【感想】竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

角川書店 / 角川ソフィア文庫
(32件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
10
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ブクログレビュー

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  • 涼風紫乃@草紫庵

    涼風紫乃@草紫庵

    日本最古の古典文学である竹取物語の現代語訳。
    現代語→原文→作者の感想という構成で書かれており大変読みやすく思いました。ただ、、また一つの話を細々と区切っているため、一つの難題ごとに複数の作者の感想が載せられているのは流石に冗長だと思います。
    しかし、おそらく現代出版されている竹取物語の本の中で最も手軽に手に取りやすく、また読みやすい本であると言えます。

    【こんな人におすすめ】
    手軽に竹取物語を読みたい人
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    投稿日:2023.11.29

  • 横

    いつ、だれが書いたのかわからない。
    定説によれば、9世紀、平安時代の初期に成立したのではないかといわれている。
    そして、竹取物語は日本最古の物語といわれている。

    こうした、天女の羽衣伝説は、全国にいくつかあり、風土記にも取り上げられている。

    竹取のおきなとのであい
    かぐや姫の成長
    5人の若者との物語
    帝との恋
    姫の昇天

    おとぎばなしなのか、日常とは隔絶した荒唐無稽な話を聞きながら大宮人たちは、この物語を楽しんだのであろうか。

    目次
    竹取のじいさんと、なよ竹のかぐや姫
    難題の一・仏の御石の鉢―挑戦者・石作の皇子
    難題の二・蓬莱の玉の枝―挑戦者・庫持の皇子
    難題の三・火鼠の皮衣―挑戦者・右大臣阿部御主人
    難題の四・竜の首の珠―挑戦者・大納言大伴御行
    難題の五・燕の子安貝―挑戦者・中納言石上麻呂足
    かぐや姫の昇天
    解説 「竹取物語」―作品紹介
    付録 「竹取物語」―探求情報

    ISBN:9784043574032
    出版社:KADOKAWA
    判型:文庫
    ページ数:258ページ
    定価:680円(本体)
    発行年月日:2001年09月
    発売日:2001年09月25日
    発売日:2003年07月25日
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    投稿日:2023.09.23

  • agjmd

    agjmd

    角川のビギナーズ・クラシックで初めて古典を読んだ。切りのいい所で話が分けられていて、現代語訳で内容を理解した後、原文を読み、解説者による解説が入るという構成。古文を読めない人でも、古文の雰囲気を楽しみつつ、全文が読めて楽しかった。

    解説者は、平安初期当時の藤原体制批判として読む読み方や、異星人襲来のファンタジーとして読む読み方を認めつつ、自身は、一貫して地上界に来た「かぐや姫」の成長譚として読解していく。地上界における男女関係や結婚を理解しない「かぐや姫」が、五人の求婚者に難題を与え、帝に見初められる過程の中で、人間の情を理解していく物語として、かぐや姫の言動を解釈する。説明が一環していて分かりやすかった。

    また、古代の信仰や当時の常識といった知識を得ることで解釈が面白くなることを体感できたのもよかった。
    例えば、「竹取」という仕事は、農耕社会の日本においては、身分の低い職業とされる。しかし、古代においては、竹を神聖なものとする信仰が各地にあり、ある意味「竹取の翁」は神事に支えていたとも解釈することができるという。このような解釈、のちの翁の出世の伏線になっているといった解釈は、真偽はともかく、知識を得ることで、当時の感覚になれば、それぞれの出来事の意味が変わるという意味で面白かった。
    昔も今も変わらない人間の性がある、といった話はしばしば聞くが、解説を読めば読むほど、古典における世界観を、現代人の感覚で読むことの危うさが分かってくる。
    古文は苦手だけど、古典の世界観に触れてみたい人には、とてもいい入門のシリーズだと思う。
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    投稿日:2023.09.12

  • 傍らに珈琲を。

    傍らに珈琲を。

    フォロワーさんの本棚で見掛けた『竹取物語』。
    子供の頃に知った"かぐや姫"は美しい部分を拾って繋げただけで、もはや竹取物語ではないかも。
    それでも、求婚者に無理難題をふっかけて諦めさせる流れは、大人になってからどこかで聞き齧った。

    とは言え、古典は初心者には読みづらい。
    そこで角川のビギナーズ・クラシックス!
    短いお話なので全編収録されていたのも嬉しい。
    助かります~。

    早速、読み始める。
    すると、めちゃくちゃ面白い!!

    「竹取物語」は、作者も正確な成立年度も不明。
    それでも、「源氏物語」の中でも登場するので、平安時代には存在していたらしく。
    子供の頃はおとぎ話として耳にしたけれど、
    かぐや姫に最後まで求婚し続ける5人の貴公子にはモデルとされる実在人物がいた。
    何も知らなかったのでビックリ。
    彼らは皇族・大臣・大納言・中納言という貴族社会の上層で、彼らは物語の中で、かぐや姫にこてんぱんにやられることとなる。
    中でも、石作りの皇子のモデルとされる丹比島(たじひのしま)と、庫持の皇子のモデルとされる藤原不比等は、求婚者達の中でも時間を割いて冷酷な権力主義者である人物像が語られ、「竹取物語」の作者が、藤原政権への批判を込めたのであろうとされる。
    確かに、そうかもしれない。
    この二人に限らず、貴族社会の最上位の人物達がかぐや姫に振り回され、次々と恥をかかされて退散してゆく様は、
    当時「竹取物語」を読んだであろう庶民階級の人々にとって、さぞかし面白く痛快だったに違いない。
    実際、現代を生きる私が読んでもとても面白いんだもの。
    (中納言の結末はショッキングだけれど。)
    この面白さと巧みなストーリー展開があったから、作者不明でありながら現在まで語り継がれてきたのだろうな。

    しかもかぐや姫は翁に、「どうして結婚などということをするんですか?」と問い掛ける。
    この時代、女性は男性に選ばれる側で、妻となり子孫繁栄に尽くすのが当たり前の男性中心社会。
    実際つい最近まで男尊女卑の世が続いていたわけだし、現在も完全なる男女平等とは言えない。
    そんな中「竹取物語」の作者は、「月という異界から現れた姫」という立場を上手く使って、「女は結婚するものだと決まっているのか?なぜ結婚しなきゃいけないのか?」と問い掛ける。
    なんて新しい!
    遥か昔、中古の時代に、その時代の"当たり前"に疑問を投じる方が居たなんて!

    面白く読めたのは、元々の「竹取物語」のストーリーが面白かった事に加え、
    ビギナーズ・クラシックスが上手く作られていたのもある。
    本文を短く区切り、『現代語訳』→『ルビのふられた原文』→『解説や捕捉、参考資料』の順で読み進めてゆくことが出来る。
    現代語訳を読んでからの原文であり、しかも短い為、苦にならない。
    むしろ原文ならではの柔らかな言葉の響きに趣を感じるし、
    途中やり取りされる男達とかぐや姫の和歌も韻を踏んでいて、原文で読めることの喜びさえ感じる。
    5人の貴公子たちの話にはそれぞれオチもついていたりして、まるで落語のようだし。

    武田友宏さんの解説も興味深い。
    竹取りの翁は神事にかかわる仕事をしていただとか、
    本文の古語がどのように変化して活用形へと発展したのか、現在使われている言葉の語源は何か、
    遭難の描写は遣唐使派遣の記事に基づいている…等々。

    そしてなんと言っても、その武田さんの解釈文が辛口で笑える。
    辛辣に言い放っている部分も多いので、それが面白味を増してくれるのだ。
    「竹取物語」をリアルタイムで読んだであろう庶民の皆さんは、傲慢な権力者を自分達に代わってやり込めてくれるかぐや姫に、清々しい思いさえ抱いたに違いない。
    末長く語り継がれるって、やはり大衆の心をどれほど掴むか?ってことなんじゃないかなぁと改めて思う。
    政権を繋げていくのは上層部だけれど、習慣や流行りを作り上げるのは、いつの世もきっと大衆だろうから。

    さて、物語は帝の登場によりぐっと盛り上りをみせる。
    前半の面白おかしい痛快話から一転、人の情を描く美しい話へと自然に展開してゆく。
    散々な目に遭わされた5人の貴公子たちも、やはり帝の前座に過ぎないと思えてしまう程。
    帝もかぐや姫に夢中になってしまうことは変わりないのだが、さすがに帝となる人の立ち振舞いは節度がある。
    というか、前座の5人が節操無さ過ぎで、帝は至極当たり前の行動をとっているだけなのだろうが。
    さらに、かぐや姫にも変化が起きていた。
    5人の貴公子たちとのやり取り、竹取りの翁と媼との生活、これらの日々は、かぐや姫に"人としての情"をもたらした。
    彼女の心が、成長したのだ。

    いや、成長というより、「天上人であったはずのかぐや姫が、今や地上の人と同じように、情や愛で心を痛めるほどに変わった」という風にこの物語を見た方が、作者の意図に近付くことが出来るのかな?
    物語の終盤でかぐや姫は、月の都の人は美しく年もとらず悩みもないという。
    その月の都の姫であるかぐや姫は、地上には老いや病、そして死があること、人の人生の儚さや、この世の無情を心で学んだのだ。
    そう思うと、初めはじゃじゃ馬娘だったかぐや姫が地上界で様々な経験を積み、愛や悲しみ、人情、無情を学んだというのに、
    最終的には天の羽衣を着た瞬間にそれらの心を忘れて天上界へと昇天してしまうのが腑に落ちない。
    ならば何故、人の心を学びにやって来たのだろう。
    しかし、そもそも"人の心を学びに…"と思っていること事態が私の傲慢なのか。
    だって天からかぐや姫を迎えにきた王は言うではないか、"姫は罪を犯したので、汚れた地上の、こんな身分の低い翁の家に滞在させたのだ"と。
    だが、姫が月の都でどのような罪を犯したのかは、最後まで一切語られない。
    何をしてしまったんだろう。

    更に、天の羽衣を羽織って忘れてしまったかぐや姫はまだいい、富士の山頂で薬や文を燃やすことで踏ん切りをつけるであろう帝もいい、
    けれど年老いた翁と媼にはあまりの仕打ちではないか。
    慎ましく暮らしてきたであろう二人には、何の罪もないのに。
    けれど天上の者からみれば、地上は汚れた場所であり、罪人が罰を受ける場所。
    地上の者がどう足掻こうと、天上の者には敵わない。
    前半の藤原政権批判も、そこには、庶民がどう足掻こうと敵わない権力者の君臨があったのだろうが、
    後半の部分にも、有無をいわさず"汚れ"と扱われてしまう理不尽さや、どうにも抗えない天と地の差が描かれている。

    この『竹取物語』、ただの人間模様だけでなく、様々な意味合いを内包した奥深い物語なのだと気付かされる。
    他にも、言葉の選び方、伝説の引用、キャラクター選び、オチのつけかた、物語の経過年数や翁の年齢など、作者が実に巧み。
    ここまでの物語を描ける作者だもの、他に作品を残していないのだろうか。
    実は現在に名を残す、誰かだったりしないのだろうか。
    それとも、語り継がれ書き写されしていくうちに、色々な人の技巧が加えられていったのだろうか。
    勉強不足で、そこまでは分からないが。

    子供の頃に聞かされた"かぐや姫"の記憶が、ただ美しい悲恋物語でおしまいとなっていたのが勿体なかったと思えるほどだ。
    改めて読み直す事が出来て本当に良かった。
    有意義な時間だった。

    続きを読む

    投稿日:2023.07.29

  • れか

    れか

    一度は読んだことのある竹取物語。
    別名:かぐや姫。
    具体的な解説とわかりやすい現代語訳付きで
    今まで気がつかなかった事がたくさんあった!
    解説者の言葉選びがなかなか面白い♪

    投稿日:2023.02.10

  • ただのほんだな

    ただのほんだな

    2022.10.29読了。

    2022年、82冊目。

    NHKEテレ「100分de名著」2022年8月号で取り上げられた1冊。

    この月は10代の読者に的を絞った回でした。

    満足度4/5。

    投稿日:2022.11.01

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