この作品のレビュー
平均 4.1 (9件のレビュー)
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アメリカが嫌いなんだなというのが、よく伝わった。EUの上院が本当に機能すれば、世界の主役は戻ってくるであろう。本書で触れられているように加盟国それぞれに拒否権があること、ドイツ以外は経済システムが破た…んしていること。本書出版以降にギリシャやスペインの経済が破たんしたこと。等を鑑みると、大分、幻想的なシステムだと感じた。ましてやアメリカ合理主義との差別化を強引に図っているような、抽象的な倫理観を重視するシステムでは、まず機能することはないであろう。衰退の一方たどるEU各国の中でドイツだけが日本人とも似た気質で発展を続けていることに感銘を受けた。世界大戦でベッコベッコにされた国が世界で発展を続ける。国の情勢の変動幅が大きいほうが、その反動で大きく飛躍するのであろうか。
それとも、各国の国民性のポテンシャルなのか。システムうんぬんよりも、それぞれの文化にマッチしたシステムに巡り合えた国が発展するのではなかろうか。アメリカが世界一なのは合理主義を採用したからではなく、合理的なシステムが国民性にマッチしているからなのではなかろうか。
どっちにしても、もっとヨーロッパの歴史や文化を学びたいと強く思った。続きを読む投稿日:2013.09.11
◆資本主義は一種類だけではない。歴史・地理・環境その他、その国固有の事情に伴い変容している。その当たり前の事実に依拠し、本書は欧州的な資本主義の特徴を米国と比較しつつ検討する。日本が真に学ぶべきは米で…なく欧?◆
2002年刊行。
著者は野村総合研究所主席エコノミスト。
シンクタンクに所属し、米ワシントン・欧州を主フィールドに、調査研究をしてきた著者が、米・欧間の「資本主義」概念の違い、それが生まれた背景を踏まえ、資本主義の多様性、欧州の長所を米と比較しながら開陳し、米的資本主義一辺倒になりがちな日本の資本主義の方向性に竿を差そうとする書。
資本主義というものは一つの概念に包摂されて、どこの国のそれも違いはないと感じる向きもあるかもしれない。
しかし、ジャパンバッシングではないが、日本異質論が展開されるところを見ると、資本主義といっても国毎に差があるということは正面から承認してもよいはずだ。ある意味、国毎で歴史は違い、資本主義の発生や導入経緯にも差異がある。そして資本主義が生まれてからも、人口や地勢、保有資源の差、さらには科学技術の進展の違いや、海外市場との離隔や国内市場の大きさなど異なる歴史を歩んだ様々な要因に違いがあり、それは単に日欧の差というのではなく、欧米各国間にも違いがあると言えるだろう。
この観点で、印象的なのは、米国の母体であり、米的資本主義に最も親近性のある旧強国イギリスが、現代的米国資本主義の導入・実施に対する逡巡が見受けられる点。
そもそも国力が強くないと米的資本主義は受忍し得ないとの感想も生まれるところだ。
また、独仏の差異も考えさせられる。
とはいえ、欧州統合の理念と実務。これを主導したフランス政治家ジャン・モネ、欧州共同体(EC)から通貨統合・欧州連合への道筋をつけたEC委員長ジャック・ドロールの軌跡を検討しているのは、本書の買いであろうか。
総じて、ミレニアム前後の、子ブッシュ政権下の米国の独善的行動に対する、EUへの期待感が高揚した時期の著作であり、それゆえ、その後のギリシャ危機・南欧危機、これに伴うユーロ危機は等閑視される。まぁ難民流入に伴う右派台頭の危険性は本書でも指摘されているが…。
そもそも資本主義といっても多様性があり、現代日本においては、意外にドイツとドイツ企業体制を学ぶべきではとの読後感が残る。それは、製造業の国内生産における影響力、職人に対する日本的心性との共通項、株主以外のステークホルダーへの関心と利害尊重の必要性などに依る。
故に、経済学の先生方も、アメリカ一辺倒ではなく、ヨーロッパへ留学する人たちが増えればいいのになぁ、と思うのは私だけか。続きを読む投稿日:2018.05.05
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