LOVE ASH
桜井亜美(著)
/幻冬舎文庫
この作品のレビュー
平均 3.5 (8件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
今回の話は、ずっと部屋に引きこもりのようになっていた「風尋響」が、コンピュータ上で今もなお生き続けているという「神流ヒカル」に導かれて、自分の存在をすべて消して、彼の一部になるように誘いを受ける話。
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うん、なんていうか。
ここで、ネット社会の全ての痕跡を消し去るとか。(戸籍とかいろいろ)
コンピュータ状の人間が、会話をする……とか。
そんなこと本当にできるの? とか、考えてしまってはいけないんだよね。
ていうか、それが「できる」って思うから、中二病なんだろうな……と。
少し、大人になってしまった僕は思う訳です。
うん、だから僕はきっと高二病くらいなのかな?(何それ)
なんだろう、それが「すぐにできる」とは、もう信じられなくなってしまったけれど。
「できたらいいなぁ……」くらいに、信じ続けたい……という、大人と子供の間の微妙なところなんですよね。
でもそれを、「できない」って笑い飛ばすような大人にはなりたくないので。
僕はきっと永遠に大人になれることはないんだろうな……と(違)
あぁ、そんな話じゃなかったな……
本の感想、感想。
で、まぁ、最近、読みながらそんなことを考えてるんだけど。
この本が面白いのは、中二病な時だけなんだろうな。
結局この風尋君は、勝手に父親に死んだことにされて。
社会的ないろいろな身分証明書とかも全て使えなくなって、社会からどんどん抹殺されて行くんだけど。
それで「恐い」って感じるのは中二病で。
「でも、それって……」って冷静に他に出来ることはないかって探しちゃうのが中二病じゃない大人なんだと思う。
だから何ってことは全然ないんだけど。
きっと、僕はこの人の話をもうちょっとだけ、読んだらきっと。
面白いと感じられなくなってしまうんだと思う。これは予感。
人は、成長して行く生き物だから。
同じところに留まってはいられないのだ、と。
いつもそれを感じる度にそれを悲しく思う。
だって僕は、そのときその時の一生懸命な自分が大好きなんだ。自己愛(苦笑)。
そういうわけで、今回はまだ面白かったです。
でも、そろそろ本の魔法が解けそうなのが、ちょっと寂しい(´・ω・`)ションボリ
それと、この話の最後なんですが。
とても抽象的な表現で、最後が終わってるから。
個人的には、何度も何度もこの話は読んでて、てっきり響は死んだんだと思い込んでいたんだけど。
今日、読み直してみて、もしかしたら違うのかも知れない……と、思い始めました。(基本、思考がネガティヴ)
でもこれをどっちが正解とか、求めちゃいけない種類の本ですよね。これは。投稿日:2011.12.17
幼い頃に両親に捨てられた風尋響は、ネットで知りあった人妻のミルクと何度もセックスをしています。二人のあいだには金のつながりしかないと割りきっていた響は、ある日行為のあとでミルクに名前を呼びかけられたと…きに、自分の心が動くのを感じます。関係が深まることを怖れた響は、ミルクに別れを告げるも、ミルクは彼のことが忘れられないと語りますが、それはかつての恋人だった水城マシュリとおなじことばであり、彼女たちは響のうちに癒しの力を求めていました。
マシュリは、天才プログラマである神流ヒカルのもとで、「神流ヒカル」というネット・パーソナリティの一部として生きる道をえらんでいました。しかし、「神流ヒカル」を維持しつづけるためには、人びとを受容する響の能力が必要でした。彼らは響にも、「神流ヒカル」として生きることを選択するように迫りますが、そこへミルクからの「会いたい」という声が届けられ、彼は現実の世界へと戻ることを選択します。
しかし、響の存在を示す情報はすべて「神流ヒカル」によって消去されており、行き場をなくした彼は、ミルクの気持ちをも信じることができず、「神流ヒカル」のもとへと帰っていきます。そこで彼は、自分が求めていた人とのつながりは、すべての人びとを受容する自分のうちにではなく、「他者」であるミルクのうちにあったことをはっきりと悟り、雨の中でミルクの訪れを待ちつづけます。
やや「泣きゲー」のような感もあるラスト・シーンの余韻は悪くありません。アニメ化されたら人気を呼びそうな気がします。続きを読む投稿日:2018.09.11
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