MILITARY CLASSICS 2021年12月号
イカロス出版(著)
/MILITARY CLASSICS
作品情報
【巻頭特集】
牙を剥く不屈の貂と伏撃する剛角の犀
対戦車自走砲マーダーとナースホルン
ドイツ軍は1941年6月に「バルバロッサ」作戦を発動し、ソ連領内への進攻を開始したが、そこでT-34中戦車やKV重戦車という重装甲の戦車と遭遇。それらを正面から撃破できる7.5cmクラスの対戦車砲の自走化が検討されることになった。
そこでドイツ製の7.5cm対戦車砲PaK40や、ソ連から鹵獲したF22 76.2mm野砲を改造したPaK36(r)と各種車台を組み合わせた、小型の対戦車自走砲を数種類開発・生産。それら軽対戦車自走砲はマーダー(マルダーとも。イタチ科の肉食獣・貂(テン)の意)と命名され、1942年から実戦配備、東西の戦線で粘り強く戦った。フランス製車両のロレーヌ牽引車にPaK40を搭載したのがマーダーI、II号戦車の車台にPaK40やPaK36(r)を搭載したのがマーダーII、38(t)戦車の車台にPaK40やPaK36(r)を搭載したのがマーダーIIIと呼ばれる。
さらに自走榴弾砲フンメル用のIII/IV号自走砲車台に、超長砲身71口径8.8cm砲PaK43/1を搭載した最強の対戦車自走砲がホルニッセ(スズメバチの意)であり、1943年のクルスク戦車戦でデビュー。3,000mの遠距離からでもT-34の正面装甲を撃ち抜ける極めて強力な攻撃力を誇り、後にナースホルン(象に次ぐ巨獣である犀(サイ)の意)と改名された。
本特集では、貂のように小柄ながら7.5cm砲の牙で獰猛な戦いぶりを見せたマーダー各種と、犀の角のように長大な8.8cm砲で敵戦車を易々と貫いたナースホルンについて、開発経緯、メカニズム、各型式、部隊編制と戦術、戦闘記録などについて解説していく。
【第二特集】
虹の彼方を翔けた万能の「水上爆撃機」
水上偵察機「瑞雲」
日本海軍は戦前から二座水偵(複座の水上偵察機)に、偵察のみならず砲撃観測能力や空戦能力を付与していたが、愛知と中島が試作した十二試二座水偵(E12A/E12N)では、艦上爆撃機と同じ250kg爆弾を搭載して急降下爆撃を行える性能まで求められた。いずれも操縦・安定性が悪く不採用となったが、愛知航空機が担当したE12Aをベースに、安定性を確保するなどして再設計されたのが、九九式艦爆を超える高速を発揮し、250kg爆弾を用いて急降下爆撃が可能な、洗練されたフォルムの十四試二座水偵(E16A)であった。
E16Aは昭和18年(1943年)8月、水上偵察機「瑞雲」として制式採用されたが実戦化は遅れ、19年10月下旬から実戦投入される。当初は航空戦艦「伊勢」「日向」に搭載されて発進、敵艦に急降下爆撃を敢行する任務も想定されていた。しかし結局水上機基地のみからの運用となり、フィリピンや沖縄で米輸送船団への薄暮攻撃や米軍基地への夜間攻撃、魚雷艇狩りなどに従事し、ささやかながら確実な戦果を残している。
本特集では、浮舟の支柱に装備されたエアブレーキ、左右主翼の20mm機銃などユニークな装備を持つ、大戦末期の隠れた傑作機「瑞雲」を多角的に詳解していこう。
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商品情報
- シリーズ
- MILITARY CLASSICS
- 著者
- イカロス出版
- 出版社
- イカロス出版
- 掲載誌・レーベル
- MILITARY CLASSICS
- Reader Store発売日
- 2021.10.28
- ファイルサイズ
- 109.5MB
- シリーズ情報
- 既刊11巻
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