- 最終巻
室町無頼(下)(新潮文庫)
垣根涼介(著)
/新潮文庫
作品情報
唐崎の古老のもと、過酷な鍛錬を積んだ才蔵は、圧倒的な棒術で荒くれ者らを次々倒す兵法者になる。一方、民たちを束ね一揆を謀る兵衛は、敵対する立場となる幕府側の道賢に密約を持ちかける。かつて道賢を愛し、今は兵衛の情婦である遊女の芳王子は、二人の行く末を案じていた。そして、ついに蜂起の日はやってきた。時代を向こうに回した無頼たちの運命に胸が熱くなる、大胆不敵な歴史巨編。(解説・早島大祐)
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商品情報
- シリーズ
- 室町無頼(上)(新潮文庫)
- 著者
- 垣根涼介
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2019.02.01
- Reader Store発売日
- 2019.07.19
- ファイルサイズ
- 3.5MB
- シリーズ情報
- 全2巻
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この作品のレビュー
平均 4.0 (28件のレビュー)
-
(下)はもっと駆け抜けた!こんなに疾走感のある小説を読んだのは久しぶり…!
本題に入る前に訂正しておきたいのが、(上)のレビューで才蔵の修行について「ユニークだ」と書いたこと。(上)では彼の成長をワ…クワクしながら追っていたけど、冷静に考えれば半端なく命懸けである。
深手の傷を負えばまだ良い方で、身体が不自由になったり下手すれば落命することだって充分ありうる。自分ならまず生きて帰ってはこれないだろう。自分に置き換えるのもおかしな話だが…汗
そんな修羅のような特訓メニューを生き延びた彼の戦場での無双っぷりが、物語の疾走感を助長させていた!(それでいてあどけなさのギャップがまた凄まじい笑)
「だが、昔ながらの侍の世など、早晩に終わらせてやる。たとえその結果、一時この世が地獄になって構わない」
修行で棒術を会得して以降、才蔵は兵法者として洛中で名を馳せるようになる。
その間も百姓一揆の計画を進める兵衛と彼の動きを監視し続ける道賢。蜂起の時を前に張り詰めた洛中で、それぞれ進む道を見据えていく…。
「この男から戦国時代は始まった」
映画版の予告で流れた文言である。「この男」とは蓮田兵衛のことだが、実は兵衛や骨皮道賢、そして一部登場人物は実在しており、何と文献にも彼らの名前がちょくちょく登場するという。
つまり『室町無頼』は、史実に基づいたストーリーなのだ。
タイトルからは任侠もののような印象を受けるが、実際は兵衛が率いる百姓一揆が物語のバックボーンになっている。兵衛や才蔵をはじめ、日頃徴税や借金に苦しむ百姓や主家・俸禄を失った牢人・法外な関銭を徴収されている車借や馬借が一揆の構成メンバーである。
「室町幕府とは武家が在京して多くの職務をこなしていた政権で、そこから発生する負担は京都近郊の住人たちを家臣化して対処させていた」と解説には記されている。(これまた初耳!) そのようにして出自や階層の異なる人々の「つながり」が多用されていた時代に、兵衛もまたそれを重要視していた。
兵衛と人々の「つながり」が生んだ意思を守り通していった結果、戦国時代は始まったのだ。
「どのみちこの世は苦界だ。生きること自体が泥水を啜るような屈辱と、怒りと、苦しみの連続なのだ」
人々の生き方が縦横無尽に広がり始めていた時代に、才蔵もまた自分の居場所を見つける。それもまた感慨深かったが、法妙坊暁信(ほうみょうぼうぎょうしん)のケースが一番そうだったかもしれない。
(上)では才蔵の憎き雇い主であったが、彼もまた幕府や自らの運命に憤慨していた。一揆の混乱に乗じて手にしたものではあるが、あれは彼にとって真に輝ける居場所だったのではないかと自分は見ている。
時代がくだり応仁の乱を迎えても、暁信は命懸けでそこを守っているのだろうか。その時には、彼にも共に居場所を守ってくれるような「つながり」が出来ているといいな。続きを読む投稿日:2024.03.17
過酷な修行を経て六尺棒の使い手となった才蔵は腕試しを通じて人を見る目、器量を上げる。
一方で蓮田は蜂起を計画し身内の武士だけが優遇される室町の体制に一石投じようとする。
道賢、兵衛、才蔵とその仲間達の…行く末は、、、続きを読む投稿日:2024.03.30
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