。

    取り違えがあってもなくても、母親の役目を放棄してる家庭の子は元から厳しい環境。

    もしその母親が普通に家にいてくれる、一般的な母親だったらこんな結末にはなってない気が…と思えた。

    手間暇かけて、育ててくれる、家庭らしい家から、
    突然、崩壊家族の家につれてこられたら…
    比較対象があるだけに、厳しい。
    人生てどうしても比較対象で、幸不幸を感じてしまいがちなので。

    沖縄の歴史や暮らし、事件に直接は関係ない背景なども読みごたえがありました。

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    投稿日:2020.08.01

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