【感想】なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

アガサ・クリスティー, 田村隆一 / クリスティー文庫
(47件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
10
19
13
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ブクログレビュー

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  • may

    may

    このレビューはネタバレを含みます

    事件解決に乗り出す主人公のコンビが作中ではそれぞれ別の人(犯人の2人組)に惹かれて、最後はきれいにまとまるというのが割と現実的な感じがした。悪役の女性が小気味良いが衰弱して見つかったあたりで怪しげに見え、自分がミステリずれしてしまったと感じた。

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    投稿日:2024.04.14

  • おけいはん

    おけいはん

    このレビューはネタバレを含みます

    牧師の四男であるボビイは、友人とのゴルフの最中に崖から転落した男を発見する。男はボビイが見守る中、「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのかのか?」という謎めいた言葉を残して絶命する。
    男の身元を示すものがないかとポケットを探ったところ、そこには女性が写った写真があった。
    ボビイは、現場を通りかかったロジャー・バッシントン・フレンチに死体の番を任せるが、その間に死体のポケットの中の写真がすり替えられたことを後に知ることになる。
    ロジャーの怪しい行動からこれは単なる事故ではないと見抜いたボビイは、幼馴染のフランキーとともに独自の捜査を始める。当然、潜入先はバッシントン・フレンチ家。さらにその近所に住む怪しげなニコルソン博士にも目をつける二人。だが犯人の魔の手は、逆に二人にも伸びてくる。
    最後の最後までエヴァンズの正体がわからないところ、「トミーとタペンス」のような純朴な青年ボビイと上流階級の娘であるフランキーの凸凹コンビの冒険活劇、そして最後は大団円。クリスティーらしさが詰まった一冊。

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    投稿日:2024.03.31

  • nogiyuna

    nogiyuna

    このレビューはネタバレを含みます

    父親が本好きで、実家の離れは父の書庫になっていた。窓を除く三方の壁に置かれた本棚の、一番入口に近いものは子ども用で、児童書やコミックスを並べていたのだが、その隣は恐らく、子どもにも読めるものが置かれていたのだと思う。上2段は父が集めていた少年・青年漫画のコミックス、3段目以降がハヤカワミステリ。エド・マクベインやアガサ・クリズティを、ここで読みふけったものだ。
    恐らく、本書を読んだのは中学生の頃、同じ時期に映像作品も観た。どちらが先だったかは覚えていないが、映像作品の冒頭の、ゴルフ場が崖の上の草っ原だったことに驚いた覚えがある。日曜になるとテレビで流れるゴルフの試合中継では、だだっ広い整地された起伏のあるグラウンド、そこかしこに意図的につくられた林や池、緑の芝生の真ん中に立てられた旗。そんなイメージしか持っていなかったからだ。

    テレビでクリスティの映像作品が放映されると、極力視聴する。23年にNHKで放映されたテレビドラマ3回シリーズの再放送を観た。
    冒頭のゴルフ場と、エヴァンズに“何を”頼まなかったのかは思い出せたけれど、あとはサッパリ。初見のようにハラハラドキドキしていた。
    クリスティの映像作品で楽しいのは、女性のファッションだったりする。それほど服には興味ある訳じゃないけれど、この時代の欧米の服装はカッコよくて好き。現代では誰も被っていないような帽子がまたイイんだよね。事故で転がり込んだ筈なのに、フランキーは着替えを何着持ってってたんだい、というツッコミはともかく、風景とか建物とか衣装とか、文章では表し切れない美しさが表現されていて、だからドラマも好きなんだ。

    話の流れも結末も知っちゃったけれど、また読むかな? 何年か経ってディテールをうっすら忘れた頃に、手に取ってみようかな。(2024-03-25NHKにて視聴)

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    投稿日:2024.03.30

  • Mちゃん

    Mちゃん

    前に読んだことがあったんだけど内容を忘れて再読。
    エヴァンズに何を頼まなかったんだっけ、、、って感じで読んでたけど結局最後まで思い出せないまま初めて読んだみたいに楽しめた。

    投稿日:2024.02.12

  • ゆのまる

    ゆのまる

    『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』
    なんとも印象的なタイトルです。「どうして頼まなかったんだろう?」と誰しも不思議に思うことでしょう。個人的には『そして誰もいなくなった』『鏡は横にひび割れて』に次いで好きなタイトルかもしれません。

    この本を知ったのは、改めてクリスティーを読んでみようと思い立ち、書店の本棚を眺めていたとき。
    有名だけどまだ読んでいないタイトルがずらりと並ぶ本棚で、ふと目に飛び込んできたのが本書でした。
    購入したものの積読の列に並び……この度やっと読むことができました。うん、クリスティーは何を書いたって面白い!

    今作の主人公は牧師の息子ボビイと伯爵令嬢であるフランキー。
    たまたまボビイが崖から落下した男を看取ることになり、その謎の男が残した最期の言葉が「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」でした。
    持ち前の好奇心と貴族の権力を駆使して潜入捜査を試みるフランキー。この展開は、あたかも少年少女の冒険譚といった雰囲気で微笑ましく読めました。
    「そんなにうまくいくわけない!」なんて野暮なツッコミはノンノンです。これはワクワクしながら楽しく読むものなのですから。
    いつも通り殺人事件は起こるものの、お子様が読んでもわかりやすい一冊なのではないかと思います。

    とっても可愛らしい関係のボビイとフランキー。
    今作だけのコンビなのが残念……もっと二人の冒険を見てみたかったです!
    ポアロやマープルとはまた違った雰囲気だけども、やっぱりこれも面白い。さすがです、クリスティー。
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    投稿日:2024.01.12

  • オズ

    オズ

     サスペンススリラーであり、主人公ボビィと幼馴染の伯爵令嬢フランキーが活躍する作品。主人公は医者の友人とゴルフのラウンド中、ふとした事で崖の下の今にも死にそうな男を発見する。彼を看取るが、亡くなる間際、「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか」といい残し、それを聞いていた主人公は後々様々なトラブルに巻き込まれる。
     幼馴染の令嬢フランキーはかなり行動的で権力を持っており、彼女自身の魅力も手伝い様々な組織が協力的である。警察に行けば情報を得られるし、様々な細工をしてくれる医者の友人もいる。重鎮の弁護士であっても多少の無茶は許してくれる。魅力的な二人を中心に大きく物語は進行していく。
     クリスティ作品の魅力の一つは作品の導入部分であり、読者に大きな疑問を提示する事により作中へ引き込むわけだが、今回は死に際の男が「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか」と呟き亡くなる事で、「エヴァンズ」とは何ものか、いつ登場するのかと興味を引き立たせる。エヴァンズの謎が明らかにされた際には思わずニヤついてしまったが、この様な仕掛けによって作品に読者を集中させることもクリスティ作品の楽しい点だ。
     今作はあくまで読み物として楽しむ方が良い。リアリティやシリアスさを求めると少し物足りない。若い二人の行動は無茶苦茶だし、フランキーは後先考えないし、ボビィも行動が危なっかしい。特に犯人捜査中に探偵役が周りに色々と打ち明けたり相談したりすれば、絶対に上手くいくわけがなく。まぁ、少し設定が古いという事と、あくまで読み物であり漫画的な印象がある作品と理解すれば充分に面白い作品だ。
     犯人の手口が過去のものと類似して傾向が一緒など、クリスティ作品の本格ミステリーの土台はきちんと当てはめられており、犯人が誰かという楽しみと発覚した後の驚きも感じる事ができる。
     シリーズ化してフランキー&ボビィと真犯人(名前は出さない)でも面白そうだ。悪役のシリーズかがあっても楽しめるだろう。
     今作のMVPはバジャーで決まりだろう。絶対絶命からの逆転劇は色々あるが、今回は流石にご都合主義では(笑)。こうなるしかない状況だった為に納得は出来るが少し強引か(笑)。バジャーに果たして商材があるのかどうかは別筋として気になる。
     最後は洒落た形のハッピーエンドだ。身分違いは今の時代ではイメージがわかないし、海外なら尚更だが、お似合いの二人だ。トミーとタペンスでも良さそうだが、フランキーとボビィも魅力的なペアだ。
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    投稿日:2023.12.15

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