本土決戦幻想 コロネット作戦編―昭和史の大河を往く〈第8集〉
保阪正康(著)
/毎日新聞出版
作品情報
昭和21年3月1日、相模湾、九十九里浜に米軍上陸、目標は東京。
現実に計画されていた作戦から、米ソに分断占領されるあり得たもう一つの日本を予測する。
<目次>
マッカーサーの野心とコロネット作戦
昭和二十一年三月一日、米軍関東上陸──コロネット作戦
相模湾へ上陸するアメリカ第八軍と守る日本第五十三軍
あってはならない戦い──勝算なき「関東決戦」
あの戦争の終末点──本土決戦という「敗戦のかたち」
陸に上がった連合艦隊司令部──日吉台地下壕
戦艦大和の最期と日吉台連合艦隊司令部
渡邉恒雄二等兵が相模湾で夢見た「空想」
松代大本営内の昭和天皇の「御座所」
軍が守るべきものは何か──スイスと日本の違い
終戦への道を模索する鈴木内閣と本土決戦派の確執
鈴木貫太郎の終戦への固い決意
九十九里浜を望む山中に残るトーチカ跡
本土決戦前夜、勤労動員生徒と学徒兵の証言
一九四五年八月の日米の市民たちの感情
竹槍三〇〇万本あれば日本は防衛できる?
「竹槍では間に合わぬ」──東條首相vs毎日新聞
「国民総玉砕願望」としての本土決戦
米ソに分断された二つの「日本」
「大量自死の悪夢」として記憶される本土決戦
あとがきに代えて──
国民を不条理な死に追いやる史上最悪の作戦
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この作品のレビュー
平均 3.0 (2件のレビュー)
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相模湾と九十九里浜から上陸して東京を攻め落とす、いわゆる本土決戦。
その計画と、実際にそれが行われたらどうなったかという話。
決戦と名前が付くから、なんとなく最後の大勝負というイメージになるが、…どう考えても戦いにもなりゃしない。
太平洋戦争の戦史ものというのは、だいたい昭和に書かれたものが多いので、当時の生き残りの聞き取りなどが主になっている。しかしこの本は21世紀になって書かれたものなので、さすがにそれはほとんどない。
また、米国の公文書公開によるものでもないので、資料的には、それほど目新しさがない。
ではその分だけ歴史になってつきはなした記述があるかというと、そういうわけでもない。「これがあったらみんな死んでいただろう」って、そりゃそうだ。
証言の時代から、歴史の時代へ。その端境期にある感じがする。
ビジョンをなくした結果、内部から崩壊する軍と国家と社会。
負けたから崩壊したんじゃなくて、
崩壊していたから、負け戦に突入した。そして負けるべくして負けた。
それの顕著な実例として、もうちょっと突き放して記述してもよかったんじゃないかと思う。
でも、それは徹底的に第三者の視点を持てということで、
次の世代にならないとできないことかもしれない。続きを読む投稿日:2011.12.24
昭和21年3月、アメリカ軍は関東への上陸作戦を計画していた。昭和20年11月に、九州南部への上陸作戦オリンピック作戦に続くもので、上陸地域は相模湾と九十九里浜の予定だった。 終戦により、この計画は実行…されなかったが、もしこれが行われていたら、日米で500万人以上の戦死者を出し、ソ連の参戦により日本が二つに分割され、現在の朝鮮半島のような二つの国家に支配されることになっただろう。 この本では、実際に防空壕の構築に当たった人たちの証言、指揮官たちの考え方、上層部の思惑と著者による現場視察なども含めて、この作戦について考察している。 本土決戦については、以前話を聞いたことはあったけれど、その具体的な内容までは知らなかった。圧倒的な米軍の兵器物量に対して、日本軍は特攻しか対抗手段がなく、爆弾を抱えて戦車の下に潜り込むゲリラ戦、竹槍を300万本用意して民間人を兵士に仕立てる、神風を待ち焦がれたり、精神論で戦うという考え方が最後まで幅を利かせていたらしい。 軍人たちは、この戦争をどうやって終わらせるか、その方法を模索するが良いアイデアがない。 負けを認めることは、軍人のプライドに傷がつく。 結局、民間人を犠牲にして、自己保身に走った軍人たちが本土で一矢を報いる幻想を見て、だらだらと戦争を続けてしまったことがこの結果になった。 天皇の決断がなければ、この戦争はもっと悲惨なことになっていただろう。
ちなみに九州上陸のオリンピック作戦が実行されていたら、私の父母も巻き込まれ、私はこの世にいなかったかもしれない。そう思うと早く終戦にしてくれて良かったと思う。未だに、もし○○だったらと言う空想戦記小説を書く人がいるが、そのもしが現実になっていたら、書いた本人は存在しなかったかもしれないということも知っておくべきだろう。続きを読む投稿日:2021.08.14
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