まるちゃんさんのレビュー
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52
このユーザーのレビュー
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二度はゆけぬ町の地図
西村賢太 / 角川文庫
なまなましい私小説
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学歴もなく自らの欲望に自制もできずに思うがままに生きようとして、それもまかりとおらない青年の物語。その露骨で下品とも思える単語単語に嫌悪感を覚えることもあるが文章の完成度が高いのは否めずに読み進めてし…まう。著者の本ははじめて読んだが、別の作品も読まざるを得ないか。 続きを読む
投稿日:2014.01.03
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人間処刑台
大石圭 / 角川ホラー文庫
力作
2
人にいえないような内面を書きまくる作者が、ほぼ「暴力」に特化した異色の一作。期待せずに読み始めたのだがよい作品だった。
作者が格闘技に精通しているとは思えないけど、闘いのシーンもそれなりにきちんと描写…されている(編集者のサポートの賜か?)。今後もっとこういう方面の作品も手がけて欲しいもの。
続きを読む投稿日:2013.11.27
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60秒の煉獄
大石圭 / 光文社文庫
意外にも
2
最終の数話を読んで退屈な短編集かと思いきや、連作集であり、後半になるにつれてだんだんとひきこまれていく。
定番のあとがき(作者の寂しげな子供時代)がまた味わい深い(今回は少々重くもある)。投稿日:2013.11.27
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雀蜂
貴志祐介 / 角川ホラー文庫
あれれ
2
ネタバレにならないように努めるが、途中まで読み進めて、蜂の描写はリアルで怖いのだけど、とある違和感を覚えつつ読み進んだ。他のレビューでも言及されているラストは、この違和感を誘発している伏線の回収なのだ…と考えるとしっくりくる。
他の作品にあるような緊迫感や疾走感はまったくなかった。ホラーじゃなくてミステリーなんだと思う。
続きを読む投稿日:2013.11.24
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バースデイ
鈴木光司 / 角川ホラー文庫
リングシリーズ第4作(完結)
1
ループで完結したかと思いきや、エピローグとしてこれまで語られていなかった細部が書かれている。
こういった作品ではよく蛇足に思えてしまう場合も多いが、ループの読後感がますます冴え渡ること間違いなし。投稿日:2013.11.10
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ループ
鈴木光司 / 角川ホラー文庫
リングシリーズ第3作
0
リング・らせんに対して科学的な理屈を見いだそうとした力作。冒頭が実に作者らしい家庭の描き方で印象に残る。ホラー作品としては邪道に思えるかもしれないけど、リング・らせんはほんの一幕だったと思えば、ホラー…にとどまらないもう一つ上位なシリーズ作品として満足できること間違いなし。
本作にだけは作者あとがきがなかったのが少々不満。 続きを読む投稿日:2013.11.10