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三羽省吾 / 幻冬舎文庫 (9件のレビュー)
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iyoharuka13
祖母の訃報を受け、不登校の息子を連れて30年ぶりに帰郷した柿崎信郎。甦る少年の頃の出来事と現在の境遇が、父として息子に伝えるべき何かを生み出す。 子供だからといって楽しいことばかりじゃない。大人だから…といって世の中を上手く渡れる訳でもない。人間が生きていくには、何かしら背負うものがある。その重さに耐えていくことが成長の証である。 時折、笑えるストーリーだが、突きつけられる現実は実に重い。でも、信郎が偶然訪れた居酒屋に予想外の救いがあった。昔は良かった風の安易なノスタルジー小説ではない。男として、そしてかつての少年として筋を通した生き方を導いてくれる物語である。名作です。続きを読む
投稿日:2016.01.19
Bookrium
田舎町の小学生男子たちのいかにも昭和の香りがするアホさ加減と、今の時代ならではのイジメや不登校問題が交互に綴られた作品。 三羽氏の描写の上手さは健在です。加えて少年ならではの純粋さと、上手く表現できな…いもどかしさのバランスも絶妙。ここまで書けるということは、きっと相当充実した少年時代を過ごしたんだろうと思います。続きを読む
投稿日:2015.05.17
pata
このレビューはネタバレを含みます
2015/4/19 モッコリマン望月の変化が泣けた。 ノブが「もういらない」と心の中で切り捨てた時に私も心の底から同意したから余計に。 むかし先生も人間やって、聖人じゃないって気づいた時になーんやって思った。 人間やから失敗も手抜きもサボりもなんなら悪意も持ってて当然。変に期待すんなって。 でも今回その一歩先を見たね。 人間やから後悔して勉強して努力するし、また失敗したりサボっちゃったりしてよりいっそう努力するかもしれん。 後悔したり悩んだり間違ったりすることのなんと尊く美しいことか。 全知全能の神様にはできないこと。 ガボちゃんがまっすぐ頑張れてるみたいでよかった。 ウサギが増えてるのもよかった。 ほかのみんなが何してるのかも知りたいなぁ。
投稿日:2015.04.20
yutakadzuki
亀岡鉱山の話って書いてあるんだが、なぜか、強烈な岡山弁。 ここの感想も、岡山と勘違いしてる人が多いんだけど。 読んだのは初版なんだけど、版が違うと変わってるのかな。
投稿日:2013.10.28
teshigawara
無責任な大人の意見が、実は子供の社会性を育んでるって考え方にハッとさせられた。子供のうちに、「お前の事なんて知らん」みたいな人と関わっていく経験が大事なのね。物語としての出来も秀逸。先生がダボちゃんの更生のためある意味人生を捧げたってくだりは涙もの。読んでよかった。
投稿日:2012.03.15
ほりんちゅ
戦後のまだ復興期に鉱山の町で少年時代を送った父が息子と二人で、祖母の葬儀に帰省するところから物語が始まる。 息子は学校でいじめにあっていて、登校拒否。父として会話を持たないといけないが、話し始められない。 自分の少年時代を思い出すことから糸口をつかむ。 父親が職工で管理職の家庭の子供たちと対立し、体力にまかせていじめていた。会社が米国の企業に買収されて、やってきた米国人経営者家族。その息子が同級生で、立場が逆転して除者にされてしまう。争い足掻く中で人間関係の作り方と世の中の仕組みを学んでいた。 父は帰り道、自分の来た道を息子に語り始める。
投稿日:2011.10.19
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