【感想】ラスト ワン マイル

楡周平 / 新潮社
(56件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
9
32
10
2
0

ブクログレビュー

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  • 雅本棚

    雅本棚

    本当に客を掴んでいるのは誰か──。暁星運輸の広域営業部課長・横沢哲夫は、草創期から応援してきたネット通販の「蚤の市」に、裏切りとも言える取引条件の変更を求められていた。急速に業績を伸ばし、テレビ局買収にまで乗り出す新興企業が相手では、要求は呑むしかないのか。だが、横沢たちは新しい通販のビジネスモデルを苦心して考案。これを武器に蚤の市と闘うことを決意する。続きを読む

    投稿日:2023.08.22

  • サンキューサンチュー

    サンキューサンチュー

    再生巨流で楡周平さんの作品に出会い朝倉恭介シリーズを読みこの本はしばらく積読にうもれてしまっていた。ん?再生巨流と同じ物流ネタ??少し読む意欲を削がれそうになったが、物流とネット販売そしてテレビ媒体を巻き込んでいくストーリーに引き込まれます。楽天のテレビ局買収、ライブドアの球団買収など急成長をとげたIT起業の時代を題材に書かれたと思いますがテンポとリアリティ、斬り込む角度が秀逸です。17年前の出版ですが今読んでも色褪せない作品だと思います。続きを読む

    投稿日:2023.07.09

  • あじゃか

    あじゃか

    相変わらず楡さんの本はページを捲る手が止まらない。
    ただ単に一物流会社として今の立ち位置に甘んじるのではなく、新規ビジネスに打ち込んでいくところがカッコ良い。
    主人公がビジネスと全然関係ない場でアイディアを思いつくところも、そのアイディアがいろんな人と話すうちにブラッシュアップされていくところも、最終的に上層部や他会社にも認められていくところも、爽快感があっていい。続きを読む

    投稿日:2022.10.22

  • とりしん

    とりしん

    このレビューはネタバレを含みます

    見習うべきは意思決定のスピード感。蚤の市社長があっさりと引き下がったけど、したたかなもうひと粘りがあっても良かったかと。
    ラストワンマイル、、、覚えておこう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.05.29

  • そらじ

    そらじ

    このレビューはネタバレを含みます


    『税金で作り上げられた』郵政の民営化によって更なる値下げ競争に巻き込まれた運輸会社をはじめ、信念を持って変化をし、受け入れ、情熱を生み出す数多くの人間たちを描いた2009年発売の「ラストワンマイル」

    コロナ禍で変化を恐れてしまう貴方にこそ今手に取って欲しい。


    急激に成長したネット通販会社『蚕の市』と、創業から安値で世話をした結果裏切られる『暁星運輸』

    資本主義では当然の原理。ただ果たして下請け最下層の運輸、物流業であるからこそ仕方ないことなのか。

    いや、最下層の物流業であるからこその発送、いや発想で光を見いだす。それを頭ごなしに無理だという上司。新しいことをするには突き進む信念が大事だということが丁寧に書かれている。

    一方、急激な成長と共に極東テレビ買収を試みる蚕の市。古い考えの重鎮たちを敵に回し新たなビジョンで黙らせていく。

    どちらも新しいことに突き進む信念と、変化に対する肯定感が非常に気持ちいい。どちらを応援したらいい?どちらに感情を入れればいい?お互いがやり合うのでなく別々のストーリーから最終対峙することになるのだが、信念は同じなのだ。それを裏付けする、哲学者アランの言葉「緊張と苦悩が情熱を生む」

    極東テレビ、暁星運輸、蚕の市。三者三様の動きから時には手を取り、時には駆け引きに出たりと息詰まる攻防に休まるところを見せない。


    「下請けに過ぎないと思われていた物流業が、実はすべての産業の生命を握っている。まさにラストワンマイルを握っているものこそが絶対的な力を発揮する事を世に知らしめる絶好の機会を目の前にしているんです。」


     上司部下の関係がまあ上手く現実味を持って書かれている。上司像と部下像。自分達ができるところまで、上司ができるところまで。ここがわかった気がする。ただ部下に気に入られる上司がいい上司じゃない。とサラリーマンとして勉強させてもらった。

    結末はここまでくればそれほど重要ではないとさえ感じた。

    復讐劇とも下剋上とも違う、明日に向かって熱くなれる一冊だ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.01.24

  • ヒューイチ

    ヒューイチ

    私にとって久々の楡周平

    時代は今から10年以上前の日本!
    IT企業による企業買収問題、郵政民営化、下請け企業へのダンピングなどを題材とした作品!

    今現在、本作品を読む事で作者が今の時代を予見していたかのような予言書のような作品に仕上がっております。



    物流大手の暁星運輸はかつて無いほどの窮地に立たされていた、大手コンビニとの専属契約解消に近い契約変更と、ネット通販会社『蚤の市』からの事実上の値下げ指示の取引条件の変更!!!
    このままでは会社が・・・
    という状況下で主人公の広域営業部営業課長の横沢哲夫が立ち上がる!

    物語中の『ラストワンマイルを握っている我々が一番強い』という言葉に何故か込み上げてくるものがあります。

    ノルマをこなす為に働くサラリーマン必見です!
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    投稿日:2020.07.23

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