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岩瀬大輔 / 文春新書 (168件のレビュー)
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総合評価:
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ねぎま
10年ぶりくらいに読み直してみて、情報としては貴重。特にこの本が出た当時はまだネットでの情報が今ほど豊富ではなかったため非常に有益な情報であった。 一方、書籍としては筆者の気持ちが強く書き込まれていて…、やや読みづらく冗長な構成であり情報ソースとしては少し読みにくい。 その後ライフネット生命もしっかり企業としては成長しているようだけれど、岩瀬さん個人はHBS帰りの極めて優秀な方なのだけど、イマイチパッとしていない印象を勝手に持っている。業界のみならず、日本、世界にさまざまなイノベーションと変革をこれからももたらし続けてほしいと思っている。続きを読む
投稿日:2021.08.08
D-Rinn
ライフネット生命の創立メンバーである著者による、赤裸々な生保業界の仕組みをつまびらかにする内容といった印象です。買い手の脆弱ぶりは、何も買い手の怠慢だけではないのですね、そもそも構造が分かりずらい業界…とのこと。 日本においては公的保険加入が必須でかつ充実しており、公的年金、公的医療保険、遺族年金、失業保険等である程度の非常時を保障してくれている。そこを補う形で民間保険を利用するというのが大前提。公的な補償を完全に度外視して、高すぎる保険料を払い過剰な保険金を付保するのは、ナンセンス。まさにそうするように保管屋さんからは、知識がないと誘導されてしまうのではないでしょうか。 「付加保険料」や「予定利率」など、生保会社がどのように利益を創出しているのか、会社として成り立っているのかの構造は初めてちゃんと学ぶことができて、良かったわ。さすが、今まさに業界で活躍している人が書いた本。自分の入っている民間保険を何度か見直してきたけど、医療保険は本当に定期保険でいいね、今付保されている内容を述べよって言われても医療保険は特約とかが複雑で分かりません。保険料分貯蓄に回すのが正解なんだろうな。続きを読む
投稿日:2021.02.28
ころ
保険料の設定の仕方がわかれば、いかに保険は得しないものなのかということが理解できた。当たり前のことだが、保障の範囲が広げれば保険料は高くなるし、リスクが高くなれば保険料も高くなる。また、運用利回りが良…ければ保険料は安くなる。しかし、そこで揺るがないのは保険会社が徴収する手数料の高さ。掛けた保険料の5割弱が保険会社に持っていかれるのであれば、自分で貯蓄・運用した方がよっぽどいいと思った。続きを読む
投稿日:2021.02.05
honnyomimann
https://twitter.com/kkdstusk/status/1274320777781772288 「ライフネット生命」を創業した人が書いた本.保険の裏話が聞けて消費者サイドに有益無情報…盛り沢山. ちなみにこの会社は2020年現在,この会社はマザーズに上場してる. 著者,やりましたなあ. ・民間保険は情弱商売で濡れてに粟.株買いたくなった. ・保険業のリスクは「人間の健康状態の推移」という統計的に予測可能なものをベースとしているのでまあよし,投資対象としてみるべきは無理は保険金運用による破綻リスクがないかどうか,だな ・日本は健康や雇用で皆保険制度が充実してる.民間保険はあくまでおまけ.日本素晴らしいな. ・保険に入るにしても民間保険会社ではなく共済で.共済は非営利でマージンがない ・株を買いたいと言ったが旧来の保険会社は厳しい競争に晒されている.外資・新興保険会社の台頭,かんぽの民営化,法改正による競争自由化,IT普及などによる顧客との情報格差の減少 ・保険会社の価値を見るときはPERは役に立たない.顧客と保険を契約したら一定の未来までの収入が見込めるので1年区切りの収支はあまり重要じゃない.その代わりにEVをみるといい. ===== 保険業界は40兆の巨大市場。 新車販売でも11兆 保険料は更新とともに上がる。銀行引き落としでその痛みになかなか気付けないか累計で何百万円もの支払いになる。 「生命保険は人生で二番目に大きい買い物」 一千万円の買い物だが時間分散によりその感覚が持てない。そこに営業は義理や人情を持ち込む。 保険商品は全体の3から6割が経費や利益として取られる 手数料:付加保険料 バブル崩壊後の逆鞘はその後の新規加入者が負担 保険商品の本質は保障と貯蓄。後者は代替手段がある。→必要なときに掛け捨ての生命保険に入ればいいか。→不動産投資もありか。 保険料決定のアルゴリズム ・保障条件発生確率とその金額(to客 ) ・預かった保険料の運用利回り ・経費、利益 保険会社は保険内容に見合う保険料を収受しないといけないという法律があるらしい。なんという保険会社優遇な法律だ。 だから「今入っておくのがお得ですよ」という理論は成り立たないらしい。 医療保険は国の健康保険の補助的な役割しか持たない。しかも高額医療費制度もある。 入院時にかかるベッド代、"病院都合で"高額な部屋に割り当てられたとしてもそれは請求されない。 死亡時も国の遺族年金や企業の弔慰金がある。 保険商品の作り方、参考になる。 保険商品は形を持たない。「契約」がそれそのものであり、それを示すのは約款。 自分が保険会社を作るときはすでにある約款をパクって作ればできてしまう笑続きを読む
投稿日:2020.06.20
僕の血肉になる本たち
このレビューはネタバレを含みます
ライフネット生命共同創立者の岩瀬大輔さん著。生保業界の莫大なマーケット(40兆円)の規模があるのにもかかわらず、旧態依然とした販売体系、非効率な業務運営に着目し、ライフネット生命を立ち上げたきっかけを記している。 ・生命保険事業の意義…「人間の社会の中で、大切なのは「助けあい」である。そして、助けあいの方法としては、「自助」「公助」「共助」の三つがある。しかし所得が伸び悩み、格差が問題とされるなか、「自助」だけに期待することは難しい。また、国家財政が逼迫しているなかでは、国に過度に頼ることもできないため、「公助」にも限界がある。とすれば、人々が互いを助け合う「共助」の仕組みが、再び大切になってくる。「共助」を担うのが、民間の保険会社の役割である。にもかかわらず、生命保険会社は保険金の不払い問題に代表されるように、消費者の信頼を失っており、本来の役割を十分に果たせていない。だからこそ、共助の仕組みをいま一度蘇らせることが必要だ。 ・生命保険=保障商品と運用商品が存在。終身保険は、一部が保障の性格を持つが、運用商品の性格ももつ。しかし、その割合は外からは分からず、運用商品のために多大なるコストを契約者が負担している。 →つまり、金融商品としてのコスパが投資信託や株式投資等に比較してめちゃくちゃ悪い。半分ほどコミッションに割かれている。生命保険に加入するのであれば、死亡リスクに備える保障商品たる定期保険のみで問題ない。(ただし、現在は女性の社会進出も向上し、社会保険も検討すれば 死亡リスクに十分に備える必要性は薄い) ・日本の生保業界が繁栄してきた裏側…バブル経済期までの護送船団方式による業界が縦割り行政で保護されていたこと。さらに税制優遇によって家計所得を上手に取り込んでいくことができた。 ・日本の生保業界は、一社専属の営業職員が人海戦術で売り歩くという、高コストの営業部隊を中核としたビジネスモデルをささえるために、高収益をもたらす保障性の商品を販売してきたのである。全国に支部・支社を構え、あまたいる営業職員を管理するための膨大なオーバーヘッドを抱え、巨大な労務管理組織を維持することそれ自体が、多くの生命保険会社のレーゾン・デートル(存在意義)になってしまったのである。大手生保の出身者から聞いたことがある。商品開発担当の若手が市場調査を通じて顧客ニーズを調査して、「保険料が安い単品の医療保険」の開発を役員会に提案したところ、「お前、それで外野( =外交員)に飯が食わせられると思っているのか!」と一蹴されたというのだ。 ・先述したように、一九八〇年代から顧客ニーズは死亡保障から医療保障や生存保障(年金)にシフトしていた。しかし、生命保険会社はその変化に正面から向かい合うことはなく、死亡保障を大型化した商品を、販売組織の拡大戦略によって押し込み続けていた。頭打ちとなった死亡保障商品の販売をテコ入れするために、予定利率を引き上げることで保険料の値下げをはかったりした。 ・一連の不払い問題が起きた理由は、表面的には支払管理態勢が不十分だったことにある。しかし、より本質的には「販売至上主義」と、生保のカルチャーとしての「顧客軽視」があったと考える。 すなわち、誰も理解できないような複雑な商品を、五〇%という異常な離職率にある営業職員に厳しいノルマを課して押し込ませていたことから、契約内容をよく理解しないまま入っている顧客がたくさんいることに、本来的な問題があるのである。 生命保険会社は、自社の営業職員や代理店などに対して、契約が成立すると一括して成約手数料を支払うなどしており、新契約獲得にかかわる費用が非常に大きい。契約から五年、十年と長期にわたって保険料を収受することで、この費用を回収していく。つまり契約初期に大きなコストが生じ、これを長期の契約期間にわたって回収していくというビジネスモデルなのである。
投稿日:2020.05.04
kai0139
日本の約9割の世帯が「何となく」加入している生命保険。分かりにくい生命保険の仕組みや歴史について理解が深まった。ライフネット生命の宣伝という側面を差し引いても良書だと思う。 加入は必要最小限にしよう… 死亡保険は掛け捨てで良い 保険は貯蓄としては損な商材 医療保障は公的保険でかなりカバーされている続きを読む
投稿日:2020.04.29
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