天切り松 闇がたり 第二巻 残侠
浅田次郎(著)
/集英社文庫
作品情報
ある日、目細の安吉一家に客分として現れた、時代がかった老侠客。その名も山本政五郎――すなわち幕末から生き延びた、清水の次郎長の子分・小政だというのだが……。表題作「残侠」など、天下の夜盗「天切り松」が六尺四方にしか聞こえぬ闇がたりの声音(こわね)で物語る、義賊一家の縦横無尽の大活躍八編。粋でいなせな怪盗たちが大正モダンの大東京を駆け抜ける、感動の傑作シリーズ第二弾。
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商品情報
- シリーズ
- 天切り松 闇がたり
- 著者
- 浅田次郎
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2002.11.20
- Reader Store発売日
- 2011.03.25
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 304ページ
- シリーズ情報
- 既刊5巻
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この作品のレビュー
平均 4.2 (56件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
近頃は全く聴くことがなくなった、漢とはとか、任侠道、なにわ節全開。
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押し付けることはダメだけども、こういう形で自分を陶冶するという気風も、ひとつの文化なのかもなと思った。
清水の小正が出てくることで、次郎長を調べるきっかけを得て、次郎長と山岡鉄舟の関係にまでたどり着く。やはりそちらも知りたいと思う。
長え人生、しっかり男を磨け
達引 何につけても昔の人間にァ、銭で売り買いのできねえ意地てえもんがあった
勝ち負けも損得もないのだ。信じた道をまっすぐにつっ走るのが心意気なのだ。
親に対する恨み憎しみは、おのれの血を蔑むことだ。おのれを蔑めば、人間はただのひとりも生きてはいけない
投稿日:2023.05.21
「浅田次郎」の連作小説『残侠―天切り松 闇がたり〈第2巻〉』を読みました。
『終わらざる夏』に続き、「浅田次郎」作品です。
-----story-------------
ある日、目細の「安吉一家…」に客分として現れた、時代がかった老侠客。
その名も「山本政五郎」―すなわち幕末から生き延びた、「清水の次郎長」の子分「小政」だというのだが…。
表題作『残侠』など、天下の夜盗「天切り松」が六尺四方にしか聞こえぬ闇がたりの声音で物語る、義賊一家の縦横無尽の大活躍八編。
粋でいなせな怪盗たちが大正モダンの大東京を駆け抜ける、感動の傑作シリーズ第二弾。
(解説/「大山勝美」)
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天下の夜盗「天切り松」が、留置場の中で六尺四方にしか聞こえぬ闇がたりの声音で、大正時代の粋でいなせな怪盗たちの活躍を物語る「天切り松」闇がたりシリーズの第2作… 集英社が出版している月刊小説誌『小説すばる』の1998年(平成10年)1月号から8月号に連載された作品8篇が収録されています。
■第一夜 残侠(旧題:「残侠」前編)
■第二夜 切れ緒の草鞋(旧題:「残侠」後編)
■第三夜 目細の安吉
■第四夜 百面相の恋
■第五夜 花と錨
■第六夜 黄不動見参
■第七夜 星の契り
■第八夜 春のかたみに(旧題:花のかたみに)
■解説 大山勝美
「天切り松」闇がたりシリーズを読んだのは初めてだったのですが… 小粋でいなせで、物静かで小柄な老人「天切り松」が名調子で物語る独り芝居的な魅力にぐいぐいと引き込まれ、大正時代の東京でのできごとが目に浮かんでくるようでしたね、、、
裏社会の人間たちが、表社会の人間たちを痛快にやり込める展開も魅力的なのですが… 親代わりで芸術的な中抜きの名人「抜け弁天の安吉(目細の安吉)」、天切りの職人「黄不動の栄治(栄治兄ィ)」、強盗(タタキ)の「坊主の寅弥(寅弥兄ィ)」、百面相で騙りの「書生常(常次郎兄ィ)」、巾着切りの「振袖おこん(おこん姐さん)」等々、個性的で魅力溢れた登場人物が本シリーズの大きな魅力だと感じましたね。
早くに母親と死別し、父親に捨てられた「松」が、義賊の集団の中で友情を育み、技量を鍛え、世間を知り人間として成長する姿を描いたヒューマンドラマでもありましたね… 情の深さ、掟や躾の厳しさ、支え合う絆の強さ、そして、人間関係の豊かな美しさが心地良いんですよねぇ、、、
『百面相の恋』、『花と錨』、『星の契り』は、「書生常」、「振袖おこん」、「松」の色恋話がテーマとなっていて切ない恋愛小説として愉しめたし、
『残侠』、『切れ緒の草鞋』(この二話は当初前後編となっていたようですがセットですね)、『目細の安吉』、『黄不動見参』は、「清水の次郎長」の子分「小政(政五郎)」や「目細の安吉」、「黄不動の栄治」の活躍が痛快でスッキリする粋な物語だったし、
『春のかたみに』は、親子の絆をテーマにした感動的なドラマに仕上がっていましたね。
独特な魅力にはまってしまいました… 「天切り松」闇がたりシリーズ、他の作品も読んでみたいな。
以下、主な登場人物です。
「天切り松」
仕立屋一門最後の生き残り、物語の語り手。
仕立屋銀次の左腕抜け弁天の安吉のもとで幼少も頃からその道の修行をする
「仕立屋銀次」
元仕立屋職人、スリの親分清水熊の娘と結婚し、明治33年に一家の跡目を継ぐ。
明治の末には東京市中に手下ニ千人といわれたスリ盗人の大頭目
「抜け弁天の安吉(目細の安吉)」
本名杉本安吉。
明治42年の大検挙で銀次がパクられたあと、シマを預かる。「中抜き」の達人
「振袖おこん」
安吉の一家。三十路手前の大年増。「ゲンノマエ」の達人
「坊主の寅弥(説教寅)」
安吉の一家の若頭。気は荒いが情けにゃ弱い。盗人の華タタキを稼業とする
「黄不動の栄治」
安吉の一家。二代目彫玄の傑作の不動明王を背中に背負う。
大江戸以来の夜盗の華「天切り」の使い手
「書生常」
安吉の一家。または百面相の常次郎。本名本多常次郎。
帝大生顔負け天才的経済犯
「おしろい」
東京地検の辣腕検事。白井
「政五郎」
謎の老人。「清水港は鬼より怖い」とうたわれたあの男か!?続きを読む投稿日:2023.02.27
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