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ちろりんさんのレビュー
いいね!された数43
  • 舟を編む

    舟を編む

    三浦しをん

    光文社文庫

    人生をかける仕事

    子供のころ、辞書ってどうやって作るのかな、って思ったことがあった。言葉っていくつあるんだろう、って思ったことがあった。大人になって辞書を手にすることもなくなってしまったけど、昔使っていたものがどうなったのか、無性に気になります。こんな風に、誰かが人生を、全ての情熱を傾けて作られるものだから…しをんさんの、ユーモアがあって人間味の溢れる文章がテンポよく、心地よかった(^_^)

    2
    投稿日: 2014.10.16
  • 蜩ノ記

    蜩ノ記

    葉室麟

    祥伝社文庫

    真の武士道とは?

    愛するものの為に、恥じぬ生き方をする、誠実に生きる…この話を読むと、武士道とはそれだけでよいのではないかという気がする。己の地位を守るために簡単にひとをも殺めることができる権力者がいたり、賄賂がまかり通る世の中、秋谷の生き方が、周りの者の生き方まで変えていく様が素晴らしい。彼の思いを継いだ者たちが、羽根藩をきっと変えていくだろう。

    3
    投稿日: 2014.10.16
  • 天地明察 下

    天地明察 下

    冲方丁

    角川文庫

    『人物』の魅力

    まさに天命。暦を作ることは、新しい世の中を作ること。多くの人の想いを背負い、成し遂げたのは幕臣の肩書きを持たないひとりの碁打ち算術暦学者。挫折を繰り返しながら、自分の弱さをさらけ出し、周囲の素晴らしい人格者に支えられ邁進した春海の人間らしい強さと弱さがとても魅力的。辞書を作ることに生涯をかける人を描いた『舟を編む』に通ずるものを感じた。

    1
    投稿日: 2014.03.10
  • ペンギン・ハイウェイ

    ペンギン・ハイウェイ

    森見登美彦

    角川文庫

    少年の冒険

    ファンタジー。ハリウッド映画の少年の冒険もののように、明るくて明快なスクリーンが浮かんだ。 四年生って、思っているよりもずっと大人。でも、子供だから見ること、感じることができることもあって。 大人と子供の境目の、とても賢い子供から見る世界がキラキラ眩しかった。

    0
    投稿日: 2014.03.10
  • グラスホッパー

    グラスホッパー

    伊坂幸太郎

    角川文庫

    殺し屋の話だけど、おもしろい!

    押し屋とそれを追う3人のキャラクターがなにやら魅力的。どんな展開で収拾するのかとドキドキ読み進めると、あー、やっぱりやられたー!!最後の最後にも! 最後まで読んで、また最初から読みたくなるような作品。

    3
    投稿日: 2013.10.23
  • マリアビートル

    マリアビートル

    伊坂幸太郎

    角川文庫

    新幹線と一緒に疾走しよう!

    極上のエンターテイメント♪殺し屋の話だけど、とにかく、最もたちの悪い『悪』は中学生。だから物語は深く面白くなっている。しかも、新幹線という密閉された空間と決められた時間で、殺伐とした話に緊迫感が増す。殺し屋のキャラはどれも魅力的で、会話のなかに、哲学的名言はたくさん。徐々に点と線が結び付いて、ドキドキしながら新幹線が終点に向かいつつ、最後に残るものはなに?

    5
    投稿日: 2013.10.23
  • 政と源

    政と源

    三浦しをん,円陣闇丸

    集英社文芸単行本

    どちらの生き方がカッコイイ?

    このお話、とても好きです。73歳の幼なじみのおじいさん二人。対極的な生き方だけど、私には、どちらの生き方も立派だと思えるな。つまみ簪って素敵ですね。いつまでも残ってほしい伝統です。そして、戦後の復興のため企業で必死に働いてきた人達も尊敬します。それにしても、幼なじみっていいですね。ユーモアのある温かい文章と運河の町の風情がとても心地よかったです。

    3
    投稿日: 2013.10.23
  • 月魚

    月魚

    三浦しをん

    角川文庫

    異質な世界と確かなもの

    人間の、とても繊細な部分を映した作品。二人の関係と、それぞれの親子、家族の関係。どこかもろくて危なっかしいものだけど、確かなものでも繋がっていて。どこか異質な古本を生業とする世界が、そんな関係をより際立たせているような気がする。三浦しをんさんをますます好きになった作品。

    10
    投稿日: 2013.10.11
  • チョコレートコスモス

    チョコレートコスモス

    恩田陸

    角川文庫

    今後の成長が楽しみ♪

    『ガラスの仮面』を思い出しました。まだ芝居を始めたばかりで、自分の才能に全く気付いていない飛鳥が、どんな風に天才ぶりを発揮していくのか、ワクワクしながら読めました。続編も読んでみたいな。チョコレートコスモスというタイトルにもに惹かれて購入したのですが、なるほど、『コスモス』の意味が深いです。

    1
    投稿日: 2013.10.11