警視庁監察係(小学館新書)
今井良(著)
/小学館新書
作品情報
警察官に最も怖れられる組織の実態に迫る!
警察庁のまとめによると、2016年の1年間に不祥事で懲戒処分を受けた警察官は266人に上る。そのうち、逮捕者は81人。前年より9人増えている。内訳は不倫、盗撮、強制わいせつ、セクハラ、パワハラ、窃盗、詐欺、横領、飲酒運転・・・・・・法を遵守するはずの警察官による不祥事。メディアに報じられることなく、警察を追われた者はもっと多いのが実態だ。不祥事の芽を摘むため、情報収集しては内偵し、処分するのが監察係の仕事だ。そして、一旦目を付けられたら、絶対に逃げることはできない。「監察に睨まれたら、それは警察官としての死を意味する」とは、現役の警視庁刑事の言葉だ。
出世の道が閉ざされるのは、当たり前。自宅から片道3時間かかる所轄への異動などで依願退職に追い込むこともある。所轄署の署長候補となったら、1年間は監察係が徹底的に素行調査を行い、怪しい交友関係などがわかった場合には、なかったものとされる。また、署長に昇進しても敵対勢力からの接触を防ぐために、やはり監視は続くのだ。
警視庁担当記者が実際に取材した、すべて実話の完全ドキュメント。テレビドラマではわからない監察係の修羅は凄まじい。
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商品情報
- シリーズ
- 警視庁監察係(小学館新書)
- 著者
- 今井良
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 小学館
- 掲載誌・レーベル
- 小学館新書
- 書籍発売日
- 2017.12.01
- Reader Store発売日
- 2017.12.06
- ファイルサイズ
- 1.3MB
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この作品のレビュー
平均 3.6 (5件のレビュー)
-
警察官からもっとも嫌われる警察官。それは警務部人事一課監察係に所属する警察官たちである。不祥事を犯した職員に気付かれないよう、密かにそして速やかに証拠となる事実関係を裏付けていき、対象者の処分を行い、…組織の綱紀粛正を図る。それも、できるだけマスコミの目に触れないように。つまり、組織防衛が最大の任務なのだ。監察に目を付けられたら最後、出世の道を閉ざされるどころか、警察を追われる羽目となる。メディアの取材にも応じない監察係の姿を生々しくリポートする。(2017年刊)
・はじめに
・第1章 警察の警察
・第2章 強力な監視ネットワーク
・第3章 止まらない密告
・第4章 風紀を死守する
・第5章 癒着に切り込む
・第6章 情報漏洩・流出との戦い
・第7章 組織再生のための存在
・おわりに
全体的に踏み込みが甘い。「そもそも監察官たちは、我々新聞記者たちの前に姿を現すことはほとんどない。」「監察官らに夜討ち朝駆けを試みるが、ガードが固くつれない対応をされるにがオチだ」というので、取材に限界はあるのだろう。もどかしさは感じたが、本書で取り上げられている警察の不祥事案は、いずれも記憶に新しいものであり、業界ものとしては、興味深く読むことが出来た。
ノンキャリア警察官のエリートは「一発・一発組」と呼ばれ、スピード出世を果たすというが、個人的には、この点をもう少し掘り下げて欲しい気がした。続きを読む投稿日:2018.01.04
警視庁の中の警視庁、観察係について綴った一冊。
警視庁内での数々の事件はともかく、警視庁内の不祥事を監督してる部署であるということがよくわかった。投稿日:2020.11.07
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