ガンダムと日本人
多根清史(著)
/文春新書
作品情報
われわれは何故このロボットの虜になったのか?
“夢”を次々と“現実”へと変えていった小さな国が30年前に見た、今なお手の届かないとてつもない空想にして万感の思いが込められた産物。戦後日本の歩みが『機動戦士ガンダム』という一点に収束した過程を追っていくことで、この国の過去と未来への扉を開く。
目次
第1章 ジオン公国と大東亜共栄圏
第2章 「ザク=零戦」「ガンダム=戦艦大和」か?
第3章 スペースコロニーと宇宙への夢
第4章 二人のシャア――富野由悠季と小沢一郎
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- ガンダムと日本人
- 著者
- 多根清史
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2010.11.18
- Reader Store発売日
- 2018.01.26
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 240ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 2.7 (23件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
この本はガンダムシリーズを論じている物でも、キャラクターとしてのガンダムを論じている物でもない。機動戦士ガンダムというひとつの作品と、それに関わった富野由悠季という人物を掘り下げているものである。
レビューの続きを読む
第二次世界大戦から高度経済成長期にいたるまでの社会情勢がどのような変遷へて、この作品に対して影響を与えたのかを全体の6割にもわたって書かれてある。
この「世界観はどのようにして生まれるのか、そして生まれたのか」をアニメ関連の書籍で書かれることはかなり少ない。大概はそういった歴史的背景や文化的背景など除外され、出てくるロボットのディティールや美少女、美少年に対する言及であったりする。
私は常々キャラクターグッズを中心とした偶像崇拝的な今の商業主義に関しては大いに論じるべきではないかと考えている。某社がだしたガンダム携帯などはまさにそういった本当のファンがどのような意匠を求めているかを完全に無視している。たしかに、そういったガンダムをシンボルとして捉えた意匠に対して愛を感じる層が沢山いるということはよく理解しているが、あの意匠に対して24時間365日肌身離さず、毎月7000円近くも24ヶ月間払い続けるのだろうかと考えると甚だ疑問である。
それならば、富野由悠季その人にもしファーストの世界観にケータイがあったらどのような意匠にしたのか、どのような機能を持たせ、どのように使わせたのかというガンダム的文化背景をフィードバックすべきなのではなかったのだろうか?
このように、通常とは違った論点と語り口で述べられているため、非常に楽しく読むことができた。また、他の書評でもあるようにシャア・アズナブル=小沢一郎、富野由悠季という所は非常に面白い。もちろん、シャア=富野については常々、某国内大手掲示板でも論じられていることなのでこれに関してはごもっともなのだが、小沢を比較対象に出しつつ、彼の育った家庭的、政治的背景まで提示しているあたりにガンダムとは何だったのかを今一度整理させてくれる要素がある。
題名であるガンダムと日本人の発端となっているのは間違いなく18mを再現してみせたお台場ガンダム(現在は東静岡ガンダム)であるが、これは商業主義であるバンダイが富野という人へ歩み寄ったから成し得た奇跡でもあった。目論見は150万人で合ったのに対して450万人が来場し、日本人だけでなく海外からもたくさんの人が訪れたというこの事象に関していえば、偏に妥協を許さなかった富野由悠季氏とそれに耐えたスタッフの忍耐ではなかったのだろうか。21世紀の大仏となったガンダムだが、1000年間生き延びることができるか、それはまだわからない。
第二次世界大戦から米ソ冷戦を経由し、様々な困難を乗り越えた日本だからこそ生まれたガンダムはこれからも続いてくのだろう。ガンダムという作品は細分化された富野由悠季であるが、それにいたるまでには全共闘時代も影響はあるし、宇宙開発も大いに関係し、SF作品の影響もある。もちろん、鉄腕アトムも貧乏サンライズも商業主義のクローバーもザンボット3もダイターンも、彼を取り巻いてい影響を与えたすべての事柄がこのガンダムへと続いているのだ。
そういう背景が常にあり続けたということをリスペクトしてこそ、ファンと言えるのではないだろうか。
この本はそういったファンのあり方を改めて提言しているような気がする。
少なくとも私にはそう思えた。投稿日:2011.01.11
【由来】
・図書館でたまたま
【期待したもの】
・
※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約…】
・
【ノート】
・
【目次】
続きを読む投稿日:2018.10.28
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。