【感想】英語でよむ万葉集

リービ英雄 / 岩波新書
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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9
3
1
0

ブクログレビュー

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  • ラズベリー(潰)

    ラズベリー(潰)

    スマホで写真を撮る時に画像加工アプリを使って、様々なフィルターを試しながら眺める画面は、同じ景色でも違う表情を見せる。そんな感じ。

    投稿日:2023.09.01

  • シマクマ君

    シマクマ君

     リービ・英雄はなぜ、日本語で小説を書くのか。ボクに、ずっとあるのはその疑問です。この本はアメリカでも有数の日本研究者である彼の代表的な仕事である「万葉集英訳」の、たぶん大衆化書籍だろうとたかをくくって読み始めましたが、噛んで含めるように、万葉語から英語へ移し替えていく作業の実況中継を語りながら、万葉集そのものに対するリービ英雄自身の考えや感想や、柿本人麻呂をはじめとする万葉歌人の生活や、その時代状況の解説も語られているうえに、「詩とは何か」という根本問題に触れていくという、とんでもない万葉集入門書でした。「名著」といっていいですね(笑)
     読み終えて、矢張り、彼がなぜ日本語で書くのかはわかりませんでしたが、彼の日本語が半端でないことはよく解りました。
     ブログにもあれこれ書きました。覗いてやってください。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202303160000/
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    投稿日:2023.05.07

  • nrp

    nrp

    万葉集を英語にしようという’無謀な’試みの本。
    無謀な、というのは著者も感じており、7世紀の日本語独特の表現や感性を現代英語にすることの限界を幾度となく論じており、それを通して原文の美しさを伝えている
    英語はどうしてもストレートになりがち、説明がちで、「久方の 天より雪の 流れ来るかも」を「Is this snow come streaming from distant heavens?」と疑問形にしたり(p69)、「不尽の嶺を 高み恐み」を「Because of Mt. Fuji’s lofty heights」としたり(p43)、そうしたところから古文の、そして和歌の美しさを改めて感じさせてくれる。
    中には行き過ぎと感じるものもあり、天皇御製の「我こそは 告らめ 家をも名をも」を「l will tell you my home and my name. 」としたり、「夜道は吉けむ」を「the night road should be good」としたりは簡略化しすぎでしょとか。
    「玉裳のすそに 潮満つらむか」をcouldやI wonder ifを使うとわざとらしいと言ってあえて「Can the tide - ?」と簡単な質問形式にしたとあり、著者の趣味のよう。著者がスタンフォード大教授ということでアメリカ英語だからこんなストレートなのかなあとか思った。言語ごとの独自の感性とか文化があり、それは代替不可能なのだという、文化人類学とか1984で学んだことを改めて感じさせてくれた。
    それはそれとして、英語でももっと婉曲で奥行きを感じさせる表現はもっと可能だと思う。その辺もっと勉強して語彙の幅を広げたい。万葉集自体もかなりはまりそう。
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    投稿日:2022.03.29

  • ちゃちゃまる

    ちゃちゃまる

    なんてお洒落な一冊。
    もちろん英語で書かれているからとかそんな陳腐な理由ではなく。
    万葉集そのものはもちろんのこと、リービ英雄が苦慮して翻訳した英文がなんとも洗練されていて優美なのだ。
    それに翻訳に際して寄せたリービ英雄の説明がこれまた小気味良い。
    日本語も英語も何度も声に出して噛みしめたい、そんな本に出会えました。
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    投稿日:2022.01.12

  • goya626

    goya626

    英語に訳された万葉集を音読してみる。リズムがある、思った以上に心地よい。ただ、どうも解説的にならざるを得ないところもあるようで、原文より長くなるのは仕方がないだろう。リービ英雄さんの翻訳する際の苦労を述べた解説が秀逸だ。その歌ばかりでなく、万葉集全体、日本語の歌というものまで、深い理解をしたうえで翻訳しているのが分かる。その解説から浮かび上がってくるのは、まずは直截的な比喩の力強さだ。畳みかけるような柿本人麻呂の比喩は圧倒的な迫力で迫ってくる。自然現象と心の動きを結び付けて不可視なものを可視にする比喩は、唯一無二の詩歌の武器ではないか。枕詞、地名の力も見逃せない。万葉集によって、日本中の自然に、大地に呪縛が掛けられたのだ。
    柿本人麻呂、大伴家持、山上憶良、それぞれの歌の個性が余りに違うことにも驚かされる。大伴旅人と大伴家持の万葉集の編集方針によるものだろうし、カバーしている期間も長いからだろう。
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    投稿日:2021.03.25

  •     _

    _

    万葉集にほれ込んで図書館にこもりながらひたすら訳を続けた著者。英訳してあーでもない、こうでもないと頭をひねり続けた様子から対訳の解説を読むと伝わってくる。

    投稿日:2014.10.23

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