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西田幾多郎 / 岩波文庫 (43件のレビュー)
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重度積読症
とうとう『善の研究』を通読できた。学生のときに第一編の「純粋経験」のところで挫折してしまってから、読めないままここまできてしまった。哲学という学問が明治以降に伝わって以来初めての本格的な哲学書、そし…て西田幾多郎の主著ということで、「どのようなことが書かれているのだろう、どのようなことを考え本書を書いたのだろう」といったことを直接読んで学びたかったので、ちょっとホッとした。 本書は、第一編「純粋験」、第二編「実在」、第三編「善」そして第四編「宗教」の四編から成っている。著者みずから序において、「第一編は余の思想の根柢である純粋経験の性質を明にしたものであるが、初めて読む人はこれを略する方がよい」としているが、確かに哲学のワードや考え方にあまり馴染みのない人は、第二編以下を先に読んで、その後に第一編に戻るのが良いかもしれない。確かに全編を読み通すと、純粋経験というものが第二編以下で論じられていることの根底にあって、そのために純粋経験について著者が考えに考えた意義が分かってくるのだが、初めから純粋経験とは何々と言われても、正直??だと思う。 プラトンやアリストテレスから、デカルト、スピノザ、バークリー、カント、フィヒテやヘーゲル、またほぼ同時代といっても良いであろうマッハ、ウィリアム・ジェームズなどの西洋哲学・思想に、またウパニシャッド哲学や仏教などの東洋思想にも正面から向き合い、独自の考察を深めていった西田に感嘆の思いを持った。 残念ながら純粋経験の内容を始め良く分からないところも多々あったので、二読、三読に挑戦してみたい。続きを読む
投稿日:2024.04.09
如水
このレビューはネタバレを含みます
状態の良い古本で探しているうちに後回しになってきた岩波文庫-青の一冊。 いやこれはもっと早く読むべきだった!新品で買ってもよかったくらい。 読みやすい、おもしろい。読んでいて頭と心が喜んでいるのがわかる。 一つひとつの章が長くないので休憩時間にキリ良く読み切れる。 難解なのではないかと敬遠している方、まったく恐れる必要はありませぬ。 ┈┈第二編「実在」 第一章「考究の出立点」より┈┈ 深く考える人、真摯なる人は必ず知識と情意との一致を求むる様になる。我々は何を為すべきか、何処に安心すべきかの問題を論ずる前に、先ず天地人生の真相は如何なる者であるか、真の実在とは如何なる者なるかを明らかにせねばならぬ。 ┈┈第三編「善」 第十章「人格的善」より┈┈ 人格はその人その人に由りて特殊の意味をもった者でなければならぬ。 人格は単に理性にあらず欲望にあらず況んや無意識衝動にあらず、恰も天才の神来の如く各人の内より直接に自発的に活動する無限の統一力である(古人も道は知、不知に属せずといった)。
投稿日:2024.02.14
samkiku
読み終えても何が書いてあったかわからないままだ。 2回目に読んだ後もわからなかった。 解説本がないと無理かもしれない。 また、一般読者向けに書いてあるわけではないので、てにをはや句読点の打ち方が戦…後の週刊誌が作り上げたような、読みやすく理解しやすいものではないのも、理解を妨げていると思う。続きを読む
投稿日:2023.12.19
mnagaku
聞いた。聞いて理解するには難解過ぎた。雰囲気は分かったかも。仏教やってたら飲み込みやすいかなと思った。
投稿日:2022.12.24
k
本著は西田幾多郎によって著された哲学書である。そして日本人によって著された最初の独創的な哲学体系だとされる。 その思想は純粋経験の立場をとり、これによって知識、道徳、宗教といった一切を基礎付けようと…試みる。つまりあらゆる思想を排除した単なる経験の状態のみでこれらを徹底的に説明しようとする。 さらにそこから人間にとって「善」とは何か、「神」とは何かを導出していく。 哲学なので、本質的に抽象的であるため理解が難しいところはある。ただ古典の中ではかなり読みやすい部類かと思う。 やや冗長ではあるものの、難解なレトリックやメタファーなどは少なく、丁寧に読んでいけば理解できるようになっている。また主張も端的なので掴みやすい。 経験主義をよく理解できる一冊かと思う。その他の主張も分かれば興味深いものが多い。 特に、美の概念と善の概念が近接するという仮説は興味深い。つまり美とは物が自然の本質を実現する場合に感じられるものであり、善も同様に天から与えられた自己の人格を統合することで達することができる領域である。 人間は真の自己を知り、それを鍛えることで善の領域に辿り着かねばならない。 「主観は自力である。客観は他力である。我々が物を知り物を愛すというのは自力を捨てて他力の信心に入る謂である。」続きを読む
投稿日:2022.09.12
seiyan36
著者、西田幾多郎さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 西田 幾多郎(にしだ きたろう、1870年5月19日〈明治3年4月19日〉 - 1945年〈昭和20年〉6…月7日)は、日本の哲学者。京都学派の創始者。学位は、文学博士(京都大学・論文博士・1913年)。京都大学名誉教授。著書に『善の研究』など。 ほぼ同時代を生きた文豪では、夏目漱石がいますね。 夏目漱石は、1867年生まれなので、西田幾多郎よりも3年位早く生まれています。 で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです) 真の実在とは何か、善とは何か、宗教とは、神とは何か――。主観と客観が分かたれる前の「純粋経験」を手がかりに、人間存在に関する根本的な問いを考え抜いた西田幾多郎(1870-1945)。東洋の伝統を踏まえ、西洋的思考の枠組自体をも考察対象とした本書は、以後百余年、日本の哲学の座標軸であり続ける。 とのことですが、本作を読んだわけでななく、今後とも手にすることはないと思います。 今、読んでいる、『いつまでも親がいる』(島田裕巳著)の中に、本作について触れた箇所があったので、寄り道してみました。 『いつまでも親がいる』のp141に、次のように書かれています。 西田の代表的な著作である『善の研究』について言えることです。この本は、「経験するというのは事実其儘に知るの意である。全く自己の細工を棄てて、事実に従うて知るのである」という形ではじまります。それが、第1編第1章「純粋経験」の書き出しです。続きを読む
投稿日:2022.08.13
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