相手のキャラを見きわめて 15秒で伝える!―――最小の手間で、最高の結果を出す方法
羽田徹(著)
/ダイヤモンド社
この作品のレビュー
平均 3.0 (1件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
===読んだ動機===
レビューの続きを読む
書籍執筆の参考にしようと思った。人間タイプ別で分けられている類は、厳密な分類としてではなくて、分け方の参考になるので興味があった。
===どの部分を・どのように・どれくらいの時間で読んだか===
・全部
・電車通勤時やベッドでコロコロしながら20分ずつ位、2週間の中のまばらな何日かで。
・合計2h位(最後の方の事例が少し長くて時間を取られる)。メモには1.5h。
===感想==
いい点:
・P48にも書かれているように1項目が3分以内で読めるようになっており、読む際の負荷が少ない。
・本人の経験や名言や根拠事例が盛り込まれている(=単なる焼き直しで終わっていない)。
・一通りタイプ別手法として分類が明記されているため、普段の暗黙知を言語化してくれている感じでよい。
悪い点:
・言葉の扱いが少し雑な印象(上記で※つけた)。
・ほとんど営業の例で、他の業種の例もあるが後者は浅い(最初に営業の例ですと書いてくれたら心構えをできて問題なかった。本人が研究など専門職をしたことがなくて分からないだろうから仕方ないのけど、なら書かなくていいかと思った(私、研究職)。P99自分優先タイプの例で、世間知らずで自己中な人が専門職種に多いという内容が書かれているのは失礼)。
===メモ(定義、重要なこと、気になったこと)===
P2 人が集中して聞いていられるのは3分。伝えることに限っては15秒(TVCMの時間)が最適。文字数では70-80秒。
P6 自分が伝えたいメッセージよりも、相手が聴きたいメッセージが重要。
P21,23 話す順番。
1.結論( or 意見)
2.聞き手への要求事項
┣1.聞き手が要求に応えるメリットの伝達
( or 要求時点で聞き手をいい気分にする(承認欲求を満たすとか))
┗2.お願い
P36 質問の意図を汲む(質問者が本当に聞きたい内容を提供する。値段聞かれて値段だけ応えるのはアホ ※筆者はアホとは言っていない)。
P38 言葉の機微に注意して深堀りする。「工程"は"順調」
P42 人が物を買うのは「自分のための商品だ」と思ったとき(自分のための商品だと思う基準は人による)。
P46 相手の課題を解決する or 欲求を満たすようにメッセージを伝えると、誰だって主体的に動きたくなる。
P48 プレゼンでは3分/メッセージに収める
P54 説得ではなく、納得を引き出す(※意見は納得だけど、この言葉遣いには私は納得していない。押し付けるのではなくて導くというような意味で書かれている。)
P56 相手の頭に無かった視点を与えて、相手の選択基準の優先度を変える(今の予算は高いけど、将来売却も考えると価値が落ちないこっちがオススメなど)
P60 相手の納得を引き出すためには、相手の情報が必要。相手が心地よくなる状態は相手が6割以上話している状態。10分は聞き役に徹する(3000文字分)。
P64~売る場合のタイプ別提案の仕方
・ガツガツタイプ(※主導権を握りたいタイプ):誘導はしても最後は本人に決めさせる
・やわらかタイプ(※協調性大事な他人優先タイプ):(自分で決められないので)オススメする
・ロジカルタイプ(※事実データを重んじるタイプ):数値や現状ベースでオススメする/好奇心をそそるような情報を提供する/詳しいねなど自尊心をくすぐる
・オモシロタイプ(※他の人と異なることが好きなタイプ):限定/希少価値を訴求する
・バランスタイプ(※突出よりリスク減やバランスが優先なタイプ):この商品を購入される上で一番の懸念はなんですか?と聞いてその情報を元にすすめる。バランスのよいのをすすめる。
P81 相手が動くポイントは共感と意義
P82 制約やできないことではなく、できることに目を向ける
P87 未来や大きな目標を合わせて伝えてみる
・なぜその仕事が必要か?
・なぜこれをやるべきなのか?
・なぜこの商品サービスを提供しているのか?
・なぜあなたに動いてほしいのか?
・何をしてほしいではなく、なぜしてほしいのか?
P93~ 部下のタイプ別動かし方(※動かすという言い方には私は違和感があるが)
・現実逃避タイプ(現実から逃げている人)(※大きな夢に対して今の仕事に結びつきを感じられなくてやらないタイプ):コツコツ取り組むことでの信頼獲得の重要性を伝える
・自分優先タイプ(世間を知らない人)(※この組織では自分のやりたいことをできないと思ってやらないタイプ):この組織だから周囲と協力して自分のやりたいことができると思わせる(※私はこの論には異議がある。今組織はどんな状態か、その部下はどんなリソースを持っているか、何が障壁になっているのか、どうすればできるのか、徹底的に考えさせるべきだと思う)
・自虐自滅タイプ(※自分に自信がないタイプ):できていることを褒めてあげる、周囲と一緒に解決する必要性を伝える
・重圧恐怖タイプ(※プレッシャーに弱いタイプ):本人のパフォーマンスに集中させる
(自分の力を認め、実力以上のことは不可能であると理解させる)
さんまさんの名言「俺は絶対に落ち込まないのよ。落ち込む人っていうのは自分のことを過大評価しすぎやねん。課題評価しているからうまくいかなくて落ち込むのよ。人間なんて、今日できたこと、やったことがすべてやねん」
P131 相手へのコメントは印象の逆を突くと個ことが開く
ex明るい印象の相手に、実はひとりで悩むこともあるんじゃない?
P133 アメリカの調査会社ギャラップの調査によると、人は働きを認められ、褒められると生産性が向上し、勤労意欲、忠誠心は増し、帰属意識が高まり、会社への定着率が上がる。
P134ギャラップの別の調査では、従業員とのエンゲージメント調査において日本は熱意溢れる社員が6%しかおらず、アメリカの32%と比較して極端に少ない。また調査した139か国中132位ときわめて低い。
これにはFBに対して、アメリカには言語的に褒める言葉がたくさんあるのですが、日本には褒める言葉が言語的に少なく、褒めない文化であることが影響している。
P135 ほめ方(※実質、ダメなところを指摘するときに、反発を食らわない手段として褒める方法)
・自分に自信があるタイプ:業績を褒めたあとで、もっとよくなるためには…という風に伝える(今月の数字達成はすばらしいね、今月だけで終わらないように、…顧客開拓もできれば安定したトップ営業になれるぞ。)
・自分に自信がないタイプ:成功体験を積ませる。そのために小さく一点集中できる課題を与えて、できたところを褒める(~はできなかったけど、これはできたね)。
人は自信がつくだけで本当の自分の力を発揮する。あきらめるのではなく、可能性を見出してあげる。
・自我が強いタイプ:君は~できる人なんだから、ここをこうするともっとよくなるよ。
・他人を大事にするタイプ:やってほしいことが組織、人のためになることを伝える(あなたは~ができるから、”チームのために”~してほしい)。
・やる気がないタイプ:最悪の状況を想像させて危機感を抱かせる+最高の状況も見せてあげる(⇒ギャップが大きいと動く)投稿日:2020.04.05
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