映画化決定
友井羊(著)
/集英社文庫
作品情報
「きみのマンガ、映画化決定ね!」ナオトは同級生の天才女子高生監督・ハルから、突然そう告げられる。小学生の頃にナオトが描いた『春に君を想う』を撮らせてほしいと言うのだ。いまだにその作品を超えるマンガを描けていないナオトは、迷いながらも映画部に参加することになった。だが、ハルは大きな秘密を抱えているようで・・・・・・。創作への情熱と彼女のついた優しい“嘘”に涙が溢れ、胸が痛くなる。せつないほど眩しい傑作青春小説!
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商品情報
- シリーズ
- 映画化決定
- 著者
- 友井羊
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2023.07.21
- Reader Store発売日
- 2023.09.07
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 328ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (5件のレビュー)
-
自作のマンガの映画化を巡る青春小説
以下、公式のあらすじ
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エピローグを読み終えたならば必ず、冒頭の二ページを読み返してみてほしい。 (中略) せつなさが…胸の内に爆発することだろう。吉田大助氏 (解説より)
「きみのマンガ、映画化決定ね!」ナオトは同級生の天才女子高生監督・ハルから、突然そう告げられる。小学生の頃にナオトが描いた『春に君を想う』を撮らせてほしいと言うのだ。いまだにその作品を超えるマンガを描けていないナオトは、迷いながらも映画部に参加することに。だが、ハルは大きな秘密を抱えているようで……。創作への情熱と優しい〝?〟に涙が溢れる、せつないほど眩しい青春小説。
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「映画化決定ね!」
高二男子ナオトは、過去に描いたマンガ『春に君を想う』のネームを、
映研で監督を務めるハルに見られてしまう。
学生向けの賞を受賞している天才女子からのオファーに乗り切れないナオト、
しかしみずから映画制作にかかわるうちに、
なぜ過去に書いたこの作品が人の胸を打つのか、徐々に気付き始める。
果たして表現に大事なのは才能か、それとも理論か?
真正面から向かい合い、ぶつかり合うふたり。
一方、ハルは重い病をひた隠しにしているようだが…。
「スープ屋しずくの朝ごはん」シリーズが大ヒット中の著者による新境地、
切ない『映研』の青春を描く。
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原作ありの映像化のあれこれと、青春物語と、病気ものの合せ技
最近のマンガ原作のドラマ化を巡るゴタゴタのせいで、この手の話の映像制作側に対しては結構厳しい目で見てしまう
ハッピーエンドの結末を改変する監督
そしてその意図
正式な契約書を交わしていない以上、どんな事情であれ原作者なんだから撮影や許諾を止める権利を持っていていいと思うんだよね
著作者人格権は譲れないものなのだから
0から1を生む出す事をせずに、原作を搾取する行為は非難されて然るべきな風潮になってほしいものですね
ただまぁ、「納得は全てに優先する」というのも真理
この作中で描かれているように、映像化に際して他の人視点で物語の解釈違いや疑義によって、作者にフィードバックされて作品がスパイラルアップする事もあるわけだし
要は、誰の納得かというのが問題だろうか?
原作者なのか、制作側なのか、観客なのか
特定の人物に向けられて制作された作品
結果、広い対象層に受ける事はある
今作は正に特定の人物の思考を誘導するために作られた映像作品ですねぇ
まぁ、読者とししてもまんまと騙されるわけですけれども
引用やオマージュ、その他実際に作中で言及される実際の作品の数々
私は大ぴらに語れる程詳しいわけではないけれども
浅野いにおはメンタルが不調ではないときに読むのが吉
デビルマンは映画の評価がアレですけど、原作のマンガの方も永井豪だけあって結構エグい
海街diaryはいいよなー
映画に関してもまったく語れる程の知識はない
でも、ショーシャンクくらいは観た
作品名に言及されていないけど、病院から抜け出して病状が悪化して助けを求めるって展開は明らかにセカチューですなぁ
多分、私が気づいてないオマージュがもっと他にあるでしょうね
そう言えば、作中に登場するマンガはすべて映像化している作品なのかな?
冒頭の描写で、後の展開について読者の思考を操る手法はよくあるけど
それを踏まえても、最後まで読んでもう一回最初を読み返すとまた違う印象になる不思議
それにしても、青春度とミステリとヒューマンドラマの融合とその絶妙なバランスは、流石は友井羊さんですねぇ続きを読む投稿日:2024.03.07
映画製作にも漫画制作にも全く縁がないが、興味のある人には親しみが沸くのではないだろうか。
気持ちの発露として漫画を描いたナオトと、万人に喜んでもらいたいという野望を持って映画を作っているハルが、同じ高…校で出会い、ナオトがたまたまカバンに入れてきてしまった漫画をハルが見つけて衝撃を受け、映画化したいと強く思う。偶然が過ぎる気はするが、そこは小説の世界である。
原作者と脚本家とのやり合いあり、役者やスタッフとの軋轢ありと、さまざまな困難を乗り越えて撮影は終わる。
制作物とは、誤解を恐れずに言えば、嘘を真のように見せること。ハルは、それを体現したとも言えるのではないか。ラストの一幕があることで、ちょっぴりミステリ風味にもなっている。続きを読む投稿日:2023.10.17
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