強く生きるために読む古典
岡敦(著)
/集英社新書
作品情報
高校三年で肉体労働の現場に転がり込んだ著者は、一冊の古典を読む。ヘーゲルの『小論理学』だ。その哲学書は、日々の土木作業で疲れ切った若者に「未知の地平へジャンプするための勇気」を教えてくれた。正しい理解を目ざすのではなく、自分が生き延びる助けになるように本を読む。そのとき、難解・重厚と思われた古典は、人生を戦うための武器となり、仲間となる。いわば、生きるための読書だ。その実践記録である本書は、「未読の古典にチャレンジするための勇気」を私たちに与えてくれる。【目次】はじめに 「できそこない」のためのブックガイド/1 『失われた時を求めて』(プルースト)かけがえのない時間/2 『野生の思考』(レヴィ=ストロース)ゴミ捨て場からの敗者復活戦/3 『悪霊』(ドストエフスキー)もしも世界が一編の美しい文章なら/4 『園遊会(ガーデンパーティー)』(マンスフィールド)今日、リアルな死に触れて/5 『小論理学』(ヘーゲル)気がつくと見知らぬ土地に立っていた/6 『異邦人』(カミュ)夕暮れ、場違いな人/7 『選択本願念仏集』(法然)最低の人間に贈られた最高の方法/8 『城』(カフカ)成し遂げられていない物語/9 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)春の季節に生まれいづ/あとがき
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 強く生きるために読む古典
- 著者
- 岡敦
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社新書
- 書籍発売日
- 2011.01.19
- Reader Store発売日
- 2013.07.12
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 200ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (15件のレビュー)
-
この本には大いに不満がある。内容にではない。内容はつとに素晴らしい。素晴らしいだけに、その素晴らしさを表現出来ていないタイトルに大いに不満がある。
この本は日経ビジネスオンラインでウェブ掲載していた…文章を加筆修正してまとめたものだ。そのときのタイトルは『生きるために読む古典』だった。
このタイトルは素晴らしいと思う。内容を端的に、的確に表現したものだ。こちらのタイトルは日経ビジネスオンラインの名編集者・山中氏が付けたものらしい。
本になってタイトルが変わったのは出版社が違うからか。その辺の事情はよくわからないが、こちらのタイトルは出版社の方が付けたものらしいから、なるほどこの本に対して愛も思い入れもないのだろう。
それにしても、まるでこの啓蒙書のような薄ら寒いタイトル。これで果たしてこの本が売れたのかどうか。本当にこの本を必要としている人が手に取ることができたのかどうか、はなはだ疑問だ。
この本はバリバリのビジネスマンが、今よりもっと「強く」なるために古典を読みましょう、という内容ではない。「生きる」という基本的なことにすら必死で、藁をもつかもうともがいている病人のような人に、そっと差し出すおかゆのような本だ。
さて古典の紹介本というと、どんな内容を想像するだろう。
この本を書いた人はこういう人で、こういう時代に生きて、こんな時に書かれて、内容は4章に分かれていて、最初はこういう話、次にこういう話、最後にこういう結論になっていて、この世界ではこういう位置づけでとらえられている…
完璧だ。パーフェクトだ。だが、この本では古典はこういう風に紹介されない。
書いた人のことは教えてくれる。内容もちょこっと出てくる。だが、ほとんどは「岡さんがこの本を読んでどう感じたか、どういう読み方をしたか」という内容に終始している。紹介本というより、エッセイに近いと言ってもいいかもしれない。
私は、学校での国語の成績が良かった。とりわけ、「作者がどう考えていたか」系の問題は得意だった。それは、先生受けするような内容を適当に羅列するのが得意だったとも言える。
だから、岡さんの読み解き方は斬新だった。がーんと頭を打ち据えられたと言えば良いのか。
岡さんの古典の読み方は自由だった。あくまでも自分が主体で、自分に必要な読み方をしていた。
作者が絶対に意図していないような読み方だって平気でしていた(もちろん、岡さんはそれを承知でそういう読み方をしている)。
「古典」が、学校でいい成績を取るためのものではなく、「生きるための道具」として活用されていた。
そうだ、これが、本来の読書だ。
古典のイメージと言うとどんなものだろう。
難しい。ちゃんと読んだことがない。教科書で見た。
大凡こんな人が多いのではないか。そしてそういう人に、古典をちゃんと最後まで読み切ったことがあるかどうか聞いてみたい。おそらく、ほとんどの人は首を傾げると思う。
いや、こんな言い方は良くない。私が実はそうだ。それなりに本を読んできたつもりではあるけれど、内容を聞きかじって読んだ気になってる本がほとんどだと思う。
だけど、この本を読むと、そういった本を、ちゃんと「自分の目で」読みたくなってくる。
そこには、岡さんが読み取ったような内容とは違うことが書かれているかもしれない。いや、きっとそうだ。私が生まれて生きてきた中で育まれてきた人生観、道徳観、価値観、それによって同じ本でも、きっと違う風景が見えてくるはずなのだ。
wikiを見れば、その本がどういう内容かはすぐ分かる。けれど、自分の目で見てみたときに、きっとそれ以上に得られるものがあるはずなのだ。
いや、そういう読み方をしてもいいのだ、私だけの、かけがえのない古典がその時生まれるのだ。
岡さんの、この本に出会って、そのことを学んだ。これは本当に良い本だ。続きを読む投稿日:2014.10.08
古典文学作品を好んで読んでいるが、最近古典を読む意味って何だろう?と思い始めた。古典は生きるうえで本当に役立つのか?という不安を感じ始めたのだ。そんな時図書館でこの本を見つけた。
この本は古典作品を著…者独自の目線から読み解釈したガイドブックであった。それぞれの古典作品が1970年代の政治闘争や様々な葛藤の中を生きた著者にどういう力を与えてくれたかについて書かれていく。
この本を読んで、古典作品は、現代でもどの時代でも誰もが抱えるどうしようもない悩みや不安へ一筋の光を与えてくれる存在、寄り添ってくれる存在なのかなと感じた。
難しくて途中で読むのを諦めてしまうこともある古典作品であるけれど、それらを読むことは大切なことだと、とても自分の糧になることだと教えてくれるような本であったと思う。これからも古典作品を楽しみ読んでいきたい。続きを読む投稿日:2022.05.11
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。