フレームワークを使いこなすための50問
牧田幸裕(著)
/東洋経済新報社
この作品のレビュー
平均 4.2 (34件のレビュー)
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(再読)
4~5年ぶりに読み返したが、とても良本ということに気づいた本
当時は正しいフレームワークの使い方の本という認識であったが、問題を解くための問いを正しく設定する為の本であり、またその際に陥り…がちな罠を回避する為の本であった
(現状分析とは)
・収集された情報の意味合いを考え、情報から導き出す視点・示唆を炙り出し、アクションにつなげていく
・市場(5Fs:ステークホルダーの変化は自社のビジネスのどのような影響を与えるか?儲かるか?、PEST:業界にどのような変化が生じるか?、顧客構造:顧客のニーズ変化は?)→競合(VC)→自社(VC)の順番で分析することで、外部環境の変化要素を検討した上で、自社の対応を考える
【市場】
– 市場はどう変化しているのか
– かつての成功要因は機能しなくなっているのではないか?
– 今後の成功要因は何か
【競合】
– 市場の変化の競合はどのように対応しているのか
– その対応に必要な経営資源はどのようなものか
【自社】
– 市場の変化に対して自社はどのように対応すべきか
– 競合企業の対応で参考になる対応は何か
– その対応に必要な経営資源は何か
(常に問うべき問い)
・何が問題か?
・何が成功の肝か?
・自分の軸(視点)は?
(その他)
・BCG-PPMの縦軸は市場成長性=市場魅力度=競争の激しさ=投資の必要性、横軸じゃ相対マーケットシェア=生産コスト=利益の出しやすさ=投資の資源の得易さ続きを読む投稿日:2019.12.16
あくまで「フレームワーク」に関連した内容。
「使いこなすためにどうするか」という「問い」の形式で進んでいるが、今一つ共感が持てない部分が多かった。
(50問中で興味ある内容もあったが、正直少数だった)…
事業分析、経営戦略は単純にフレームワークに沿って作成すればそれでOKということは決してない。
フレームワークはあくまで一つの形式であって、それをどうやって使いこなすのかが大事だ。
どういう経験を持った人が、どういう視点で効果的に使うかで、フレームワークの意味は大きく違ってくる。
もしそれが経営戦略を策定するツールだとすれば、果たしてそのツールは誰が持つべきなのか。
使いこなせない人がそのツールを使っても全く意味がないのだ。
ただの机上の空論だ。
もし仮に、その内容が素晴らしいものだとしても、フレームワークが上手く行かない要因。
それは企画立案者と現場実行者が異なるために、大きく温度差があるということだ。
現場は企画者に、企画者は現場に対し双方で「分かってない」と言い合う。
上が考えたことを、現場に押し付けるから、そもそも協力しようとも思わない。
これでは当然にどんなフレームワークがあろうと上手くいくはずがない。
本書ではもちろんこれらのことが指摘されているが、「じゃあどうする」に対して、いきなり根性論(感情論)的な解決策が示される。
「そんなものは熱意を持って説得すべし」
そんなことを言ったところで、簡単に解決できる訳がない。
その点が本書の残念なところなのである。
経営戦略の本は数多ある。MBA取得者だって、日本には何人もいる。
しかし経営が上手く行っていると言える企業は数少ないと感じる。
やはりもっと突っ込んで議論をしなければいけない点だ。
なぜ我々は勝てないのか?この問いに真摯に向き合うしかない。
(2021/6/6)続きを読む投稿日:2021.06.13
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