精霊たちの迷宮 上
カルロス・ルイス・サフォン(著)
,木村裕美(翻訳)
/集英社文庫
作品情報
「忘れられた本の墓場」の四つの入り口、その最後のとびらがついに開いた――1959年、マドリード。捜査員のアリシアは、ある日突然失踪した大臣バルスの捜索依頼を受け、彼の私邸を訪れた。そこで引き出しに隠された一冊の本を発見する。『精霊たちの迷宮』――関わる者はみな不幸な運命を辿るというその本を手がかりに、アリシアは作家の過去に隠されたある悲劇と巨大な陰謀へと迫っていく。
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商品情報
- シリーズ
- 精霊たちの迷宮
- 著者
- カルロス・ルイス・サフォン, 木村裕美
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2022.08.19
- Reader Store発売日
- 2022.10.06
- ファイルサイズ
- 1.4MB
- ページ数
- 600ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 4.3 (4件のレビュー)
-
物語の余韻が現実を溶かす
「読書は目を開けて夢を見ているようなもの」と言われるが、本書も物語の余韻によって現実が溶かされる、吸い込まれるような名作だった。
光と影、喜劇と悲劇、裏切りと希望に叙情とロマンス。
謎と秘密、復讐…と陰謀が織りなすタペストリーは、インクと紙でできた総合芸術を味わっているよう。
舞台は陽光輝く不思議な国、亡霊の都であり、すべての人の運命を凍結してしまう魔法都市、バルセロナ。
四部作の最終巻である本作も至言と啓示に溢れ、書物に対する愛に満ちている。
扉の向こうには、地下に続く迷宮があり、何百万という本が眠っている。
「黙って埋め隠す思い出にかぎって、自分を追いつづけるものだ」
「真実っていうのはね、自分がなにか知ってると信じこんでるときに人が口にする戯言なんですよ」
「男たちの大半は、目に映ることと物を見ることを混同する」
「伝説というのは、普遍の真実を説明するために、ほどよく作られた嘘である。そして嘘と幻想が土壌を毒する場所にかぎって、伝説はよく育つ」
「答えはほとんどいつも過去にある。ひとりの人間の未来は、当人の過去のなかに一定不変に存在する。しかし過去に存在する答えを、人はいつも自分の現在や未来に探そうとする」
「運命は罪のない人間の背後から、できれば不意に襲いかかる趣味をもっている」
「人は信じられることを信じるんです。信じたいことじゃない」
「バルセロナは多くのことを大目に見ても、悪趣味だけは許さない」
「酒は思いだすために飲み、本は忘れるために書くんだ」
「政治は往々にして、凡庸で挫折したアーティストの避難場になる」
「ページをめくるにつれて、取り憑いていた不安がすこしずつ消えていく。すぐに時間の感覚をなくした。この本はいつも目のまえに言葉の森をひろげてくれる」
「まあ、嫉妬はスペインの国民的気晴らしですからね」
前半に出てきて忘れがたい登場人物は、フクロウ眼の門番、国立図書館長プレマス。
「こちらは何を展示しているのか」というアリシアの問いかけに、にべもなく一言「忍耐です」と。
それと、たまに「大胆不敵な無知に対する仰天も」と付け加えるところが見事。
やがてアリシアが単なる暇つぶしではなく、探求の徒であると見抜くと、大閲覧室への利用者証を授けながらこう忠告する。
「ここに来て、いい本を読むことです。わたしや誰かに“読め”と言われた本ではなく、自分の好きな本をですよ」続きを読む投稿日:2023.02.27
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「忘れられた本の墓場」シリーズ四部作完結編
バルセロナという街の持つ幻惑的な魅力と物語が錯綜して翻弄される。もう一度全部読み直すべきか?これはこれで楽しんでも良いか。美しい文章の余韻に浸りながら読む。…下巻へ。続きを読む投稿日:2024.01.25
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