指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語―(新潮選書)
中野雄(著)
/新潮選書
この作品のレビュー
平均 4.1 (9件のレビュー)
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指揮者のオーケストラの関係について、
更に勉強できました。
なるほどと思うことが多々ありました。
音楽ってほんと奥が深い。投稿日:2012.10.25
本書は、著者がウィーン・フィル、ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管の関係者等から聞いた話をもとに、指揮者のオーケストラ、演奏など、様々なことに対して考えを巡らせて、私たちに提示するという内容である。…
「指揮者なんて要らない?」という結論が章のタイトルになっているウィーン・フィルについてが一番うまく書けている。
個人的に特に印象に残ったのは、ヨッフムが、コンセルトヘボウ管にヘルマン・クレッバースを勧誘するときの話。
会談の時に、ヨッフムが楽団の財務部長を連れて来て、コンセルトヘボウ管の歴史や存在意義などをイチから話した後に、「オランダの危機を救えるか救えないかは、君の双肩にかかっている」という主旨の口説き文句を言う。
単にオーケストラの問題ではなく、オランダという一国の危機を救えるというやりがいの点でも、また金銭的な面でも満足してもらえるよう財務部長を連れてきたというスケールの大きい話を、ヨッフムらしい誠実さで語った素晴らしい話だった。
このように、著者が演奏家から耳にした興味深い話や、裏話、そして、考えさせられるような考察もあるのだが、いかんせんまとまりがなくバラバラ。個々には興味深い所があっても、「指揮者の役割」を説明するにしては、回りくどく、遠回りしすぎた。話が色々と飛んで、まとまりがない。構成が良くないので、読みづらく、やっと読み終えたという感じがした。
読みづらかった原因は、構成だけにあるのではない。
普段見かけないような単語や漢字が多く使われていたため、それが読書の流れをせき止める原因となった。短い文章や、たまにならどうということもないのだが、本書は1~2ページに一回くらいの割合でそれが出てくる。
例を挙げれば、「椿事、角逐、披瀝、指呼、剽軽、招ぶ、可成り、窮極...」。読み手の勉強不足と言われればそれまでだが、「可成り(かなり)」や「窮極(きゅうきょく)」は、どう考えても「かなり」と「究極」を使ったほうが読みやすいではないか。そこに何か特別な意味を込めて使っているのならまだしも、普通の意味で使っているのだ。これが引っかかり、読むのに時間がかかってしまった。
中野氏の本は、「クラシックCDの名盤シリーズ」(新・旧含めすべて)、「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」、「モーツァルト 天才の秘密」、「ストラディヴァリとグァルネリ」、「ベートーヴェン音楽の革命はいかに成し遂げられたか」など、文春新書で10冊くらいは読んでいるが、このようなことはなかった。ということは、原因は出版社にあるのだろう。
中野氏は、1931年生まれ。古い漢字や、現在ではあまり使われていない言葉を使うのは仕方がない。原稿もパソコンではなく、手書きだと言う。なので、読みづらいところは、校正・編集の段階で直すのが普通だと思うのだが、おそらく新潮社の編集・校正者は原稿を忠実に起こしただけなのであろう。
クラシック音楽愛好家は、一読の価値はあるものの、以上のような点から、おすすめはしにくい。未読であれば、内容の似ている「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」の方がお勧めである。続きを読む投稿日:2023.04.07
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