小林秀雄の悲哀
橋爪大三郎(著)
/講談社選書メチエ
作品情報
「もう、終いにする」。戦後の知識世界に輝くビッグネーム・小林秀雄が、晩年、10年にわたって取り組んだ『本居宣長』は、執筆に難渋し、結論に達しないまま意外な一言で終わってしまった。日本が誇る知性は、なぜ最後の仕事で挫折したのか。彼がこの書物にかけた思い、そして小林がたどり着きたかった「ゴール」はどこにあったのか。小林の批評ぶりを多角的に検証しながら、批評とは何か、その原理について考える。
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商品情報
- シリーズ
- 小林秀雄の悲哀
- 著者
- 橋爪大三郎
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社選書メチエ
- 書籍発売日
- 2019.02.09
- Reader Store発売日
- 2019.02.08
- ファイルサイズ
- 5.4MB
- ページ数
- 480ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (3件のレビュー)
-
小林秀雄の晩年の代表作である『本居宣長』を読み解き、さらに宣長の『古事記伝』がじっさいにはなにを問題としていたのかを明らかにすることで、小林がなにをめざしたのかということを考察し、さらにその限界を指摘…しています。
前半は、小林の『本居宣長』から数多くの引用をおこない、小林自身に語らせるというスタイルをとっています。もちろん思想史的事実についての解説はくわえられているのですが、著者自身が小林の議論のスタイルに大きな不満をもっており、小林の問題意識を内側からとらえることを避けているために、このような議論のしかたがえらばれたのではないかという気がします。
後半は、宣長の『古事記伝』についての解説にあてられていますが、ところどころで著者自身の「言語派社会学」の立場に引き寄せるようなしかたで説明がなされています。そこで著者は、宣長が『古事記』のテクストから「漢心」を引き算することで「古言」にせまるという実証的な方法論にもとづいて『古事記』の思想を読み解いていると論じるとともに、こうした方法論が宣長におけ合理主義とナショナリズムの同居を可能にしていると主張します。
ただ、著者の宣長解釈からみちびかれるべき結論は、宣長の「古言」がまさしく上述のような方法論によって「つくられた」ものであるということでしかないように思われます。これは、たとえば子安宣邦の宣長批判とかさなるような論点のはずなのですが、この点について著者は立ち入った議論を展開しておらず、すこし不満をおぼえました。続きを読む投稿日:2019.10.18
『本居宣長』という書物
外堀を埋める 『本居宣長』を読む・その1:
宣長の遺言書
犬を連れた散歩
宣長という人間
契沖
中江藤樹
伊藤仁斎
荻生祖棟
朱子学と古学
源氏物語のほうへ 『本居宣長』を…読む・その2:
源氏と宣長
宣長の源氏論
賀茂真淵
『古事記伝』のほうへ
『古事記伝』を読む 『本居宣長』を読む・その3:
『古事記』の序
稗田阿礼
新井白石
まがのひれ論争
言霊の言語共同体
歌の道
カミとは
「日の神論争」
古道をたすねる
古言のこころ
もう、終りにしたい
なぜ挫折したのか
古代素朴暦を考える
『古事記伝』という仕事:
漢字と音価
万葉仮名
「漢意」を離れる
訓みをどう確定する
〈原日本社会〉の像が結ぶ
道がないのが、道である
古学という方法
形而上学的な空白
文字の移転とナショナリティ
宣長のふたつの貌
カミガミの『古事記』
正典としての『古事記』
特殊性と普遍性
大東亜戦争の起源
なぜ歌を詠み続けるのか
なぜ墳墓と桜なのか
小林秀雄の悲哀:
『古事記伝』の衝撃
なぜ小林は、『本居宣長』を書いたのか
ホップズと本居宣長
なぜ小林は、『本居宣長』で挫折したのか続きを読む投稿日:2022.01.02
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