紫式部の欲望
酒井順子(著)
/集英社文庫
作品情報
日本で最も古く、最も有名な恋愛長編小説、『源氏物語』。30歳を過ぎて原文で読み始めた著者は、ある時、思う。「これは、作者である紫式部が、秘めた『欲望』を吐き出すために書いた物語なのでは」と。「秘密をばらしたい」「ブスを笑いたい」「専業主婦になりたい」などなど、20の「欲望」から読み解く、まったく新しい『源氏物語』解説書。古典がぐっと身近になる、笑いとうなずきに満ちたエッセイ集。
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商品情報
- シリーズ
- 紫式部の欲望
- 著者
- 酒井順子
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2014.04.01
- Reader Store発売日
- 2014.07.11
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (23件のレビュー)
-
「読む」ということの中にも欲望は表れる
酒井順子は『負け犬の遠吠え』という本で有名になった人である。
どんなに美人で仕事ができても、30代で未婚・子なしの女は負け犬、という、あの話である。
著者自身が「負け犬」そのものであるので、自信の裏返…しのような自虐、
そのベースとなる鋭い観察力と表現力を持った人だな、と感心した覚えあり。
そんな酒井順子が平安時代の才女・紫式部にざっくり斬り込んだのが本書。
からっとした気質の清少納言はエッセイという手段で自分を表現した。
が、じめじめした気質の紫式部は、フィクションというフィルターを通して
自分の欲望を表現した。では、その欲望とは?というのが内容。
「ブスを笑いたい」「頭がいいと思われたい」「専業主婦になりたい」
「秘密をばらしたい」「モテ男を不幸にしたい」
などなど、現代人も心の奥底にどこか持っているような見出しが目次に並ぶ。
確かに。源氏物語の登場人物は結構意地が悪いし、
物語の構成自体も意地が悪い。
が、それはとても慎重で上品(故に余計にたちが悪いかも)ないじめである。
著者はこう言う。
光があれば、必ずできるのが、影。
紫式部は、その影を描くのが上手な人でありました。
しかし、それと気付かれぬように対象をいじめるというのは、
さすが都人と言うしかない。
明らかに本人を傷つけながらいじめ行為に精を出す今の人々を見たら、
紫式部はきっと、「田舎者ね」と笑うことでしょう。
えーっと、そうなんでしょうけど、紫式部による巧妙ないじめに気付くことも、
その意地悪さを使って皮肉を言うところも、
酒井さんが意地悪じゃないか、と思う(←褒め言葉)
何度も何度も「出家する」と言いつつ、結局しなかった源氏。
酒井さんにかかると
「俺、会社を辞めようと思うんだよね・・・」
としょっちゅう口にしながらも絶対に辞めない人みたい、となる(笑)
そして、周りの女性は潔く出家していく。
源氏だけ何かかっこ悪い(苦笑)
源氏を「取り残される男」にすることこそ、源氏に対する紫式部の最大の復讐である、
と考える酒井さん。なるほど-!ざまあみろってやつですね(笑)
読んでいて思ったのが、「紫式部の欲望」であり、「酒井順子の欲望」だな、と。
人間、ものを書くときも自分の欲望が現れるが、
その読み方にもやはり欲望が現れる。
小説の人物に共感したりざまあみろ、と思うこと自体が、欲望の表出なのだろう。
物語というのは、書き手の思った通りには読まれないもの。
100人の読み手がいれば100の物語ができる。
私は、源氏物語が好きなので、他の人がどんな風に読んでいるのかを知ること自体、楽しい。
酒井順子が好きな人にはもちろんだが、
自分とは違った源氏の読み方を求めている人にもおすすめする。続きを読む投稿日:2014.12.19
-
新しい視点で源氏物語を解釈した本
面白いけれど、三浦しをんさんの解説ありき、かなぁと思った。そこまで読んで、飲み込めた感じがするので…
感性の違いと言えばそれまでだが、そうかなぁ?という点も多かっ…たし、逆に男性の視点だとどうなの?と考えたりした。続きを読む投稿日:2023.02.11
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